赤のまま(あかのまま・赤まんま・あかのまんま・犬蓼) 2     74句

赤のまま天平雲は天のもの    阿波野青畝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水際まで四五段下り赤のまま 大島英昭 やぶれ傘 201411
赤のまま昔はここに幼稚園 大橋晄 雨月 201411
寺前の駅の溝なる赤のまま 山田六甲 六花 201411
誰がなさけ小督の墓所の赤のまま 森脇貞子 雨月 201412
少年の面変りすや赤のまま 折橋綾子 201412
赤のままはびこるほどになく群るる 山田閏子 ホトトギス 201501
畦道の乾ききつたり赤のまま 岡田史女 末黒野 201501
郷愁にかられて摘むや赤のまま 稲岡みち子 雨月 201501
赤まんま捨て自転車の濡れてをり 松田泰子 末黒野 201501
銘仙の糸干す路地や赤のまま 三好かほる 万象 201501
物足りぬ想ひあれこれ赤のまま 鈴木藤子 ろんど 201502
赤のまま昔はここに幼稚園 大橋晄 ホトトギス 201502
来し方は水のごとくに赤のまま 和田照海 京鹿子 201502
よみ返す手紙のありぬ赤のまま 稲畑汀子 ホトトギス 201508
この道は通ひ馴れたる赤のまま 稲畑汀子 ホトトギス 201508
道の辺のいつも見てゐる赤のまま 稲畑汀子 ホトトギス 201508
赤のまま供へてありし無縁仏 柴田久子 風土 201511
宇都宮餃子屋に列赤のまま 丑久保勲 やぶれ傘 201511
叱らずにそだてし母よ赤のまま 上柿照代 馬醉木 201512
畑道小草の間に赤のまま 赤座典子 あを 201511
赤まんま母は無口になってきた 斉藤裕子 あを 201512
楽しげに父語る母赤まんま 斉藤裕子 あを 201512
大き字で短い日記赤まんま 斉藤裕子 あを 201512
穴太衆の積みし石垣赤のまま 森脇貞子 雨月 201512
息に出る脚の衰へ赤のまま 高村令子 風土 201512
けふはどちらへ頬ふくらませ赤のまま 瀬川公馨 201601
赤のまま跼めば父母の話しごゑ 平野みち代 201602
水音へ曲れば赤のままの径 稲畑汀子 ホトトギス 201608
ひらがなを抱いて暮るる日赤のまま 鈴鹿呂仁 京鹿子 201610
笑ひ過ぎしあとの淋しさ赤のまま 高倉和子 201611
退院後の注射ごつこや赤のまま 岡本敬子 万象 201611
山寺に増ゆるだけ増ゆ赤のまま 高橋照子 雨月 201611
うかうかと姉の背越ゆる赤のまま 井上菜摘手 京鹿子 201612
日を浴びてなほ色増してきし赤のまま 橋本之宏 風土 201612
人それぞれ故里のあり赤のまま 丸尾和子 雨月 201612
駅前の更地に蛇口赤のまま 瀬島洒望 やぶれ傘 201701
トラックのバックで上る赤のまま きくちきみえ やぶれ傘 201701
三差路の右は石橋赤のまま 大島英昭 やぶれ傘 201701
逆上りやつと出来たる赤のまま 前田美恵子 201701
水呑場の馬の鼻先赤のまま 福岡かがり 雨月 201701
人形の巡査立つ道赤のまま 瀬島洒望 やぶれ傘 201701
深草や十界曼陀羅赤のまま 竹内悦子 201702
歩す吾に今日は目立ちて赤のまま 嶋田一歩 ホトトギス 201702
境内にカレーの匂ふ赤のまま 河野けいこ 船団 201707
赤のまま捨て積みされし野の佛 藤岡紫水 京鹿子 201710
倶会一處十二妃にこそ赤のまま 山田六甲 六花 201710
赤まんま赤城山から風がきて 白石正躬 やぶれ傘 201711
つれづれの暮し足下の赤まんま 佐藤淑子 雨月 201711
校門に見守りの立つ赤のまま 箕輪カオル 201712
ぐづる孫に祖母のまじなひ赤まんま 田代貞香 201801
赤のまま活けて訛りのなつかしき 赤松赤彦 六花 201801
灯台へ道落ちてゆく赤のまま 岸洋子 201803
踏まないでここは国境赤のまま 長沼佐智 船団 201805
赤のまま歩き初めの児の三歩 上村葉子 風土 201811
市街化といふは急なり赤のまま 浅井青二 雨月 201811
赤まんま道草をして帰りけり 池上昌子 春燈 201812
洗濯機小銭出てきて赤まんま 森有子 201901
弟の住むふるさとよ赤のまま 千原叡子 ホトトギス 201901
町長は平家の子孫赤のまま 三井所美智子 201902
膝丈に残る思ひの赤まんま 高木晶子 京鹿子 201902
灯台へ坂七曲り赤のまま 堺昌子 末黒野 201902
大滝へ標識のあり赤のまま 齋藤朋子 やぶれ傘 201902
赤まんま地震の記憶を色に秘め 和田華凛 ホトトギス 201906
赤まんま第三幕のプロローグ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
赤のまま摘めば草の香手に移る 稲畑汀子 ホトトギス 201908
赤のまま更地となりし屋敷跡 廣瀬雅男 やぶれ傘 201911
赤のまま畑土乾き道乾き 大崎紀夫 やぶれ傘 201911
何杯もおかはりする子赤まんま 高橋将火 201911
赤まんま痛イノ痛イノ飛ンデユケ 有松洋子 201911
赤のまま手折り思ひ出持ち帰る 吉澤濱子 202001
落人の幻影風の赤まんま 佐藤千恵 京鹿子 202001
すれ違ふ幼のゑがほ赤のまま 森田節子 風土 202001
赤のまま赤穂の城に入りこむ 江見巌 六花 202002
道端のあかのまんまのかへりばな 藤井美晴 やぶれ傘 202003
行く先も決めぬ散歩や赤のまま 廣瀬雅男 やぶれ傘 202010
交番の留守を預かる赤まんま 石田静 202011
赤まんま休耕田を埋め尽くす 伊藤昌枝 202011
幼子の指先にある赤まんま きくちきみえ やぶれ傘 202101
赤まんま飛行機雲が伸びて行く 白石正躬 やぶれ傘 202101
三輪山を遠くにしたり赤まんま 遠藤泉 202101
赤まんまいつもの犬と会ふところ 神山市実 やぶれ傘 202101
老の身を弁へてをり赤のまま 荒井貞子 末黒野 202104

赤のまま →1

 

2021年10月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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