秋の空(秋天・秋空)3     113句

秋空へ大きな硝子窓一つ    星野立子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ステンドグラス青の極みは秋の空
今瀬剛一
対岸
200312
「雲は天才」しだれ桂に秋の天
神蔵器
風土
200312
秋天に濡れたる櫂を立てかける
水野恒彦
200312
秋空や湯町に吊るすゆで卵
遠野萌
200312
小言聞くふりに居眠り秋の空
井上綾
ぐろっけ
200312
秋天や豊徳稲荷朱一色
北村香朗
京鹿子
200401
秋天のここより降りる観覧車
笠嶋陽子
築港
200401
秋天が部活の声を吸ひ込みぬ
渡邊美保
200401
青銅の屋根秋天へ威を張りぬ
大柳篤子
雲の峰
200401
躍動の子らの喚声秋天へ
山田富朗
遠嶺
200401
秋天や投函出来ぬポストあり
金子慶子
遠嶺
200401
秋天をうがつ大樹や落城址
有島夛美
河鹿
200401
秋天に大もくげんじ実を揺す
梅田秀子
酸漿
200401
秋空やかたんかたんと能登上布
西口鶴子
草の花
200401
見上げたるビル動きだす秋の空
内藤三男
ぐろっけ
200401
秋天の瑕瑾といはむ昼の月
片山由美子
200402
図書館を出て秋空の高きこと
荒川清司
遠嶺
200402
秋の空大樹が夢を膨らます
大久保恵美子
遠嶺
200402
竹とんぼ目のあるごとく秋空へ
岡田信雄
百鳥
200402
ネクタイ吊るタンスの中も秋の空気
高橋信佑
あを
200402
秋天を器に余す大カール
佐藤真次
200402
秋天に噴煙上ぐる浅間あり
清水和子
酸漿
200402
諸手あげれば秋天の降りてくる
岩岡中正
ホトトギス
200403
秋空を対角線に飛行雲
市橋香
ぐろっけ
200403
秋天を引き入れて澄むお釜の藍
橘沙希
月の雫
200404
新秋の空を見にゆく旅鞄
伊藤敬子
遠嶺
200406
病窓のそこだけにある秋の空
伊藤敬子
遠嶺
200406
秋の空雲しりぞけてしりぞけて
稲畑汀子
ホトトギス
200410
押し出してくる雲のあり秋の空
稲畑汀子
ホトトギス
200410
秋天へ麝香揚羽を放ちやる
谷寿枝
酸漿
200410
秋天や明日本番の試験曳き
朝妻力
雲の峰
200410
秋空をせばめて行ける雲の間
宮津昭彦
200410
秋の空儒者の筆蹟一文字
東亜未
あを
200410
聖堂の秋天覆ふ老楷樹
渡辺立男
馬醉木
200411
秋天やしろじろと立つ磨崖仏
武田巨子
春燈
200411
秋空に浅間は黒く煙吐く
須賀敏子
あを
200411
父も見よ秋天に舞ふ太鼓山
水原春郎
馬醉木
200412
鉄砲町魚屋町も秋天下
高橋将夫
200412
お互いにメガネでありし秋の天
片岡静子
200412
秋天の山神さまへ手を合はす
林彌生
草の花
200412
秋天に解脱のきりん首廻す
禰寝瓶史
京鹿子
200412
鯉なほも浮かびつづけて秋の空
今瀬剛一
対岸
200412
秋天の雷門に待合はす
板橋智恵子
百鳥
200412
秋天へ法螺吹く息をととのへる
辻井桂子
春耕
200412
秋の空新規事業に意欲増す
市成照一
六花
200412
朝戸繰るはや秋天に鳶の舞ふ
鎌倉喜久恵
あを
200412
秋天や外反拇趾の痛み出す
KOKIA
六花
200501
わが心テニスの球と秋空に
小山百合子
遠嶺
200501
綿雲の浮いて秋天描きけり
山元海郎
河鹿
200501
秋天に千切れて映ゆる飛行雲
山元海郎
河鹿
200501
病ぬけ颯と歩まむ秋天下
杉本重雄
200501
くちづけもあらむ秋空観覧車
遠藤とも子
ぐろっけ
200501
錦秋の空や金管楽器鳴る
米沢しげる
春燈
200501
秋天やまぶしきものに新夫婦
福井隆子
対岸
200501
ひもすがら川鵜のいらふ秋の空
松たかし
火星
200501
秋天に浅間山太古の煙吐く
鵜飼紫生
雨月
200501
秋空へ弾丸の声合宿す
伊藤希眸
京鹿子
