水涸る 2(滝涸る・川涸る)       64句

ライターの火のポポポポと滝涸るる    秋元不死男

作品
作者
掲載誌
掲載年月
川涸れて人影細くなるばかり 木内憲子 200805
草むしり詩歌の泉涸れぬほど 安田久太朗 遠嶺 200806
走り根のあきらかに瀧涸るるなり 宮崎すみ 神々の交信 200808
夕焼けて涸滝すこし縺れけり 岡本眸 200812

信州池の平にて白樺湖の遺跡発掘

考古学者の友ら老いたり湖涸れたり

瀧春一 深林 200901
丘に擁かれ青む涸田も寒潮音 瀧春一 深林 200901
涸川に佇ちて誰にも追ひ越さる 岡本眸 200902
涸川の石に潮の香してゐたる 杉浦典子 火星 200903
水涸れて鴫の足跡著し 山田六甲 六花 200911
女滝まで数歩のところ水涸るる 山田六甲 六花 200912
川涸れて底一面の風晒し 伊東和子 201003
涸川を覆ひつくせり枯尾花 根本公子 末黒野 201003
ざつくりと読みし史伝の泉涸る 風間史子 201003
涸川の蛇行息づく落暉かな 田村園子 201003
水涸れて又三郎の哭く夜かな 上家弘子 ろんど 201003
冬鷺の脚涸川の日を掻けり 杉浦典子 火星 201003
川涸れて石百態の日の温み 佐々木よし子 201004
石神井川涸れぬ王子の並木道 田中臥石 末黒野 201004
水涸れて小さき空も失せにけり 村田慶子 末黒野 201004
池涸れて小さき反橋あらはるる 志方章子 六花 201005
一条の音のみ涸るる山の肌 福富みさ子 201005
涸滝に希望大学聞かれけり 梶浦玲良子 六花 201009
涸川の橋渡る人孤独めき 佐々木良玄 春燈 201011
ごつごつと巌を晒し水涸るる ことり 六花 201012
鵯のとびかひに池涸れゆけり 山尾玉藻 火星 201101
川涸るるメタセコイアの影尖り 杉浦典子 火星 201102
五尺余の橋にも名あり水涸るる 宮田香 201103
池涸れて鷺のてんでの居りどころ 山本耀子 火星 201103
涸れ川に散歩の犬を放ちけり 中島節子 ぐろっけ 201103
すぐそこに占ひ師座し水涸るる 山尾玉藻 火星 201112
古ふくべ叩き踊れば水涸るる 山尾玉藻 火星 201201
涸川に雲影あそぶ信濃かな 安立公彦 春燈 201202
川涸れて流れの変はることもなし 犬塚芳子 201203
水涸れの瀧に賽銭上げてきし 大西八洲雄 万象 201203
来てみれば放生川の涸れてをり 河崎尚子 火星 201204
水涸れて集まる鯉の背鰭垂る 沖則文 ぐろっけ 201205
海見えてより芦屋川涸れ尽す 今村征一 ホトトギス 201207
涸れてなほ滝の名のこす力かな 千田敬 201210
涸れ川の背骨と思ふ石ごろん 布川直幸 201212
涸れ切ると見せて石食む渓の水 布川直幸 201212
由緒など細ごま書かれ滝涸るる 成田美代 201302
涸沼に巣穴思はす窪深く 小川滋 やぶれ傘 201303
滝涸れて一軒残る小商ひ 松本恒子 ぐろっけ 201311
巌頭に述志の遺文滝涸るる 竪山道助 風土 201402
川涸れて線路の音のそれつきり 蘭定かず子 火星 201402
足長の橋脚大井川涸れて 楠原幹子 201402
滝涸るる行者の巌を剥き出しに 谷村祐治 雨月 201403
水涸れし浅瀬に集ふ鷺の群 難波篤直 201404
川涸れて舟はシートに眠りけり 粟倉昌子 201404
百円の白木の長橋川涸れぬ 下山田美江 風土 201502
水涸れて一つ消えたる谷戸の音 落合絹代 雨月 201502
水初めて涸れ畦にあり墓ひとつ 山本久江 201502
川涸れて黒き流木現はれり 永田万年青 六花 201502
涸滝や雄姿のかげをひそませて 柴田靖子 201503
涸川や浚渫の音響きをり 沼崎千枝 末黒野 201503
川涸れて結界のごと水棹あり 奥井あき 201504
水面のかげ残せし川の水涸るる 柴田靖子 201602
涸川のひと斑の草に鳩降りぬ 熊丸淑子 馬醉木 201603
水涸れてまさらな白砂川底に 橋本順子 201603
谷涸れて無用となりし杣の橋 仙頭宗峰 万象 201605
どちらから涸れしともなく夫婦滝 後藤比奈夫 ホトトギス 201612
涸滝を見て水音を懐かしむ 高橋将夫 201702
川涸れて石の大小屹立す 加藤峰子 201703
川涸れて岩よけ魚の尾の見えし 西村将昭 201703
水涸れてダム湖の周り蛇の衣 七郎衛門吉保 あを 201709
水涸る→ 1      

 

2020年12月9日 作成

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