秋の空(秋空・秋天)6     200句

雲を透く秋空見れば笛欲しや   藤田湘子  白面

作品
作者
掲載誌
掲載年月
納骨しやっとひと息秋の空 難波篤直 201404
飛機揺れてより秋空に突入す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
三輌の電車秋空横切れり 山荘慶子 あを 201409
暮れ泥む秋空鴉の影動く 吉弘恭子 あを 201409
潦に秋天ちょんちょん遊ぶ雀二羽 篠田純子 あを 201410
祝賀会までこの秋の空欲しく 稲畑汀子 ホトトギス 201410
秋天へ浅黄斑を見失ふ 須賀敏子 あを 201410
昨日逢ひ今日会ふいづれ秋の空 稲畑汀子 ホトトギス 201410
雲流れ流れて古都の秋の空 稲畑汀子 ホトトギス 201410
やうやくに秋の空とは今日のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201410
一碧の秋天で足る今日の幸 宮坂恒子 201411
誰が吹く口笛秋天透きとほる 武藤嘉子 201411
何一つ秋の空には隠せない 高橋将夫 201411
逆上がりうまく出来さう秋の空 野畑さゆり 201411
脳裡には秋天入るる広さあり 高橋将夫 201411
袋小路にも秋天は高くあり 高橋将夫 201411
川水で手を洗ひをる秋の空 白石正躬 やぶれ傘 201411
カラカラと無人リフトは秋空に 白石正躬 やぶれ傘 201411
師の色紙より秋天へ窓開く 生田作 風土 201411
秋天のかすかに映りゐる手水 山田六甲 六花 201411
鳳凰の輝くみ寺秋の空 山口キミコ 201412
秋空へ国旗はためき児らの声 木戸宏子 201412
秋空へ響く訓練津波報 田中臥石 末黒野 201412
ピストルが秋天を撃つ駆けつくら 藤丸誠旨 春燈 201412
秋天に大きな顔と地声かな 田中貞雄 ろんど 201412
秋天や婚の讃美歌晴れ晴れと 寺沢千都子 万象 201412
カリヨンが鳴る秋の空仰ぎゐて 大橋晄 雨月 201412
避雷針ぴいんと伸びて秋の空 出口誠 六花 201412
秋天をひとり占めせる展望台 大島みよし 201412
秋天に轟く演舞太鼓音 井口淳子 201501
庭師来ていよよ秋天広ごりぬ 菅澤陽子 春燈 201501
狂はば櫨の赤悟らば秋天の青 佐々木良玄 春燈 201501
詩を作るには秋天の高すぎる 菊川俊朗 201501
秋空に声躍らせて法被の子 近藤鉦子 201501
秋天にかざして拭ふ眼鏡かな 立野千鶴子 末黒野 201501
秋天へ鋏の音の弾みをり 小倉純 末黒野 201501
モンブラン讃へ秋天澄みに澄み 横山昭子 雨月 201501
御成通り抜けて由比まで秋の空 仙田孝子 風土 201501
秋空ヘヒマラヤ杉の枝の張り 井上淳子 火星 201501
息入れて折鶴翔たす秋の空 久保東海司 201501
ガラス屋が来て秋天を嵌めてゆく 熊川暁子 201501
かの山の遠き秋空上田敏 谷岡尚美 201501
秋の空大荒地野菊を撮らむ 市川伊團次 六花 201501
秋空をさらりと走る雲の来て 白石正躬 やぶれ傘 201501
秋天や単線車輌魚体めく 田村園子 201502
秋天へ足掛りよき木瘤かな 當間シズ 万象 201502
秋天や電柱のなき蔵の町 岡野里子 末黒野 201502
秋天を深く沈めし山の湖 松田泰子 末黒野 201502
秋天をいくども仰ぎ句座へ急く 出口貴美子 雨月 201502
秋天や逆さに干さる甕の底 箕輪カオル 201502
秋天の落し穴かな石切場 田中一美 ろんど 201502
劔箭の秋天を突く黄金かな 石倉千賀子 ろんど 201502
秋天の落し穴かな石切り場 田中一美 ろんど 201502
秋天を動かしてゐる大クレーン 大内幸子 六花 201502
玻璃拭きて秋天一歩近くなる 大山夏子 201504
秋天の塔の高きに鴉二羽 江口九星 201504
祝ぎ心乗せ秋天へ離陸せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
秋天に轟音まぶす軍用機 布川直幸 201508
噴火せし山のつづきの秋の空 稲畑汀子 ホトトギス 201509
クレーンのびる秋天の途中まで 八木健 八木健俳句集 201509
秋天をいけどるやうに投網打つ 八木健 八木健俳句集 201509
遮断機のもちあげてゐる秋の空 八木健 八木健俳句集 201509
釣人の帽子振り合ふ秋の空 渡部恭子 馬醉木 201510
秋天を落ち来て鰡の音となる 山田六甲 六花 201510
秋天を隠し切つたる神の楠 布川直幸 201510
おむすびの角は上向き秋の空 きくちえみこ 港の鴉 201510
群青色は神代のままの秋の空 齋藤晴夫 春燈 201511
