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   初雪  雪折れ  雪国  雪籠  雪見  雪催  雪やどり  雪の精  豪雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
先生の尿のあとの雪五尺 中島陽華 200904  
月山の雪襞ほそり剪定す 和田和子 馬醉木 200904  
代替はりしてをり桂雪雫 数長藤代 200904  
くべられて燻り消える薪の雪 沖則文 ぐろっけ 200904  
托鉢や深雪のポストかへりみる 定梶じょう あを 200904  
中也似とすれ違ひたる街に雪 遠藤若狭男 200904  
津軽三味聞く夜は雪を想ひけり 渡邊泰子 春燈 200904  
げんを恋ふ蕪村に雪の与謝郡 神蔵器 風土 200904  
爪立ちて伝言板の雪払ふ 中村洋子 風土 200904  
庭の木々を達磨に変えし夜半の雪 達山丁字 200904  
紅き実に雪あはあはと留まりぬ 後藤とみ子 ぐろっけ 200904  
行人につづくものなし雪の原 大坪景章 火星 200904  
降る雪の瀬音も風も川の幅 成田美代 200904  
降る雪は灯のもとに集まりし 高橋将夫 200904  
砂時計落つる速さや夜の雪 櫨木優子 200905  
のつぺらと雪積む墓のない在所 鎌田政利 京鹿子 200905  
雨こんこ雪のこんこん妻の背 太田一貴 炎環 200905  
雪淡く被して山襞現れる 坂口三保子 ぐろっけ 200905  
雪しまき貫きしみ泣く家郷捨つ 鈴木伸一 200905  
静けさや雪としるせし初日記 青山悠 200905  
たのもしと見る雪晴の岩手山 中緒和子 酸漿 200905  
小児病院潰すなの署名雪降る日 田宮勝代 酸漿 200905  
しんしんと雪一村の時紡ぐ 梶川智恵子 200905  
本を閉づ音のたちける雪の夜 鈴木多枝子 あを 200905  
一月の終のどか雪幾度も掻く 野沢しの武 風土 200905  
ブルックナー聴くべし雪の降る街に 橘正義 春燈 200905 山形響
ひとり来し余呉の湖辺の深雪晴 山口順子 200905  
伊吹嶺に雪煙の立ち野は晴るる 栗田武三 ぐろっけ 200905  
雨より雪に冬至一日人に会はず 野沢しの武 風土 200905  
ビニールハウス積りし雪が滑り落つ 坂口三保子 ぐろっけ 200905  
ミサ曲や濁世浄むる朝の雪 金山藤之助 200905 福音教会
棟上げの柱のほぞの雪佛ふ 高橋ひろ 万象 200905  
匂ひ立つ松の折れ口深雪晴 小山徳夫 遠嶺 200905  
笹薮へまた投げてみる雪礫 安藤久美子 やぶれ傘 200905  
白山へ現れては消ゆる雪の川 山田暢子 風土 200905  
山深く流刑小屋あり雪明り 山田暢子 風土 200905  
半身を雪につつまれ遊女の碑 須田千鶴子 炎環 200905  
師の句碑の雪を掃ひし遠野かな 大山春江 万象 200905  
朱印帳バッグに雪の瑞巌寺 村田文一 遠嶺 200905  
目覚見て万作に降る雪淡し 柿崎寿恵子 酸漿 200905  
終日雪降るだけ降らし一月去る 野沢しの武 風土 200905  
旅の夜の眠り誘ふ雪しづく 峰幸子 200905  
両肩に齢の重さ雪しづる 木村ふく 馬酔木 200905  
海鳴りのいつしかやみし雪月夜 近藤敏子 200905  
懺悔坂雪煙あげすべりゆく 川合八重子 酸漿 200905  
障子あけ母に見せをり雪景色 三浦カヨ子 酸漿 200905  
城崎の慣れぬ下駄ばきささめ雪 藤本秀機 200905  
信濃路や坂の堅雪子等の声 末吉治子 春燈 200905  
振り塩をぱらとしたよな京の雪 島貫寿恵子 雨月 200905  
新築の礎石に雪の堆し 安藤久美子 やぶれ傘 200905  
それぞれの墓に似合ひの雪帽子 宮入河童 200905  
暁に無垢なる白さ雪景色 池田美代子 200905  
暁光に雪の風紋浮びけり 川合八重子 酸漿 200905  
青空に噴煙高し雪浅間 瀬沼利雄 酸漿 200905  
雪つもる細き流れの河童淵 大山春江 万象 200905  
雪の尾根刃のごとく日を撥ねる 小阪律子 ぐろっけ 200905  
雪止むや寒満月の与謝郡 柴野静 200905  
雪宿に灯の点りゆく夕間暮れ 粟倉昌子 200905  
