秋の空(秋空・秋天)5     179句

雲を透く秋空見れば笛欲しや   藤田湘子  白面

作品
作者
掲載誌
掲載年月
團子坂にスカイツリーが秋の空 芝尚子 あを 201010
雲消してゆける早さに秋の空 稲畑汀子 ホトトギス 201010
白鷺が翔け秋天に影生まる 鷹羽狩行 201010
秋天に首を突つこみきりん立つ 岬雪夫 201010
秋天のパラグライダー瀬戸の風 前川ユキ子 201011
爽秋の空セロハンのかかりたる 伊東和子 201011
昼も星見ゆるかに澄み秋の空 林直入 ホトトギス 201011
稜線にくりぬかれたる秋の空 安居正浩 201011
高枝鋏秋天大きく切り取りぬ 鈴木浩子 201011
ビルひとつ失せてをりたる秋の空 高橋道子 201011
飛ぶものをまた見失ひ秋の空 高橋秋子 201011
御簾越しに秋天覗く祭山車 松田和子 201012
鴟尾越えて散華散りゆく秋の空 笠井清佑 201012
秋天に散華舞ひける光明忌 笠井清佑 201012
百段を昇り秋天指の先 森理和 あを 201012
ビニール傘またコンビニで秋の空 いそべみつ ろんど 201012
離陸機の消えし秋天旅情沸く 西村純代 201012
秋天や市ヶ谷堀の一面鏡 吉田政江 201012
牧の柵くぐり秋天眩みたる 杉浦典子 火星 201012
ひび割れた秋空尖る男靴 加藤峰子 201012
秋天の玻璃洗ふごと雨あがる 石田きよし 201012
秋天へ聳つ組体操のどの山も 浅田光代 風土 201012
秋天へとどけと伸びる組体操 松嶋一洋 201012
秋天や伏流水に濁りなく 高橋将夫 201012
秋天や天空に向く釜の飯 加藤みき 201012
飽く間なくパターン変へをり秋の空 難波篤直 201101
秋空へ急な坂道尽きにけり 安藤久美子 やぶれ傘 201101
秋空や利根大堰の水しぶき 白石正躬 やぶれ傘 201101
男にも女にもある秋の空 竹田ひろ子 ろんど 201101
秋天に千木燦然と男神なる 隅田恵子 雨月 201101
秋天に太鼓響かせマスゲーム 山下佳子 201101
秋天へ威を貫けりK2峰 杉本光 201101
秋空の広がつてゐる会議室 涼野海音 火星 201101
秋天の青奪ひけり山上湖 甕秀麿 201101
遠望の和泉山脈秋天下 山下青坡 201102
喪帰りの余りに青き秋の空 小倉正穂 末黒野 201102
仏に火神には水を秋天下 大島翠木 201102
秋の空雲のほぐれて子といふ字 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
死ぬるまで女捨てずよ秋の空 村上はな 六花 201109
百米届く号砲秋の空 宇治重郎 201110
秋天や旅願かけの飛不動 コ田千鶴子 花の翼 201111
秋空をかたちにすれば忠魂碑 鴨下昭 201111
秋空に亡き友忍ぶトランペット 高橋泰子 201111
秋空といふこの深きもの広きもの 辰巳あした 雨月 201111
秋天や美容院より妻帰る 山本孝夫 201112
秋天にはためく国旗徒競争 山口キミコ 201112
秋天へ顔一斉に組体操 森下康子 201112
百態の雲の秋天画架となす 安武晨子 201112
秋空へ放たれし鳩ま白なり 羽賀恭子 201112
秋天へ無心夢中のしやぼん玉 上原重一 201112
秋天下体重計に載つてみる 河内桜人 京鹿子 201112
秋空をわが物顔に島の鳶 小川玉泉 末黒野 201112
セシウムの騒ぎ終へしや秋の空 男澤榮男 末黒野 201112
主指揮の子指揮棒秋の空へ投ぐ 椿和枝 201112
秋天や時知りてこそガラシャの意 小瀧洋子 ろんど 201112
秋天や昏き水面に賎ヶ岳 有本南陵 ろんど 201112
天児の秋天しかと掴みたる 瀬川公馨 201112
秋空に鴟尾金色を返すかな 大橋晄 雨月 201112
何もかも吸ひ込んでゐる秋の空 山荘慶子 あを 201112
目薬や秋の空より拡大す 篠田純子 あを 201112
鸛翔ける秋天但馬かな 飯田美千子 201201