秋天を余白としたる富士の山 高橋将夫 201511
秋天や遠近の山ひとしなみ 瀬川公馨 201511
秋天や播磨手中に姫路城 前田美恵子 201511
秋天や拳の太き反戦歌 亀井紀子 201511
ベルトサイン点灯一気に秋天へ 吉田政江 201512
寄生木にまだ秋天といふがあり 湯橋喜美 201512
秋空をすこし覗かせ降りしきる 松村光典 やぶれ傘 201512
一切の事秋天に委ねたる 岩下芳子 201512
秋天にアザーンの声響くなり 田中信行 201512
秋天や拳の太き反戦歌 亀井紀子 201512
秋天や神津島まで車窓から 森理和 あを 201511
メトロ出て大き一息秋の空 森理和 あを 201512
秋空に響く鼓笛や風に乗る 青野安佐子 201512
秋天や河馬の欠伸の二分間 太田良一 末黒野 201512
秋天や伸び放題の庭の草 阿部重夫 末黒野 201512
秋天へ風昇りゆく楠大樹 生田作 風土 201512
宮造作既にして千木秋天に 江木紀子 雨月 201512
砂あびの馬秋天を蹴り上げる 池田光子 風土 201512
鴨川の鴨の尻たて秋の空 杉本薬王子 風土 201512
秋空に知らない国が映りさう 直江裕子 京鹿子 201601
秋空にフラダンスの波市民祭 和田政子 201601
秋の空鳶悠々と番かな 青野安佐子 201601
丹田に吸ひ込む青き秋の空 田中臥石 末黒野 201601
針突けば割れると思ふ秋の空 有松洋子 201601
散録に句心繋ぐ秋の空 赤岡茂子 春燈 201601
秋天へ登りつめたる棚田かな 山内碧 201601
秋天を蹴つて赤子のまた育つ 能勢俊子 馬醉木 201602
秋天を突きさすマスト日本丸 広田貞治 風土 201602
オハイオのブルーの秋空友の顔 水谷直子 京鹿子 201602
秋天へ湯気もうもうと中華街 森岡恵子 万象 201602
柵越しに馬を呼ぶ児や秋の空 秋山信行 やぶれ傘 201602
秋天に雲のひとつとグライダー 秋山信行 やぶれ傘 201602
秋天にとどけと組める人の塔 山本無蓋 201602
秋天を北へ延びゆく飛行雲 平居澪子 六花 201602
点滴のはるか秋天ありにけり 浦川哲子 201603
針突けば割れると思ふ秋の空 有松洋子 201608
秋天に飛び立ちさうなダイエット 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
午後はもう快晴ならず秋の空 稲畑汀子 ホトトギス 201609
何もかもこの秋天に還したく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
秋天に吊り上げられし大架橋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
甦る句碑秋天を近付けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
秋天と色を競うて烏城かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
秋天へ手足つなぎの像翔くる 能村研三 201611
眩驚の像秋天に何を吼ゆ 成宮紀代子 201611
笙ひちりき秋天にいま音あらば 渡邊千枝子 馬酔木 201611
秋空が映つつて青い水たまり 藤井美晴 やぶれ傘 201611
秋天へ枝剪り鋏伸ばしきる 青谷小枝 やぶれ傘 201611
二階建てバスの二階の秋の空 青谷小枝 やぶれ傘 201611
秋天は水を弾いてしまひさう 高橋将夫 201612
一皮も二皮も剥け秋天へ 加藤みき 201612
雲の襦袢すらりと脱ぎて秋の空 柳川晋 201612
秋天へ天馬の手綱さばきける 阪倉孝子 201612
秋天を敲けばひびく鈴の音 有松洋子 201612
滝音の白きしぶきを秋天へ 笹村政子 六花 201612
鶏のこつく勢ひ秋の空 溝渕弘志 六花 201612
秋空とつながつてゐる研究棟 高田令子 201612
秋の空きらきら星の歌遠し 遠野あきこ 船団 201612
気紛れは秋空の所為旅歩き 小林清彦 末黒野 201612
かあちゃんの取説の本秋の空 つじあきこ 201612
秋の空リフトに吊らる天空米 七郎衛門吉保 あを 201612
嵩だかく廃車運ばれ秋の空 定梶じょう あを 201612
晴れすぎて平面となる秋の空 伴明子 ホトトギス 201701
一湾の凪ぎ秋天の駒ケ岳 山田閏子 ホトトギス 201701
布袋の鱗臍笑ひころげて秋の空 井上静子 201701
廃鉱の町の秋空梯子乗り 岡田桃子 201701
秋天といへど余白に雲を置く 松本峰春 春燈 201701
干草を焼いて秋天騒がせる 上野進 春燈 201701
秋天へ大工の飛ばす鉋屑 亀井福恵 京鹿子 201701
屋台庫を閉づると秋の空見たり 善野烺 六花 201701
