秋の空(秋天・秋空) 2     100句

によつぽりと秋の空なる富士の山    鬼貫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
秋の空めがけ勝利の帽子飛ぶ
佐藤悦子
百鳥
200112
 
口あきし鯉に秋空まろからむ
林翔
200112
 
白い紙手を離れたり秋の空
小田さやか
船団
200112
 
秋天や瀬音に混じる鳥の声
鈴子とし子
遠嶺
200112
 
秋天ヘリフト戦火のここまでは
岸はじめ
ぐろっけ
200112
 
作務衣干す竿眞青なる秋空に
三上冨佐子
ぐろっけ
200112
 
忘我てふとき秋天の紺匂ふ
望月晴美
200201
 
秋天の黒を纏ひて出でにけり
伊藤多恵子
火星
200201
 
シンバルを開き秋天震はしむ
泉田秋硯
200201
 
秋天も磨かれゐるよミラービル
刈米育子
200201
 
沙漠この大き滅びと秋天と
有働亨
馬醉木
200201
 
飛行雲チョークの如く秋空に
石丸弥平
春耕
200201
 
椋鳥の息合ふ群よ秋の空
小浦遊月
酸漿
200201
 
観覧車吊り上げ吊り下げ秋の天
大橋敦子
雨月
200201
 
秋天をただ群青の機上かな
杉本美智江
雨月
200201
 
秋天を仰ぎ俳聖殿仰ぐ
大槻秋女
円虹
200201
 
玉葛焚きゐる煙秋の天
天野きく江
200201
 
秋天や白象の背にアリアかな
竹中二花
200201
 
秋天に犀の甲冑省二なり
瀬川公馨
200201
 
秋天や電車乗り継ぐ弓道部
薬師神和美
百鳥
200201
 
鐘一打一願のみを秋天に
関薫子
百鳥
200201
 
蔵路地を出て秋天の羅陵王
小澤克己
遠嶺
200201
 
遊戯の児秋天へ砂舞ひ揚げて
足利ロ子
ぐろっけ
200201
 
秋天や夫より妻へ舫ひ綱
吉原一暁
200202
 
秋天の奈落に旅の目覚かな
岩岡中正
円虹
200202
 
巾着の容に雲や秋の天
谷村幸子
200202
 
秋天を高々と上げ奥穂高
鈴木良戈
200202
 
リフト上昇秋天の奥窮むかに
杉山瑞恵
雨月
200202
 
まつさをなこの秋空の被弾あと
森賀まり
百鳥
200202
 
秋空にアンテナ高し電波見ゆ
川崎不坐
火星
200202
 
秋天や芝生の中の黒き椅子
吉野のぶ子
遠嶺
200202
 
時かけて秋空が呑む飛行雲
大森ムツ子
ぐろっけ
200202
 
秋天に瑕といふものなかりけり
粟津松彩子
ホトトギス
200203
 
秋天や粋な女の船頭唄
邑橋淑子
遠嶺
200203
 
秋天やいたく一塔曲がり立つ
鈴木多枝子
あを
200205
 
晴れ女千キロ秋の空連れて
稲畑廣太郎
ホトトギス
200209
 
秋天の融け合ふ湖の水掬ふ
小澤克己
遠嶺
200209
 
風呂敷の結び目秋の天に向く
中村房枝
六花
200209
 
秋空の裏返つてゐる鏡拭く
小澤克己
小澤克己句集
200209
 
秋空へ高度を下げし飛機光る
宇田紀代
200210
 
秋の空ところどころに吾子ら住み
芝宮須磨子
あを
200210
 
雲一つ無し否有りき秋の空
林翔
馬醉木
200211
 
碧天の限りなき碧秋の空
井上輝男
築港
200211
 
雲の秋空透きとほり透きとほり
林翔
200211
 
秋天の声とも竹幹打ちあへば
藤井みち子
200211
 
秋天の階を行く角隠し
田中重子
雲の峰
200211
 
秋の空銀龍の如雲遊ぶ
河合笑子
あを
200211
 
秋天に積む回収の古雑誌
生田恵美子
風土
200212
 
倒れ込むゴールの先の秋の空
佐竹美保子
円虹
200212
 
頬づゑの視線の先の秋の空
佐竹美保子
円虹
200212
 
