13   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
門弟として空白となりし秋 木下もと子 200811
瞑れば湖心に秋の来てをりぬ 岩淵彰 遠嶺 200811
逗留の伯耆山麓梨の秋 博多永楽 雨月 200811
川風の二子玉川駅に秋 渡邉孝彦 やぶれ傘 200811
竹千幹くぐりし風や嵯峨の秋 谷村幸子 200811
露天湯にとんびの笛を浴びて秋 西山春文 200812
羽衣の語部となり己が秋 四條進 200812
大寺のまづ常夜燈秋闌ける 篠田純子 あを 200812
金剛の吽像夫似秋浅し 田中藤穂 あを 200812
丸ビルの窓紺青に映ゆる秋 大島寛治 雨月 200812
賽銭のコロコロカラン秋静か 東亜未 あをかき 200812
やうやくに秋の到来鳥の声 坂上香菜 200812
駅弁の紐の十字も秋なかば 高皿令子 200812
ゆつくりと星座組まるる素秋かな 加藤京子 遠嶺 200812
高原の秋の絶景ひと日早や 佐藤健伍 200812
ノーベル賞紙と鉛筆俳の秋 小堀寛 京鹿子 200812
投げ渡すものにともづな島の秋 和田照海 京鹿子 200812
闘病記綴つてみれば秋そこに 宇都宮滴水 京鹿子 200812
傘寿でもしやれ気なくさず秋支度 佐藤健伍 200812
白い猫画廊に飼はれ秋の一部 中村恭子 200812
花マップ手にゆっくりと秋探す 森山のりこ あを 200812
手古舞の木遣流るる秋の杜 山田富朗 遠嶺 200812
出湯の秋挨拶受ける手術痕 中尾硫苦 炎環 200812
木の枝に苦瓜熟るる庭の秋 木内美保子 六花 200812
秋いまだゆっくりリズムの並木道 新実貞子 200812
秋の闇主亡くせし犬鳴ける 岸本久栄 雨月 200812
来る秋へ目力を張り退院せむ 伊藤白潮 200812
蓮の葉に秋の来てゐる気配あり 谷合青洋 酸漿 200812
藪抜けてまた藪抜けて嵯峨の秋 西本輝子 雨月 200812
蟲の秋五叉路のひとつ上り坂 佐藤喜孝 あを 200812
松籟を笙の音となし浜の秋 市川玲子 春燈 200812
乗る並ぶ走るディズニーランド秋 藤野寿子 あを 200812
新幹線降りて信濃の秋に逢ふ 宮入河童 200812
水は木を木は風を呼び秋送る 安立公彦 春燈 200812
鏡花蘆花探る古書店灯も秋に 大島寛治 雨月 200812
千年の樹の香をつつむ峰は秋 池田光子 200812
系圖屋の系圖は白し桐の秋 小堀寛 京鹿子 200812
大いなる秋の器を湖といふ 伊藤白潮 200812
筑波嶺の空や一気に秋の逝く 上原重一 200812
爪蓮華崖の其処ここ湖は秋 勝野薫 ぐろっけ 200812
好ましき行書の法を秋の詩 小澤克己 遠嶺 200812
「古稀サミット」と称して集ふ洞爺秋 西村純代 200901
六甲の秋を獣の四つん這ひ 常田創 200901
秋を舞ふこつこつこつとトーシューズ 萩原渓人 やぶれ傘 200901
秋ひと日ひとの家族に温めらる 瀧春一 深林 200901
本堂に秋の調べの笙篳篥 北村香朗 京鹿子 200901
病みて聞くラジオの秋の唄身にしむ 山田をがたま 京鹿子 200901
ものなべて秋の明るさ風のみち 渡邉友七 あを 200901
中世の街の晩鐘秋行けり 谷岡尚美 200901
わかさぎの甘露煮秋も深まりぬ 中山純子 万象 200901
めくり忘れしカレンダーに秋しのび寄る 丹生をだまき 京鹿子 200901
遺言の構想まづは秋と書く 小林正史 200901
雲といふ銀の箔置く湖は秋 岡田貞峰 馬醉木 200901