五ヵ町の渡御秋天を指し挙ぐる 峰崎成規 201701
テロのなき母国秋天一碧に 大島寛治 雨月 201702
公園に知る人の居て秋の空 小山陽子 やぶれ傘 201701
秋天の先に手を掛けビル工事 須賀ゆかり 201702
秋天や泣き虫の子の片笑窪 竹内悦子 201702
秋天や天上ゆきの観覧車 中田禎子 201702
逆上りあの秋空や同窓会 伊吹之博 京鹿子 201702
秋の空木の葉ゆらゆら薄むらさき 水谷直子 京鹿子 201702
国会の答弁軽し秋の空 神田惣介 京鹿子 201702
龍頭の碧眼きはむ秋の空 中本清 万象 201702
秋天や樹齢二千の杉の矛 斉藤マキ子 末黒野 201702
見渡せば葉の色多多あり秋の空 水谷直子 京鹿子 201703
秋天へ吸ひ込まれゆく小海線 芝田幸惠 末黒野 201704
銀閣や秋天統ぶる鳶の笛 高木邦雄 末黒野 201704
秋天に背伸びしてゐる榛名富士 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
崩れんとして秋の空立直る 稲畑汀子 ホトトギス 201710
秋天に触るる高さの磴登る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
色抜の雲を浮かべる秋の天 長崎桂子 あを 201711
柩に窓黄泉の秋天見たまへと 有松洋子 201711
曲芸のぴたりときまる秋の空 秋山信行 やぶれ傘 201712
この道の遥かな先に秋の空 黒木東吾 やぶれ傘 201712
秋天へ俯瞰三百六十度 赤堀美恵子 風土 201712
鳶上げて秋天穿つ天守閣 高村令子 風土 201712
岐れ道どちらをゆくも秋天下 有松洋子 201712
秋天や駱駝の背のやはらかし 五十畑悦雄 201712
けふからは喜寿まつさらな秋の空 石田きよし 201712
長命の世となりにけり秋の空 堀岡せつこ 201712
鳥影の過ぐ秋空の蒼き黙(もだ) 犬塚李里子 201712
秋天のいづこにゐても真下かな 石田きよし 201712
秋天より降る高跳びの人とバー 正谷民夫 末黒野 201712
紅蓮なり逢魔が時の秋の空 伴秋草 末黒野 201712
少年院慰問百回秋の空 伊吹之博 京鹿子 201712
秋天やシンクロしてる言葉たち 波戸辺のばら 201712
水玉の残像あまた秋の空 火箱ひろ 201712
秋天に吐き出せばみな小さきこと 松井季湖 201712
君亡くも私は生きる(アイム・アライブ)秋の空 平田和代 201712
地獄へと落ちていけそな秋の空 たかはしすなお 201712
秋空へ草刈る音ののぼりゆく 澤照枝 万象 201712
「帰去来辞」や秋空は藍深め 片山博介 春燈 201801
秋の空絵葉書の乗るバルコニー 赤座典子 あを 201801
秋空に伸ぶ縦長の信号機 赤座典子 あを 201801
異郷にて知人と出遇ふ秋の空 伊吹之博 京鹿子 201801
秋天へ登る梯子の寸足りず 高木晶子 京鹿子 201801
秋天へ五重塔の貫きぬ 中嶋陽子 風土 201801
鳶職のひよいひよい登る秋の天 中島昌子 201801
玄室の闇見し眼秋天へ 福岡かがり 雨月 201801
秋天に網掛け蜘蛛の太りゆく 水谷保子 雨月 201801
秋天へ謝し金婚の晴着撮る 菅谷たけし 201801
秋天に漁船浮く丘に住み 田尻勝子 六花 201801
身を反らす胸に秋天高くあり 岩井京子 201802
鳥の群れ秋空遥か雲となる 犬塚芳子 201802
行く秋の空にまどかな遠円体 阿久津勝利 万象 201802
限りなく拡ごる秋の空となる 大橋晄 雨月 201802
豊の秋空よりも地の輝ける 森清堯 末黒野 201802
秋天にてのひらほどの遠筑波 今橋眞理子 ホトトギス 201802
秋天へ太鼓のばちを突き上ぐる 青木朋子 201803
大鳥居はまつてゐたる秋の空 高倉和子 201803
秋天へ愛染桂の初黄葉 島野ひさ 万象 201803
見渡せばサボテンの海秋の空 伊吹之博 京鹿子 201803
苦も一つ泣き素腹しき秋の空 高橋龍 201805
夫の一日妻の半日秋の空 つじあきこ 船団 201806
秋空を仕上げてゆきしタワーの秀 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
瑕瑾無き秋天を突く榛名富士 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
秋天に吟醸の香の吸はれゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
秋の空→7      

 

2021年10月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。