秋空へ素屋根小さき天主閣 木戸宏子 201201
秋天や漢字一字の墓増えて 松本三千夫 末黒野 201201
秋の空九十六歳の歌声や 柳田皓一 かさね 201201
古里の秋空高しコンバイン 水野弘 ぐろっけ 201201
秋の空姫住みそうなワイン城 坊野貴代美 ぐろっけ 201201
秋空の風ははやくも昏れてをり 山口天木 雨月 201201
晴れ続き秋天深くなりつつあり 椋本一子 雨月 201201
秋天下百国来頭山の一人 田中貞雄 ろんど 201201
秋の空雲は綿あめと鰯たち 東秋茄子 京鹿子 201201
側転の子の回したる秋の空 大川ゆかり 201201
玉入れの玉秋天へ数へられ 五十嵐章子 201201
秋天の濃かり高層ビルの窓 平居澪子 六花 201201
歯科の椅子倒ざれ窓の秋の空 橋本美代 やぶれ傘 201201
ロダン像この秋天を仰ぐべし 伊東和子 201202
秋天を出張ちよつとアメリカヘ 今井千鶴子 ホトトギス 201202
秋天へひかる白堊の塔聳ゆ 八田マサ子 馬醉木 201202
秋空の青の透きたる雲一朶 辻井ミナミ 末黒野 201202
秋天を時計回りに伝書鳩 久世孝雄 やぶれ傘 201202
西山の秋天高く青きかな 松林順子 雨月 201203
秋空の青さそのまま海に落つ 松下八重美 夢見の鐘 201203
秋天へ近づく峠膝栗毛 岡野里子 末黒野 201204
120の友訪ねしが秋の空 水野弘 ぐろっけ 201210
秋の空雀の色のきはだてり 佐藤喜仙 かさね 201211
何時の間に雲は変れり秋の空 田島昭久 かさね 201211
秋空の星をたどれば鳥となり 長久保郁子 かさね 201211
秋天を映す深井戸玉門関 須賀允子 万象 201211
秋天を切り取る鳶や隠岐はるか 山田六甲 六花 201211
いつとなく雀の並ぶ秋の空 吉成美代子 あを 201211
SLの煙引つ張る秋の空 岩下芳子 201211
六甲のケーブル乗るや秋の空 岡野安雅 かさね 201212
秋天の晴れすぎてゐる不安かな 荻野嘉代子 春燈 201212
秋空に野生の疼く犀の角 安居正浩 201212
秋の空ゆらりともせず甚平鮫 久米なるを 201212
たっぷりと歩きて高し秋の空 大日向幸江 あを 201212
秋天の無地は凡夫の天老日 川井秀夫 ろんど 201212
秋天の入るや粗目の川の顔面 柳本渓光 ろんど 201212
死にるい日死にたくない日秋の空 高倉恵美子 201212
秋天を領せる社大柱 小西和子 201301
秋天を断ち天平の深庇 古賀しぐれ ホトトギス 201301
観察舎の一枚硝子秋の空 安井和恵 201301
秋天へ杉は槍なす一の谷 齊藤いさを 馬醉木 201301
秋天より八百万の神降り立ちぬ 南奉栄蓮 風土 201301
秋天に一本釣の竿百本 浅田光代 風土 201301
秋天や白亜の教会旧友と 伊吹之博 京鹿子 201301
転倒し思わず眺む秋の空 古林田鶴子 ぐろっけ 201301
秋天をつらぬく声援地区マラソン 古林田鶴子 ぐろっけ 201301
コーラスを終りて仰ぐ秋の空 樋口正輝 ぐろっけ 201301
秋空へ大砲向けて三笠艦 小野弘正 末黒野 201301
一ッ時の豪雨のあとの秋の空 和田崎増美 雨月 201301
病窓の果てなく青し秋の空 加藤静江 末黒野 201302
秋空を二つに分ける飛行雲 水野弘 ぐろっけ 201302
秋の空飛行船と鴉飛ぶ 向江醇子 ぐろっけ 201302
秋空に湖すべる観光船 田中清秀 かさね 201302
秋天に祈り大地を拝むなり 高橋将夫 201302
日本刀反り秋天を光らしむ 本多俊子 201302
秋の空古き家並の町に来て 藤井美晴 やぶれ傘 201302
秋空へ園児の声と竹トンボ 國保八江 やぶれ傘 201302
秋天をながめて一人酌みにけり 松村光典 やぶれ傘 201302
オーマイゴツド秋天ゆらぐビル破砕 上山永晃 鶴翼 201305
トンネルの向かうの口に秋の空 竹貫示虹 京鹿子 201310
