11   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
孫の脊のづんと脊廣く里の秋 丸山冬鳳 京鹿子 200702
塗り上がる柵くつきりと秋の影 小島みつ代 200702
阿波の木偶鼓で哭かせ暮るる秋 北川光子 ぐろっけ 200703
冥王星あってもなくても月の秋 藤原りくを 八千草 200703
秋は行く赤を淋しき彩として 蔦三郎 ホトトギス 200703
あとは運句欲百迄最早や秋 岩崎憲二 京鹿子 200703
酒の名を問へば「放哉」海は秋 山元志津香 八千草 200704
貝殻に海星に秋のほてりかな 百瀬七生子 海光 200705
白和えに秋をまさぐるままごと屋 桑原泰子 八千草 200705
江戸の櫛華やぎ今に秋を梳く 大城重子 八千草 200705
黄のダリヤ秋のこころにうなだるゝ 瀧春一 200706
蓮田に花の見ゆれど早稻の秋 瀧春一 200706
つれだちて行けば難波田の早稻の秋 瀧春一 200706
天平の世をしのぶ子規偲ぶ秋 安原葉 ホトトギス 200706
かりそめの日射も雨も山の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200707
ビル高く更にクレーン高き秋 杉良介 200708
波寄せて寄せて日本海の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200708
山荘の秋を訪はんと思ふ日よ 稲畑汀子 ホトトギス 200708
防塵眼鏡つけて動ける秋を待つ 小菅礼子 春燈 200708
秋といふことばの一人歩きして 稲畑汀子 ホトトギス 200708
海見えてやがて着く町旅の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200708
すでに秋独語のあとの夜の深み 岡本眸 200708
苦瓜も真黄に秋をつくしおり 百合山羽公 ぐろっけ 200708
彫深きスチュワーデスや旅は秋 小林成子 200708
背面に秋のきてゐる千手仏 須田紅三郎 200709
完璧な秋へと「遠嶺」記念号 小澤克己 遠嶺 200709
大川の色を変へゆくほどの秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
校庭をかつて子役が駆けし秋 小澤克己 遠嶺 200709
海原にわたしの涙加へ秋 頓所友枝 200710
もう人の訪はぬ山家の秋なりし 稲畑汀子 ホトトギス 200710
山荘の秋を訪はんと思ふ日よ 稲畑汀子 ホトトギス 200710
秋兆すまほらの里へ峠越す 鈴鹿仁 京鹿子 200710
列の先最後の審判暑き秋 安部里子 あを 200710
小桟橋翳とも見えて沼の秋 岡本眸 200710
沼古りぬあといくたびの秋を見む 岡本眸 200710
人来ねばわが声もなし家の秋 岡本眸 200710
くぐもれる喚鐘三打竹は秋 白井友梨 馬醉木 200710
うつ伏せの舟のあまたや沼の秋 岡本眸 200710
紅に秋を感じてゐる都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
むつかしき駅名つづく木曽の秋 二村蘭秋 雨月 200711
文士等の愛せし沼の風も秋 伊藤白潮 200711
銅鐸の狩猟の絵画秋閑くる 林日圓 京鹿子 200711
一舟を離れ一舟湖の秋 鶴見遊太 200711
大日天のうまくさんだまんだ秋 松本桂子 200711
ペリカンの雁行を見し島の秋 柳川晋 200711
ひさびさに葉に穂に触れて野路の秋 鷹羽狩行 200711
島は秋白鳥と紛ふ波寄せて 小野喬樹 馬醉木 200711
この国の力は秋の土の色 柳川晋 200711
碧天は秋へのけはひ球児等泣く 田中芳夫 200711
火を離れ秋のつめたさ中華鍋 中山純子 万象 200711
墨するや秋三尺の児のごとく 神蔵器 風土 200711
修道院の木靴(サボ)・革帯や稲の秋 山本耀子 火星 200711
ポケットに双手ひとりの道の秋 岡本眸 200711
秋ゆゑの古典ランプの灯を点す 小澤克己 遠嶺 200711
秋を待つ画廊手作りコンサート 竹内文子 遠嶺 200711
葉脈に秋の気とほる朝かな 岩下芳子 200711
瀬の音も秋の気配となりにけり 佐藤健伍 200711
人生に波あり秋に渚あり 安居正浩 200711
秋を待つ句碑面々の深まなざし 小野寺節子 風土 200712
ハコフグの顔の正面秋淋し 瀬戸悠 風土 200712
ふと頬に秋を感ずる歩道橋 木内美保子 六花 200712
はるかなる比良の山稜雲は秋 松村富子 200712
佐保川の秋耀ひぬ通り雨 長田曄子 火星 200712
日光の世界遺産や秋まぶし 佐藤健伍 200712
押移る秋を身近に信濃口 佐々木幸 200712
試着衣に秋の温もり貰ひけり 長谷川鉄夫 200712
オピニオンリーダー替へて雲は秋 片山茂子 遠嶺 200712
箸をとり置くまで秋の科かな 佐藤喜孝 あを 200712
山容の息整ふや稲の秋 佐藤康子 遠嶺 200712
病廊の能面われに語る秋 高橋邦夫 風土 200712
普門品三十三巻納む秋 高橋照子 雨月 200712
風神の折り紙砂丘秋遅々と 禰寝瓶史 京鹿子 200712
七色の水引細工澄める秋 いしだゆか 遠嶺 200712
いちはやく菓子舗に秋の来てをりぬ 笠井敦子 200712
樹々高き夜空に秋の来てをりし 小泉万里子 200712
秋あはれ蘇我氏の栄枯石舞台 島田山流 春燈 200712
旅苞の奈良の墨磨る桐の秋 糸井芳子 200712
かにかくに六百冊を見てし秋 高木智 京鹿子 200712
深閑と時蓄へて沼の秋 小泉万里子 200712
しほさゐへ秋の歩幅となつてをり 若槻妙子 200712
水音をかたへに歩む木曾の秋 丸山美奈子 馬醉木 200712
供花替へてみほとけに秋奉る 安武晨子 200712
清秋や耳福眼福フェルメール 馬場宏一 春燈 200712
吟行や膝の上にて秋を生む 鎌倉喜久恵 あを 200712
銀座秋ヘリ旋回す火事騒動 東亜未 あを 200712
径まよひ表通りを探す秋 吉成美代子 あを 200712
束の間の秋を探しに佐久平 森山のりこ あを 200712
元禄の石仏眼鼻失せて秋 飛高隆夫 万象 200712
吾が星の蠍座しづむ秋今宵 小林清之介 風土 200712
町並に和紙の明りや美濃の秋 井上幸子 酸漿 200712
天井に又造の竜秋闌ける 曽根治子 風土 200712
両国てふ房総めきし駅の秋 鈴木榮子 春燈 200712
オフィスビルの坐像くろがね風の秋 南浦輝子 火星 200712
婚の秋庭の燈籠みな点し 浮田胤子 ぐろっけ 200712
羽衣の松の二代目三保の秋 須藤美智子 風土 200801
宇治橋の著き木目や秋閑くる 花田百合子 200801
雨あとの草しなやかに秋すすむ 木内憲子 200801
同じ影生み継ぎ薬医門の秋 布川直幸 200801
押葉して今年の秋を封印す 小泉万里子 200801
燃す竹の弾けて秋の一日消ゆ 天野きく江 200801
秋 →12

 

2022年9月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


2022年9月20日