200501
秋天に今穏やかに桜島
木藤ヒデ子
築港
200501
秋天に近づいて行く観覧車
前田久子
築港
200501
秋天へはばたく構へ白鷺城
遠藤若狭男
200502
編隊の飛ぶ銀翼の秋の空
木村鈴代
200503
離郷めく秋空荷物重くなる
若泉真樹
200503
秋天や飛行機雲は白き筋
斉藤郁子
200505
秋空をゆく白長須鯨かな
高橋将夫
星の渦
200507
秋天に嶺々稜線を正しけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200509
青樫や秋天の雲にささやける
瀧春一
菜園
200509
秋天をかくさふ庭木栗も柿も
瀧春一
菜園
200509
秋天の歡呼の中に君巨き
瀧春一
菜園
200509
噴煙に秋天の風すさぶらし
瀧春一
菜園
200509
製煉所秋天にトロの鳴り過ぐる
瀧春一
菜園
200509
噴煙は音なく秋の天に凝り
瀧春一
菜園
200509
月満ちて欠け仲秋の空となる
稲畑汀子
ホトトギス
200509
秋天を掴む四十五階かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200510
秋天の零す忌日の涙とも
稲畑廣太郎
ホトトギス
200510
秋天や鳴門の橋の下覗く
高橋将夫
200510
秋天を衝く野良猫の飢ゑの耳
林翔
200510
刻刻の色襲ねゆく秋の空
東亜未
あを
200510
秋天に吸はるる荼毘の煙かな
太田佳代子
春燈
200511
秋天下帽子を被り直しけり
村越化石
200511
秋天へ棒高跳びの身が撓ふ
能村研三
200511
白樺を抜け赤松を抜け秋天
大串章
百鳥
200511
満目の秋天にいまこふのとり
熊岡俊子
雨月
200511
鞍馬石吊り上げられし秋の天
方谷村幸子
200511
秋天下だんじり過ぎし曲り角
楯野正雄
200512
秋天へ爺のぼりゆく観覧車
那須淳男
馬醉木
200512
秋天へ覆ひ取れたる新屋舎
山本耀子
火星
200512
秋天や太鼓の桴を振り上げて
古川昭子
栴檀
200512
秋の空なればクレーンなほ高し
岩佐譲治
四葩
200512
秋天の水辺へ展く森の道
田巻和子
遠嶺
200601
秋天に背筋伸びゆく草の原
峯桜子
遠嶺
200601
秋天へ放つてみたき飛去来ブーメラン
山田智子
200601
秋天へ群舞の衣ひるがへり
森早和世
ぐろっけ
200601
法被着る肩車の子秋天に
大西ユリ子
ぐろっけ
200601
秋天を突き上げ時の鐘の塔
木暮剛平
万象
200601
秋天を見て母の目を見る赤子
大坪景章
万象
200601
機関車の太き煙突秋の空
迫田克子
河鹿
200601
秋の空堆肥たつぷり入れて待つ
江口雅子
百鳥
200601
公園の自転車一掃秋の空
物江昌子
六花
200601
秋天下寝覚めの床をとくと見し
今中道子
200602
秋天へ吸はるる角度離陸せり
鵜狩道子
対岸
200602
鍬の手を休めて仰ぐ秋の空
中元英雄
河鹿
200602
喫水線高き船行く秋の空
森竹昭夫
遠嶺
200602
秋の空誠そらごと斑女舞ふ
東亜未
あを
200602
秋天下富士はしづかな山である
嶋田一歩
ホトトギス
200603
大都会抜け来て秋の空となる
稲畑廣太郎
ホトトギス
200608
秋の空人が造りし星放ち
稲畑廣太郎
ホトトギス
200610
秋の空信号待ちのとき高し
伊藤愛子
200611
四肢張つて荷台の仔牛秋の空
辻泰子
春燈
200701
騎馬戦の馬転げたり秋の空
鈴木清子
遠嶺
200701
電子銃・シンクロトロン秋の空
川崎光一郎
京鹿子
200702
木の股にこどもの消えし秋の空
百瀬七生子
海光
200705
秋の空指先伸ばしあるがまま
中原幸子
以上、西陣から
200705
秋の空 4→      

 

2021年10月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。