秋の空(秋空・秋天) 4     118句

秋空にさしあげし子の胸を蹴る    福田蓼汀

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋空やゴンドラゆつくり上り降り 松下幸恵 六花 200705
秋天に見下ろされたる一会かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708
火の山の噴く秋天を驚かせ 稲畑汀子 ホトトギス 200710
秋天に嵌めて虚子句碑年尾句碑 稲畑汀子 ホトトギス 200710
秋の空さらりさらりと鳶すべる ことり 六花 200710
秋天を頒つ一塔園眩し 中村悦子 200711
トロッコの秋天よぎる採石場 代田幸子 200711
秋天の光となりて鳩の群 ことり 六花 200711
姑を看て母想ふ日々秋の空 斉藤裕子 あを 200711
棟上げの隣家の上に秋の空 達山丁字 200712
歌声はほとけに貰ひ秋の空 中島陽華 200712
秋天に五百羅漢を愛でにけり 佐藤健伍 200712
秋天や五重塔も会式待つ 山川好美 春燈 200712
秋天の下の南京玉簾 君塚敦二 春燈 200712
秋天の桜島夫のごと仰ぐ 樺山翠 雨月 200712
秋空に造酒屋のうだつかな 井上幸子 酸漿 200712
秋天にひかる家並や能登瓦 櫻木道代 ぐろっけ 200712
海に足垂れ秋天の星の数 田中藤穂 あを 200712
槍穂高白山望む秋の空 中村昭子 酸漿 200712
秋空に嶺浮べたり大菩薩 瀬沼利雄 酸漿 200712
山水を大葉に汲みし秋の空 宇田喜美栄 200801
秋天や禁断の実の色づくよ 近藤喜子 200801
師の熱き思ひつたはる秋の空 矢嶋みつ江 遠嶺 200801
見世蔵の壁直し立て秋の空 布川直幸 200801
土手の自転車秋空を駆けるごと 村上留美子 火星 200801
秋天へ鯱の金鱗跳ねゐたる 奈辺慶子 雨月 200801
秋天をはるばる生まれきし赤子 服部早苗 200801
棟上げがすんでそれから秋の空 森津三郎 京鹿子 200801
秋天見上ぐ羅漢の口のみな大き 長谷川久吉 200801
窓ガラス秋の空へと境界線 倉持梨恵 200801
秋天や火山半島海を絶つ 吉岡一三 200801
西へ発つ秋天遮ぎるものなくて 馬越幸子 ぐろっけ 200801
秋空へ欝を飛ばしに出かけたり 渡邊由江 200802
秋天へ地を離れ行くわが一機 上田正久日 ホトトギス 200802
法灯をかかげ秋天ゆく御僧 曷川克 遠嶺 200802
草に寝て身内澄みゆく秋の空 邑橋淑子 遠嶺 200802
恐竜を飼ふ柵のなき秋の空 斎藤弘行 遠嶺 200802
石ころよぽつんと一つ秋天下 本多俊子 200802
秋天の遍ねし馬場の大鏡 勝野薫 ぐろっけ 200802
パン喰のパンのなかなか秋の空 梶浦玲良子 六花 200802
間欠の湯気吹き昇る秋の空 島崎久美子 酸漿 200802
秋天にキャラバンの影遙かなり 大西裕 酸漿 200802
秋空に飛びこんでゆく棒倒し 坂本緑 幸せのかたち 200808
マーラーや秋空昇る音の道 安部里子 あを 200112
瑕瑾なき秋の空とは今日のこと 稲畑汀子 ホトトギス 200810
何処までも秋空青き雲一朶 長澤健子 酸漿 200810
秋空に異常発生雲厚き 増田一代 200811
秋空のなかほどにをりAの席 大畠響 炎環 200811
秋空ヘマンゴーの花盛りなり 渡辺玄子 酸漿 200811
予報いかに溜池ほどの秋の空 林翔 200811
ふかぶかと秋空沈めにはたづみ 芝尚子 あを 200811
秋空にステンドグラス影なせり 宇佐見正 200812
見下せば秋空泳ぐ緋鯉かな 副田氷見子 炎環 200812
秋空は涙の色や納骨日 杉本貞 炎環 200812
朱鷺十羽佐渡秋空に放たれし 佐藤三男 万象 200812
山の雨あがりて秋の空真新 小山尚子 雨月 200812
秋空に飛ばす母子の竹とんぼ 井上幸子 酸漿 200812
つき抜けて熊本城の秋の空 吉村摂護 200812