雪晴や厩の扉開いてをり 川口襄 遠嶺 200905  
雪晴間出羽三山の緩びなき 粟倉昌子 200905  
雪積める窓の灯や合掌家 高木典子 雨月 200905  
雪覆ふまたぎの村の無音界 粟倉昌子 200905  
千畳の雪の田しんと石狩野 梶川智恵子 200905  
警策をいただく思ひしづり雪 内山照久 200905  
足あとを風が追ひゆく雪野原 遠藤和彦 遠嶺 200905  
村の雪もらひ大雪像の城 梶川智恵子 200905  
多喜二忌の魚くさき雪海に押す 梶川智恵子 200905  
しじまとも違ふ静けさ雪の夜 佐藤博美 200905  
大雪や陸封のごと今日も在り 梶川智恵子 200905  
丹後一の宮雪晴の真名井澄み 福永みち子 馬酔木 200905  
とほく行く旅三月の雪の中 山本喜朗 雨月 200905  
五箇山に雪降るこきりこささら節 山田暢子 風土 200905  
トンネルを出づればこれぞ雪景色 橘正義 春燈 200905  
鳥海山(ちょうかい)の雪の雄姿や日本海 粟倉昌子 200905  
紅殻格子下京は雪となり 川口襄 遠嶺 200905  
転勤の孫より届く雪便り 稲次登美子 雨月 200905  
冬至どか雪翌朝刊の総遅れ 野沢しの武 風土 200905  
比良暮雪琵琶湖は波の音ばかり 陽山道子 船団 200906  
肩の荷を降ろすがごとく雪しづり 村上礼 200906  
モスクワの友より投句今雪と 村松紅花 ホトトギス 200906  
独り来て比良の暮雪を遠景に 坪内稔典 船団 200906  
遠山は雪の気配やお白酒 垣岡暎子 火星 200906  
菜の花の沖に光るよ雪の比良 坪内稔典 船団 200906  
波頭北から北は雪が消す 松本鷹根 京鹿子 200906  
万華鏡まはしてをれば雪が降る 内田美紗 船団 200906  
櫻隠しの雪に触れをる金剛杵 延広禎一 200906  
猩々袴雪降る中にはや咲けり 田中喜久子 酸漿 200906  
雪時雨乗る人もなき渡し舟 上田明子 雨月 200906  
坂上に海見る嘉兵衛雪しまき 藤沢秀永 200907  
弾丸を作る手投げる手雪合戦 國田欽也 200907  
雲上に雪の北岳桐咲けり 阿部悦子 酸漿 200907  
山門に雪の大路が入りゆけり 柴田佐知子 垂直 200907  
まつくろな空に雪舞ふ鰤場かな 八田木枯 晩紅 200908 「鰤百吟」より
八鬼山の雪に手かざし鰤見番 八田木枯 晩紅 200908 「鰤百吟」より
雪の上に落ちし篝火鰤供養 八田木枯 晩紅 200908 「鰤百吟」より
雪の木がありて誰かを喚むでゐる 岡村一郎 200908  
白樺の根方窪める雪の原 奥太雅 万象 200908  
百獸の王に見えゐる雪の杉 佐藤喜孝 あを 200908  
くちびるの青くなるまで雪まろげ 高橋ひろ 万象 200908  
安達太良の山に切り絵を残す雪 水谷洋子 十進法 200911  
獄庭の雪いつまでも汚れざる 三浦如水 はらから 200911  
雪しまく寺の焚き木の積み崩れ 木村公子 花貝母 200911  
庚申塔咫尺に雪の遠浅間 神蔵器 風土 200911  
冠雪便り一人暮しの姉思ふ 芝宮須磨子 あを 200912  
初冠雪甲斐駒聳えゐたりけり 宇佐美ゆき 酸漿 200912  
雪抱く崑崙の嶺に秋の雲 三井公子 酸漿 200912  
雪来さうなり青鷺の肩の張り 山尾玉藻 火星 200912  
展望室雪の孤島となつてをり 小嶋洋子 泡の音色 200912  
桃園の畦踏めば見ゆ雪白根 伊藤敬子 201001  
雪を被て峯は姿を整へし 泉田秋硯 201001 マッターホルン
巴里近し雪のウラルを越えたれば 泉田秋硯 201001  
背山より雪飛びきたる年の市 山尾玉藻 火星 201001  
山霊の鎮もりきりて雪高野 西村操 雨月 201001  
山廬囲める雪の未踏の山ばかり 伊藤敬子 201001  
残照に初冠雪の剣岳 塩見治郎 雨月 201001  
風見えて雪に重さのなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201001  
牧閉ざす北緯四十度雪置きぬ 石崎浄 風土 201001 雪→ 35

 

2014年12月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。