四 日       123句

餅網も焦げて四日となりにけり    石塚友二

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
カーナビの四日の川は青々と 児玉硝子 ヒッポ千番地 199905  
剃刀をすべる一滴四日かな 大倉郁子 ヒッポ千番地 199906  
身に肉にもどるもの音四日かな 小形さとる 200004  
歯車の廻り出したる四日かな 西山胡鬼 京鹿子 200004  
四日の男ぎゅっとつめこむカバン 赤坂恒子 船団 200009  
街の雪汚れえぶりの四日過ぐ 野沢しの武 風土 200103  
四日はや往診中の札下がる 三代川次郎 俳句通信 200103  
ストーブの上で餅焼く早や四日 保坂加津夫 いろり 200104  
太秦の牛を見てをる四日かな 谷口佳世子 200104  
アネモネの一つが開く四日かな 須山つとむ 船団 200105  
西からの風に乾かす四日かな 星野早苗 船団 200107  
四日はや突樫貧になつてゐる 石山正子 銀化 200203  
早や四日小さき野心温めをり 保坂加津夫 いろり 200203  
通勤の靴音高し四日かな 保坂加津夫 いろり 200203  
付添ひを兄と替はりし四日かな 高尾豊子 火星 200204  
通ひ禰宜門鎖して去ぬ四日かな 岸本久栄 雨月 200204  
四日はや夫の碁敵来て候 足立典子 雨月 200204  
眉をひくのみの化粧も四日かな 足立典子 雨月 200204  
四日はや図書館に来る小学生 勝野薫 ぐろっけ 200204  
四日かな妻の薬の切れかかる 市川伊團次 六花 200207  
漫筆の余白を埋む四日はや 宇都宮滴水 京鹿子 200302  
何となくテレビをつけて四日かな 中坂和子 帆船 200303  
四日はや指紋まみれの空である 若林由子 銀化 200303  
図書館に日差しあふるる四日かな 中薗道子 遠嶺 200304  
拭き上げし藍の大皿四日かな 徳永真弓 百鳥 200304  
番地書き忘れし賀状四日かな 鳴海清美 六花 200305  
蝶遊ぶ四日に着きし宮古島 松崎鉄之介 200403  
独身寮すべて灯れる四日かな 野澤泰子 対岸 200403  
生湯葉を京のうどんの四日かな 大山利雄 草の花 200403  
四日はや黒き花輪を見て過ぐる 淵脇護 河鹿 200404  
板塀に四日の朝の水蒸気 内山けい子 200404  
暖たかき一月四日通院日 松本十三女 帆船 200503  
厨房の軋みに油差す四日 土肥屯蕪里 雲の峰 200503  
気疲れに帰宅早める四日かな 岩田敏子 雲の峰 200503  
四日はや信濃鹿教湯の湯の宿へ 北島孝 雲の峰 200503  
ぼんやりとホットコーヒー四日かな 安部里子 あを 200503  
味喀汁の具のたつぷりと四日かな 伊藤以玖子 対岸 200504  
平家琵琶をのこ声上ぐ四日かな 河合佳代子 六花 200504  
鏘然と四日のピアノ目覚めたり 林翔 200506  
酢の利きしものへ箸ゆく四日かな 田所節子 涼しき嵩 200511  
寿福寺に俥屋のゐる四日かな 落合絹代 風土 200604  
物干竿の氷滴かたし四日かな 平野きぬ子 八千草 200607  
俎板に包丁当つ音四日朝 足利徹 ぐろっけ 200703  
夫と犬ならび昼寝の四日かな 伊勢きみこ 火星 200704  
朝より飯のかがやく四日かな 若井新一 200705  
ネクタイを結びつつゆく四日かな 吉村摂護 200706  
寝ころんで四日目の書を読みふける 山田六甲 六花 200801  
講堂の床に塵なき四日かな 杉本薬王子 風土 200804  
珈琲付き散歩にさそふ四日かな 杉浦典子 火星 200804  
四日早窯に火入れのガラス工 峯高子 万象 200804  
リハビリのスリッパたちの四日かな 小形さとる 200804  
パンの耳届く四日の動物園 中田みなみ 200804  
飛火野に四日のホルン鳴りにけり 城孝子 飛火野 200808  
瑠璃色の鳥きて鳴ける四日かな 山田六甲 六花 200901  
ひとごとのやうな卒寿の四日かな 鈴木とおる 風土 200903  
大事かな四日遅れの初詣 高木智 京鹿子 200903  
なにもかも頬杖で受け四日過ぐ 松本峰春 春燈 200904  
長弟も次弟も一人来る四日 中下澄江 200904  
四日はやがらがらぽんと外れ玉 原田達夫 200904  
緋袴と礼して四日暮れにけり 丸山照子 火星 200904  
リハビリも心新たに四日かな 森山のりこ あを 201002  