快晴といふ秋の空今日のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201310
秋天の雲広ごりて淡きかな 山田六甲 六花 201310
木の枝が蓋をしてゐる秋の空 山田六甲 六花 201310
遠目にも富士はめてみる秋の空 稲畑汀子 ホトトギス 201310
湖面より伸び秋天へ水柱 大畑善昭 201311
大樹の枝覆ひ被さる秋の空 山田六甲 六花 201311
窓ふきのゴンドラ秋の空みがく 栗原公子 201311
初秋の空に産衣の白さかな 割田容子 春燈 201311
秋天下デッキの風を深呼吸 伊藤純子 201311
秋天を目薬にしてをりにけり ことり 六花 201311
秋天の雲広ごりし淡さかな 山田六甲 六花 201311
秋空に皇帝ダリヤ丈高し 池内とほる かさね 201311
秋空に映ゆる景色のループ橋 吉田博行 かさね 201311
秋の空乾びし土に金の砂 加藤みき 201311
秋の空ふけばきゆきゆつと鳴りさうな 栗原公子 201311
飛ぶ絨毯あれば乗りたし秋の空 鈴木照子 201311
羽二重の湯文字携へ秋の空 中島陽華 201311
わが会の球技大会秋の空 佐藤健伍 201311
羽衣のたなびいてをり秋の空 ことり 六花 201311
息災の他は望まず秋天下 山本孝夫 201312
京都駅発秋天行のエスカレーター 粟倉昌子 201312
秋天や覇者に敗者に応援歌 石橋公代 春燈 201312
秋天や雲の告げゆくメッセージ 小山繁子 春燈 201312
秋天へ死者の茶碗を割りし音 師岡洋子 ぐろっけ 201312
秋天ヘジーンズ叩きのばしけり 高橋和枝 201312
秋天の鉄拐が峰『笈小文』 木本蓚 ぐろっけ 201312
秋天に痩せたる牝牛入賞す 物江康平 春燈 201312
秋天にまなざし遠き予科練像 佐藤雄二 万象 201312
秋空や机に聖書と歎異抄 竹中一花 201312
秋の空仰ぐ埴輪の虚ろの目 塩路五郎 201312
秋の空逆立ちの子の地球かな 川南隆 ろんど 201312
「お兄ちゃん」只呼んでみる秋の空 須賀敏子 あを 201312
帆柱の秋天をつく船溜り 黒滝志麻子 末黒野 201312
山間に法螺の音響く秋の空 田中清秀 かさね 201312
塩飴をかりかりと噛む秋天下 井上あき子 ぐろっけ 201312
座りても立ちても深し秋の空 泉本浩子 馬醉木 201312
展帆や秋天へ風ふくらませ 岡野里子 末黒野 201401
検査終へ秋天仰ぐ死なざりし 稲岡長 ホトトギス 201401
秋天を揺らし長坂「もってこい」 福山和枝 201401
秋天や鈴鳴らしつつ森に入る 石井美智子 風土 201401
秋天へこゑととのへる一の糸 福島せいぎ 万象 201401
秋天に彩どり置きて観覧車 阪倉孝子 201401
秋空を大きく廻る観覧車 佐藤喜仙 かさね 201401
秋の空妻を亡くしてはや五年 樋口正輝 ぐろっけ 201401
秋の空安達太良山を近くして 羽賀恭子 201401
秋の空ハードル越えた日を記す 伊吹之博 京鹿子 201401
若冲展より人吐き出さる秋天へ 笠井敦子 201401
病室の半畳の窓秋の空 板倉眞知子 ぐろっけ 201401
四書五経北京秋天夢の中 田中信行 201401
飛行雲目立つ秋空没日刻 難波篤直 201401
羽衣の脱ぎ捨てられし秋の天 古沢幸次 ろんど 201401
秋天や玻璃の地球のぶら下がる 川南降 ろんど 201402
秋天や大正ロマンの風の声 大森尚子 風土 201402
秋空を映し蹲踞溢れをり 小川玉泉 末黒野 201402
秋空へとびこむ増上寺の鴉 吉弘恭子 あを 201402
富士山を蹴あげてリフト秋天下 甕秀麿 201402
東京タワーにささる飛行機秋の空 吉弘恭子 あを 201402
秋の空クレーンゆるゆる王者たり 梨地ことこ 船団 201403
秋の空→ 6      

 

2021年10月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。