蛇行して秋空流す千曲川 岡田貞峰 馬醉木 200901
石畳に馬蹄の音や秋の空 長瀬恒子 遠嶺 200901
豚の銃には秋の空気を充填し 二輪通 炎環 200901
明治館ガラスは澄んで秋の空 中井光子 ぐろっけ 200901
秋空の端赤くして煉瓦館 柴田佐知子 200901
秋空や湖畔行き交ふレトロバス 籾山和子 酸漿 200901
秋の空象嵌のごと大だぬき 中山皓雪 200902
自転車をこぐ秋天にとどくまで 栗原公子 200101
秋天やしなやかに引く富士の裾 大山妙子 酸漿 200902
秋天や青のモスクに青タイル 明石文子 ぐろっけ 200903
秋天に大筒響動む大手門 中条さゆり 200903
大平原パズルと見たり秋天下 泉田秋硯 200909
ホームレス男の仰ぐ秋の空 吉成美代子 あを 200909
いつの日にま見えし蝶と秋の空 神蔵器 風土 200911
立秋の空へゆるりと観覧車 栃木志津 末黒野 200911
鼓笛隊音が音追ふ秋の空 今瀬一博 200911
秋天に寺紋かがやく日なりけり 阿部ひろし 酸漿 200911
合掌の美しき人秋の空 遠藤実 あを 200911
秋の空ビルは高さを競ひをり 吉成美代子 あを 200911
秋の空左翼にかぶれた我が青春 遠藤実 あを 200911
テノールの響き何処まで秋の空 森山のりこ あを 200911
秋天へ旅心乗せ機首上がる 金井香ル 200912
根こそぎの流木ひとつ秋の空 丹間美智子 炎環 200912
雲ひとつわが秋天の完結す 一ノ木文子 炎環 200912
がらんどうの原爆ドーム秋の空 石原みどり 炎環 200912
秋天や炙つて盛つて出世魚 栗栖恵通子 200912
秋天はあの頃のまま家無くも 望月晴美 200912
秋天へ跳箱二段高くする 鳥居秀雄 200912
秋天に深く碑の文字翔ちにけり 中山皓雪 200912
秋天の一滴となる淡路島 浅田光代 風土 200912
秋天へ灯台の階きしみけり 杉浦典子 火星 200912
秋天よりキリンが首をおろし来し 天谷翔子 火星 200912
秋天や洗ひたくなるなにもかも 小黒加支 酸漿 200912
秋天を映して青きカルデラ湖 岡田清吾 200912
秋の空母は硝子の目となりぬ 篠田純子 あを 200912
限りなく落羽松伸ぶ秋の空 斉藤裕子 あを 200912
秋の空木立に懸かる赤風船 芝宮須磨子 あを 200912
放鳥の朱鷺秋天に羽摶けり 桂敦子 201001
通り雨変はりやすきは秋の空 鷲見多依子 201001
鼻でんと座る唐獅子秋の空 大地真理 201001
ビル高しまだまだ低き秋の空 橋本くに彦 ホトトギス 201001
一時間秋天を飛ぶ切符買ふ 泉田秋硯 201001
友人が空に寝ている秋の空 達山丁字 201001
秋天を二つに水上バイクかな 石脇みはる 201001
黒犬の磨かれてをり秋の空 相良牧人 201001
見上ぐれば秋天の奥金の鴟尾 佐藤喜仙 201001
秋空に飛行機雲の何処迄 橋本美代 やぶれ傘 201001
秋天へ棟上の餅撒かれけり 根橋宏次 やぶれ傘 201001
川筋の果てに秋空ありにけり きくちきみえ やぶれ傘 201001
秋天へ立てて藁束揃へけり 鶴見遊太 201002
秋空をマッターホルンが突きさせり 雨宮しをん 201002
秋天や御所の広さを沁みじみと 木村幸 201002
秋天を映す湖面や鳥の声 木村美智穂 遠嶺 201002
秋天へ水煙光放ちけり 木村美智穂 遠嶺 201002
秋天ヘユニオン・ジャック翻る 山路紀子 風土 201002
秋天をひつくり返す逆上り 石脇みはる 201002
秋空に羽搏く構へ鶴ヶ城 市川稲舟 201002
秋天と一つにとけて湖大き 出口貴美子 雨月 201002
小城下の暮しに馴れて秋天下 浅井青陽子 ホトトギス 201003
秋の空→5      

 

2021年10月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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