カレーパンよく売れてゐる四日かな 代田青鳥 風土 201003  
気まま心顔を出したる四日かな 黒澤登美枝 201003  
保育園に子の声戻る四日かな 石川元子 酸漿 201003  
はうろくに胡麻の弾ける四日かな 大貫美智子 万象 201004  
風ゆるき四日の町をあるきけり 藤井美晴 やぶれ傘 201006  
夫の靴子の靴そろへ四日かな 高橋秋子 201011  
四日より烏賊塩辛を食べ始む 田中貞雄 ろんど 201101  
日の光あふるる車窓四日はや 森理和 あを 201103  
四日はや九十二歳の誕生日 鈴木とおる 風土 201104  
紋付きの衣桁に垂るる四日かな 及川澄江 風土 201104  
姿見にネクタイ正す四日かな 竹生田勝次 風土 201104  
神の火の灰掃き寄する四日かな 杉浦典子 火星 201104  
さて四日2B鉛筆削らうか 田岡千章 201105  
夜の雲流れてゐたる四日かな 國保八江 やぶれ傘 201105  
ゆつくりとコーヒー淹れて四日かな 大山妙子 酸漿 201105  
絞り器の螺旋にレモン押す四日 千田百里 201203  
四日はやファスナー布を噛みにけり 宮内とし子 201203  
四日はや紋甲烏賊の胴叩き 山本耀子 火星 201203  
四日はや転んで歯折る難の日ぞ 小林清之介 風土 201203  
浮ぶものなくて四日の神田川 中野陽路 末黒野句集 201203  
旧友慈父母微笑み温し四日なる 椿和枝 201204  
小吉のまさに身に添ふ四日かな 来海雅子 201204  
挽き立ての朝の珈琲早四日 森清信子 末黒野 201204  
独活小屋に人の気配の四日かな 大山文子 火星 201204  
目を凝らす竜座流星四日かな 山田夏子 雨月 201204  
卵かけ御飯恋しき四日かな 和気永子 万象選集 201205  
四日はや卒寿は刻に追はれゐる 大橋敦子 雨月 201302  
四日はや訪ふ客もなし一人酒 森谷達三 春燈 201303  
書きおきのペンとどこほる四日かな 大橋敦子 雨月 201303  
をさな児の鯉を見てゐる四日かな 大島英昭 やぶれ傘 201303  
ひつそりと友の忌迎ふ四日なれ 椿和枝 201304  
たつぷりとパンにジャム塗る四日かな 外山節子 末黒野 201304  
飯粒をほほに幸先佳き四日 山田六甲 六花 201501  
四日はや豆腐屋は湯気噴出せり 田中佐知子 風土 201504  
食卓にインドカレーの四日かな 柳橋繁子 201504  
四日はやふたり普段の箸の色 田岡千章 201505  
物置の農具取り出す四日かな 仁平則子 201603  
柔道着にて飛ばす自転車四日かな 松山三千江 春燈 201604  
水絆創膏沁むる指先四日かな 豊谷ゆき江 春燈 201604  
鬼の棲む岩屋に灯四日かな 前田美恵子 201604  
片づけの氏子がひとり四日かな 栗原京子 201605  
天声人語に逢ふ麻沙子師の四日の句 密門令子 雨月 201605  
四日はや君と貼りあふサロンパス 平川陽三 船団 201612  
評判のパン屋をのぞく四日かな 長谷川翠 馬醉木 201703  
四日はや急降下する心意気 安居正浩 201703  
食卓に二人向き合ふ四日かな 下田村園子 201704  
水神の歯朶のちぢれも四日かな 雨村敏子 201704  
人待ち顔のターザンロープ四日かな 荒井慈 春燈 201704  
座禅堂にひびく警策四日早 菅野日出子 末黒野 201704  
夕月に星ひとつ添ふ四日かな 金森教子 雨月 201704  
朝食のパンの焦色四日かな 片桐紀美子 風土 201801  
茶柱の立つや四日の朝の膳 松本三千夫 末黒野 201803  
一人づつ帰つてゆきし四日かな 曽根富久恵 201806  
四日はや仏師のはじく鑿の屑 くどうひろこ 201903  
雲ひとつ浮かべて四日晴れにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201903  
四日はや路地に吹かるるレジ袋 秋山信行 やぶれ傘 201903  
ご所望のタコ買いに行く四日かな 笹村ルル 201903  
息をつく小さき手の跡四日かな 石森理和 あを 201903  
四日はや唸り出したる耕耘機 渡辺やや 風土 201904  
俤のアラン・ドロンと四日かな 中島陽華 201905  
あれこれと元に戻して四日かな 原友子 201906  
軽々と身の動き初む四日かな 岩井京子 201907  

 

2020年1月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。