明 易 1

毒藥のさもなき色や明易き    松根東洋城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
終章になほ一波乱明易し
塩路隆子
花衣
199605
神宮の森の朝風明易し
稲畑汀子
ホトトギス
199805
原稿に追はれしことも明易し
稲畑汀子
ホトトギス
199805
誰彼に会へる楽しみ明易し
稲畑汀子
ホトトギス
199806
悲しみの夢とはならず明易し
稲畑汀子
ホトトギス
199806
思ひがけなき結末に明易し
稲畑汀子
ホトトギス
199806
明け易きナーススティション動き出す
神蔵器
風土
199808
田廻りと幾人か会ひ明け易し
遠藤白雲子
199809
明易や浅黄に染まる明取
八木下巌
199809
明易の白布の隔つ彼の世かな
竪岩百合子
199810
星條旗星の三十明易し
中西和子
船団
199811
生垣の半分刈られ明け易き
塩田博久
風土
199901
明易や何度も迷路めぐる夢
望月和子
船団
199902
明易や大虫眼鏡大図鑑
深澤鱶
ヒッポ千番地
199905
又一つビルの解体明易し
稲畑廣太郎
ホトトギス
199906
鳥の声指呼に引き寄せ明易し
稲畑廣太郎
ホトトギス
199906
明易し昨日の酒はまだ残り
稲畑廣太郎
ホトトギス
199906
筆筒の筆に待たれて明易き
鷹羽狩行
199907

 姉逝く

明易き一夜を抱かす氷かな

神蔵器
風土
199907
明易き耳で数ふる鳥の声
頓所敏雄
199907
明易き海へ裏木戸開いてをり
田中佐知子
風土
199908
旅の子のいまどのあたり明易し
原山幸子
199908
明易し海に覚むれば父のゐて
吉野のぶ子
遠嶺
199908
手ぬかりのなきやなきやと明易し
山田弘子
円虹
199908
布袋腹の僧と泊りて明易し
松崎鉄之介
199908
寂しさや書いては消して明け易し
松沢久子
いろり
199908
酔ひ醒めやボトルを飲みて明け易し
保坂加津夫
いろり
199908
明け易しあたふた帰る娘なり
熊谷みどり
いろり
199908
松島を見よとて湾の明易き
鷹羽狩行
199909
犬山城犬山ホテル明易し
嶋田摩耶子
円虹
199909
寝仕度のしらじらと明け易きこと
萩原記代
199909
明易や醤油は塩に還りつつ
林朋子
船団
199909
推敲に句帖の汚れ明易し
福島鶴代
ぐろっけ
199909
明易の離陸清々しき天地
安原葉
ホトトギス
199910
明易や虫のあとある文の束
山本英津子
199911
白嶽は神の依代明易き
秋葉雅治
199911
燒酎の銘は山猫明易し
花藤原照子
199911
ふぐりとも永のつきあひ明易し
春川暖慕
銀化
199911
明易き沖を目指して白魚舟
能村登四郎
芒種
199911
明易し顎のせて枕しめりゐる
能村登四郎
芒種
199911
屋根濡れて北九州市明易き
能村登四郎
芒種
199911
フランスは時差八時間明易し
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
今日一日虫になりたし明易し
能勢京子
船団
199912
しっぽからマンタになる夢明け易き
わたなべじゅんこ
鳥になる
200003
ひびわれた飴を大事に明け易し
三宅やよい
玩具帳
200004
目玉には目玉の夢あり明易し
三宅やよい
玩具帳
200004
九階のここは温泉の宿明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200005
離陸機に家を越されて明易し
中村祭主
ぐろっけ
200005
次々とふえゆく仕事明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200006
明易し富山への旅昂りて
稲畑廣太郎
ホトトギス
200006
明易し枕変りを意識して
能村登四郎
200006
明易し忘れて濡らす花鋏
皆川盤水
春耕
200006
明易や喜寿はおろそかならぬ齢
大橋敦子
雨月
200006
明易くなりたることも齢かな
鷹羽狩行
200007
あたらしき枕に替へて明易き
有吉桜雲
200007
明け易の空を和紙とも思ひけり
林翔
200007
明易し覚めて呼吸をしてをりぬ
保坂加津夫
いろり
200007
明易し川の向ふの二階家も
野平和風
200008
かうべうごいて明易の梁・柱
福井啓子
200008
明易の鳥語降りくる伊那泊り
阿波谷和子
俳句通信
200008
父の座に父居ぬ三日明易し
岡本明美
俳句通信
200008
明易や湯気噴く音の地獄谷
富川杵名男
春耕
200008
カナダ上空ゼロ六便は明易く
中川二毫子
夏木立
200008
明易き山重ねたり国境
千手和子
馬醉木
200009
浅蜊噴く水八方に明易き
池元道雄
馬醉木
200009
日月の歩みもかくや明易し
鷹羽狩行
200009
声あげぬ妻が来てゐて明易し
神蔵器
風土
200009
寝袋に馴れぬ山小屋明易し
梶本佳世子
円虹
200009
水飲みに起き厨房の明易し
大堀鶴侶
雨月
200009
仕上げたるドレスの試着明易し
川畑良子
200009
ねっとりと夜をすごして明け易し
保坂加津夫
いろり
200009
幾度も覚めては夜の明け易し
林田加杜子
いろり
200009
明易や文机にある写真集
桜井和子
遠嶺
200010
あさき夢つづりて旅寝明易し
佐藤淑子
雨月
200010
仔を産める牛に手を貸し明け易し
保坂加津夫
いろり
200010
明易の雲に透けゐる月の影
二瓶洋子
六花
200011
明易し水音とどくベッドかな
飯塚ゑ子
火星
200102
明け易しジブラルタルから子のメール
須山つとむ
船団
200102
明易や烏語はみちのくを奏で
稲畑廣太郎
ホトトギス
200105
明易し居るはずもなき夫がゐて
侭田伊都希
いろり
200106
明け易し風雪の夢去り難く
堀内一郎
あを
200106
刻々の予報逃さず明易し
稲畑汀子
ホトトギス
200107
明易の男声する海辺かな
山本潤子
いろり
200107
明易し秩父事件に聞き入りぬ
林田加杜子
いろり
200107
明易し死者となりたる父守れば
山中宏子
200108
明易き灯をともしゐる峡の底
岡部名保子
馬酔木
200108
魚跳んで旧軍港や明易し
神蔵器
風土
200108
明易し稿に置かれしままのペン
二本松輝久
風土
200108
明け易く明けて水原先生なし
能村登四郎
200108
喪の水位募り始めて明易し
能村研三
200108
鳩鳴くは子を恋ふに似て明易し
石橋翠
いろり
200108
明易の隣に眠る人の貌
辻由紀
雨月
200108
文脈に枝をふやしぬ明易き
原徹
銀化
200108
明易し絵ハガキ買つてまだ書かず
田口千恵子
200108
釣船の出てゆく湾や明易し
代田青鳥
風土
200109
明易しジャスミンの蔓這ひのぼる
津田経子
火星
200109
明易し左乳房のちよつと減る
田中英子
火星
200109
明易2→       

 

2021年6月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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