秋の空大道芸の皿回る
生出紅南
百鳥
200212
 
秋天や子供相撲の幟立つ
船山博之
百鳥
200212
 
秋天や船の両側いるか跳ぶ
船山博之
百鳥
200212
 
秋天や濃き教会の色硝子
大島翠木
200212
 
トランポリン蹴り秋天を裏返す
うまきいつこ
200212
 
釣人の一人は彼か秋の空
信崎和葉
六花
200212
 
秋天下再会の約果したり
多田節子
雨月
200212
 
秋天に櫓を差し入れて客を待つ
中原道夫
銀化
200212
秋天や朝礼台を片寄する
中谷葉留
風土
200301
 
福州空港秋天に延ぶ海岸線
松崎鉄之介
200301
 
横断の子の手まつすぐ秋天へ
望月末夫
百鳥
200301
 
のけぞりて千年杉の秋の天
今井妙子
雨月
200301
 
神御衣を織る秋天に千木を挙げ
密門令子
雨月
200301
 
秋空の色の油単をかけ嫁ぐ
横山佳世子
築港
200301
 
秋天や声筒抜けに保育園
松崎零衣
築港
200301
 
秋天の何処へ去りし不意の雨
井関祥子
酸漿
200301
 
秋天に泣き声放つ乳母車
藏本博美
ぐろっけ
200301
 
秋天や指先の反る舞妓俑
後藤とみ子
ぐろっけ
200301
 
秋空に知らない国が映りさう
直江裕子
京鹿子
200302
 
退院の嬰に秋空まぶしかり
諸星美智恵
200302
 
秋天と手をつなぎたる組体操
芝川百合子
京鹿子
200302
 
稲の秋空へ仕上る千枚田
島谷碩洲
ホトトギス
200302
 
秋天に留まる銃声のごときもの
河西志帆
京鹿子
200303
 
秋天下大虐殺のじゃこを干す
泉田秋硯
鳥への進化
200303
 
松島や秋天高く鳶渡る
菖蒲あや
200307
 
橅林白樺林秋天下
稲畑廣太郎
ホトトギス
200310
 
秋天を己がものとし乗馬の子
大串章
百鳥
200310
 
山中の星彫られゆく秋の空
渡邉友七
あを
200310
 
「無為徒食」四文字を秋の空に書く
三好淡紅
200311
 
秋天へ鋏の入らぬ空也松
柴田由乃
風土
200311
 
黒部峡秋天いよよ細りけり
金山千鳥
酸漿
200311
 
秋天や陶の河童の置きどころ
岩月優美子
200311
 
ばらばらと昼の雲湧く秋の空
金子つとむ
雲の峰
200311
 
秋天や松あをあをと須磨離宮
仲尾弥栄子
雲の峰
200311
 
秋空へアシカの欠伸思ひつきり
田中藤穂
あを
200311
 
眼にじかに心にじかに秋の空
高橋信佑
あを
200311
 
秋天を一つ誰もが頭上にもてり
高橋信佑
あを
200311
 
日曜の庭に出てまつ青な秋天
高橋信佑
あを
200311
 
まっさらな秋空何が落ちてくる
松山律子
六花
200311
 
放水の終り秋天しぼむかな
堤田博子
対岸
200311
 
とんぼうと飛んでも見たき秋の空
田中呑舟
火星
200311
 
秋天や子供神輿の先走る
富川明子
200312
 
秋天へ強気な言葉繰り返す
玉川梨恵
200312
 
秋の天ハレルヤ賛歌ひびけかし
大橋敦子
雨月
200312
明日あるなり秋天仰ぐ鼻柱
須佐薫子
帆船
200312
 
秋空に紙飛行機や旋回中
宮崎千恵子
帆船
200312
 
秋天やぶらぶら巡る陶器市
小柳順子
帆船
200312
 
秋の空ビルのクレーンあまたある
吉成美代子
あを
200312
 
秋天へ櫓(やぐら)据ゑたる芝居小屋
大柳篤子
雲の峰
200312
 
秋天に間歇泉(かんけつせん)の競ひかな
岩波ふみ子
雲の峰
200312

 

2020年9月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。