明 易 2

すぐ来いといふ子規の夢明易き    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
明易き駅舎に仰ぐ大時計
菅野啓子
百鳥
200109
明易の犬叱る声遠ざかる
町田昇
百鳥
200109
明易や魚河岸に寿司食べに行く
幡江美智子
百鳥
200109
釣師はや渓の釣場に明易し
安陪青人
雨月
200109
尿の量と回数記録明易し
松崎鉄之介
200109
明易の屋根に雨降る気配かな
浜崎良彦
円虹
200109
ひとだまと幽霊ばなし明易し
保坂加津夫
いろり
200109
明け易し夢に小さな弟泣き
田中藤穂
あを
200109
セロファンに薔薇の移り香明易し
岡本眸
200109
明易き愛染桂の幣揺るる
鈴木石花
風土
200110
明易や十戸に足らぬ渓の村
三橋泥太
遠嶺
200110
高瀬川渡る人影明易し
城尾たか子
火星
200110
明易く明け安静の身なりけり
田所節子
200110
明易や今もわれらに稽古会
安原葉
ホトトギス
200111
甦る青春の日々明易き
安原葉
ホトトギス
200111
宿坊に朝の水音明易し
橋添やよひ
風土
200111
明易し舳先にかもめ連れ帰る
石山初枝
遠嶺
200111
舟出でて瀬戸の渚の明易し
石山初枝
遠嶺
200111
鳩の声つづいて鴉明易し
富田直治
春耕
200111
血を換へし腕の痛みて明易し
若月瑞峰
春耕
200111
明易しまどろめば又同じ夢
稲岡長
ホトトギス
200112
悶悶と悩み病棟明易き
辰巳比呂史
200202
明易や又も銀座の夜に紛れ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200205
人偲び人懐しみ明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200206
もう逢へぬ人を偲びて明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200206
明易の朝の立山見ることに
稲畑汀子
ホトトギス
200206
朝刊はもう来てゐたり明易し
宮城白路
風土
200207
明易しダムにかぐろく山の影
水野邦央
雲の峯
200207
枕より軽き頭や明易し
飯島士朗
銀化
200207
手不足の帳繰る嫁に明易し
喜多初枝
雨月
200207
明易しまだ熱きままポツトの湯
宮城白路
風土
200208
洞窟に禅僧ひとり明易し
小澤克己
遠嶺
200208
新聞を配る足音明易し
高梨美佐子
遠嶺
200208
逢へばすぐつながる月日明易し
加賀富美江
遠嶺
200208
明易し艶聞まじる通夜語り
北川英子
200208
賀茂川の川音高し明易し
渡辺玄子
酸漿
200208
明易や竹林ふかき雨のいろ
岡本眸
200208
明易し夢に佇つ友無口にて
大沼眞
200209
山の湯に茂吉を語り明易し
鈴木恭子
200209
こころとは儘ならぬもの明易し
辻田明
200209
「おてんとさま」と呼ぶなつかしさ明易し
小野寺節子
風土
200209
『流寓抄』『流寓抄以後』明易し
林裕子
風土
200209
千年の梁に目覚めむ明易し
大山文子
火星
200209
看取りたる髪梳きをれば明易し
高橋たか子
馬醉木
200209
明易の湖の真中の手漕舟
嵯峨根鈴子
火星
200209
明易し映像繰り返し流れ
望月周
百鳥
200209
操車場出てゆく列車明易し
長谷川守可
百鳥
200209
中指のインクの染みや明易し
平田倫子
百鳥
200209
明易の身の老を知る膝頭
村越化石
200209
考へて詮なきことや明易し
佐藤淑子
雨月
200209
明易やまだ使はずの今日がある
佐藤節子
銀化
200209
明易し月残されて右往左往
貝森光大
六花
200209
盛塩に昨夜の指痕明易し
長沼三津夫
200209
哺乳瓶にすがる牛の仔明易し
中村風信子
馬醉木
200210
句卵の生まれてをりし明易し
小澤克己
遠嶺
200210
命名を考へてゐて明易し
山路紀子
風土
200210
読み耽る創刊号に明易し
三村純也
ホトトギス
200210
轆轤踏む気どらぬ重み明け易し
林日圓
京鹿子
200210
闘病の生死のはざま明易し
下平しづ子
雨月
200210
明易や句集一気に読み終へて
岡本直子
雨月
200210
明易や娘の恋をいつ告げん
平居澪子
六花
200210
雨音を又聞いてをり明易し
稲畑廣太郎
ホトトギス
200211
相部屋の寝息まちまち明易し
進菁亀
円虹
200211
余呉百戸水明りして明易し
下平しづ子
雨月
200211
光陰のつきぬ語らひ明易き
安原葉
ホトトギス
200212
くちびるに指当つ祈り明易し
中村洋子
風土
200301
水運ぶ花はこぶ舟明易し
島玲子
風土
200301
夢に師の声やすなはち明け易き
梅村すみを
200301
明易の仁和九年の洗ひ飯
佐藤喜孝
青寫眞
200304
明易といふも一羽の雀かな
小野寺節子
風土
200304
寝足りしと聞きしも旅路明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200305
七色に灯る大橋明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200305
端然と便器に坐り明易き
竹内弘子
あを
200305
明易や車窓に富士を嵌め込みて
稲畑廣太郎
ホトトギス
200306
明易やあと百句程作らうか
稲畑廣太郎
ホトトギス
200306
ともかくも稿債二つ明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200306
展示する仰臥漫録明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200306
寝過ごしてならぬ旅立明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200306
書き終へて寝たるばかりや明易き
稲畑汀子
ホトトギス
200306
又明日は旅立つ予定明易き
稲畑汀子
ホトトギス
200306
白痴やと言はれて野路を明易し
依田明倫
円虹
200306
父母の加護に生かされ明易し
下平しづ子
雨月
200306
明易の湯宿の枕高すぎる
吉田政江
200307
灯を消してよりの相部屋明易き
佐山文子
200307
明易し一気に宛名書き終へて
小澤克己
遠嶺
200308
耳元のラジオの調べ明易し
小阪喜美子
遠嶺
200308
カタログの春夏秋冬明易し
山本敏子
帆船
200308
不眠とは生きてゐること明易し
丸山佳子
京鹿子
200308
名はきみといふ明易のクルス墓
岩上とし子
200308
妻子なし況(いわ)んや恋も明易し
山口たけし
雲の峯
200308
酔ひ醒めの水幾度ぞ明易し
若山実
雲の峯
200308
牛の声野山に響き明易し
斉藤静枝
あを
200308
明易し公園に時すごす人
長崎桂子
あを
200308
明易し梯子を掛けることにする
堀内一郎
あを
200308
明易3      

 

2021年6月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。