見えしは千手観音秋の闇 安藤久美子 やぶれ傘 200901
おそ秋の文字を散らせり雑記帳 高田令子 200901
屋久杉の仏龕誇る島の秋 河村泰子 ぐろっけ 200901
三老女続くおしゃべり秋の午後 藏本博美 ぐろっけ 200901
加賀藩の百万石の稲の秋 中村洋子 風土 200901
飯三度秋の眞ン中めんたいこ 伊藤希眸 京鹿子 200901
指紋の渦もう巻き込まれぬ八十の秋 荻野千枝 京鹿子 200901
弁当は忘れずに来てホ句の秋 立村霜衣 ホトトギス 200901
菩提樹に触れ師の句碑に触れて秋 田中芳夫 200901
樹齢千椎が拡げる秋の蔭 浜田南風 200901
秋一夜まこと山湖の波を聞かず 瀧春一 深林 200901
秋親し寺で雅楽を聞こうとは 北村香朗 京鹿子 200901
落剥の不動明王寺の秋 花岡豊香 酸漿 200901
里の秋有線放送が人捜す 田中きよ子 酸漿 200901
立石寺の翁を辿る磴の秋 手島伸子 雨月 200901
街路樹の秋や水木の葉の揺るる 小林定雄 酸漿 200901
楸邨の怒濤は知らず隠岐の秋 中西光 炎環 200901
小面に愁ひをのこし秋行けり 近藤敏子 200901
勧請縄古り源流の村の秋 室伏みどり 雨月 200901
新鮮な秋を並べて無人売 杉本綾 200901
峡の宿秋の恵みの膳温し 羽賀恭子 200901
清秋や風紋の相読み解かむ 生方義紹 春燈 200901
清秋や薬師三尊像拝し 辰巳あした 雨月 200901
暁闇の島の月蝕波の秋 山田弘子 ホトトギス 200901
痛み止め効きゐるうちに秋便り 山田をがたま 京鹿子 200901
養老の錦の秋や句碑除幕 手島伸子 雨月 200902
この秋の関所破りはをらぬなり 竹内悦子 200902
雨音は苔に吸はれて寺の秋 向井由利子 200902
そこはかと拡ごる茜湖の秋 仙石君子 雨月 200902
まんじゅうを割ればあんこに秋にじむ 北畠明子 ぐろっけ 200902
鳴く鳥の声の明暗園の秋 須藤トモ子 200902
秋は先づピカソの裸婦の直視かな 中村恭子 200902
秋らしくなき一隅を撰りて坐す 中村恭子 200902
カーブきる登山電車の風に秋 大木清美子 200902
秋闌くる電車ゆるりと吉野線 山口キミコ 200902
盥舟佐渡の秋見るゆとりなし 泉田秋硯 200902
疏水果つ伏見に秋を滾らせて 松本鷹根 京鹿子 200902
水亭の深める秋と思ひつゝ 浅井青陽子 ホトトギス 200903
多病なる医師を主治医に秋を病む 松田都青 京鹿子 200903
とある日のテムズの岸に寄する秋 松村光典 やぶれ傘 200903
丸ビルの縁を肥後に繋ぐ秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904
廃村の小湖いちじゆんバスの秋 浅井青陽子 ホトトギス 200904
遥か来て訪ふ水竹居偲ぶ秋 安原葉 ホトトギス 200904
庭師来ずなりて深まる庭の秋 野沢しの武 風土 200907
みどりごの熟寝をさそふ風の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200908
みちのくの大地の秋へ踏み入りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200908
防人となる日も近し菊の秋 八田木枯 晩紅 200908
秋 →14

 

2022年10月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


2022年10月3日