山 焼 2       112句

山焼きの明りに下る夜舟かな   一茶

山火  山焼

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
不死鳥を立たせてをりぬお山焼 杉山哲也 馬醉木 200601  
山焼のさ中肥後に忌を修す 楠原幹子 白卓布 200602  
その底に命はぐくみ山焼く火 水原春郎 馬醉木 200604  
ぬばたまの夜を煽れりお山焼 蘭定かず子 火星 200604  
神事待たずに山焼の一逸れ火 大沢美智子 200604  
山焼きし闇のせり出す春の星 神蔵器 風土 200604  
お山焼真上に北斗七星が 綿谷美那 雨月 200604  
仙石原山焼あとののつぺらぼう 渡辺玄子 酸漿 200606  
山焼の残りし阿蘇や春の雪 竹内志げ子 酸漿 200608  
山焼いて戻りし父の手ぶらなる 大山文子 火星 200609  
山焼きやときに火の子を谷落し 山仲英子 200703  
山を焼く煙は重く流れけり 高倉和子 200703  
病む母が山焼くころと言ひにけり 柴田佐知子 200706  
山焼の窪みより火の走り出づ 柴田佐知子 200706  
山焼の勢子現はれてはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 200802  
立つ炎鹿の見てをりお山焼 小林成子 200804  
箱根山山焼く今日を雨予報 田中藤穂 あを 200805  
山焼きの煙は龍にならむとす 湯浅夏以 樹も鳥も 200806  
飛ぶはとべ潜るはもぐれ山焼くぞ 有吉桜雲 200808  
山焼の焔の匂ふところまで 山田天 雨月 200901  
山焼きてより粒立てる星の数 渡邊千枝子 馬醉木 200904  
繰返し山焼告ぐる広報車 柴出良二 雨月 200905  
のち雨と書き足す日誌お山焼 垣岡暎子 火星 200905  
山焼いて文学論をたたかはす 岩岡中正 ホトトギス 200909  
小旅にて山焼くことを遠くより 井上信子 201004  
山焼に乾坤の闇ゆるぎなく 吉田順子 201004  
焼きし山むらさき色に黄昏るる 大地真理 201008  
蒼天に火の穂をあげて山焼くる 水原春郎 馬醉木 201104  
山焼いて星のふえたる静寂かな 十川たかし 201105  
山を焼く男ばかりの匂ひかな 高倉和子 201105  
山焼の煙に走る放れ馬 長憲一 201106  
山を焼く頭に攻防図をたたき込み 貝森光洋 六花 201107  
山焼いて悼み心をもち歩く 岩岡中正 ホトトギス 201108  
防火線切つて山焼き始まりし 吉村摂護 201108  
山焼きしあとの道にて遊びし頃 高倉恵美子 201108  
山焼や鹿の気配の春日径 田下宮子 201204  
山焼いて願つてもなき夜の雨 佐藤山人 201205  
神仏をいただく奈良のお山焼 横山昭子 雨月 201205  
鹿去りし山に法螺の音お山焼 横山昭子 雨月 201205  
禰宜僧兵法螺衆揃ひお山焼 横山昭子 雨月 201205  
いにしへの古都の絵巻やお山焼 横山昭子 雨月 201205  
焼尽し何やら哀しお山焼 横山昭子 雨月 201205  
山焼きて落武者狩りの心地せり 渡部節郎 201205  
野山焼く火にも助走のありにけり 高橋将夫 201207  
山焼の山の心の静かなり 高橋将夫 201207  
山焼くや炎は天と対峙して 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302  
山焼くや標高二十五メートル 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302  
お山焼き遠に始まるはぐれ鹿 山尾玉藻 火星 201303  
山焼きの龍の昇天闇焦す 国包澄子 201304  
山焼きの火付けに走る消防士 橋本靖子 201304  
お山焼終の炎は闇に伏す 久保東海司 201304  
山焼の炎は高みを目指すなり 高橋将夫 201306  
山焼くや眉のしづかな阿修羅像 宮田千優 京鹿子 201306  
天平の稜線ゆたかお山焼 藤岡紫水 京鹿子 201403  
頂にひと浮かび上ぐお山焼 小林成子 火星 201404  
お山焼の祝詞に夕日落ち行けり 河崎尚子 火星 201404  
お山焼の駅に降り立つインバネス 小林成子 火星 201404  
山焼の近づく枯を鷲の影 河崎尚子 火星 201404  
山焼きの若草山を見はるかす 笠井清佑 201404  
山焼きの火をつけにゆく消防団 岩下芳子 201404  
壮大な古都の山焼をろがみぬ 高橋照子 雨月 201405  
鱶鰭のスープを掬ふお山焼 飯塚ゑ子 火星 201405  
お山焼き火勢はつひに闇に消ゆ 久保東海司 201405  
山焼きに染む二月堂三月堂 中村洋子 風土 201405  
阿蘇山を焼く地球大きくなりにけり 広渡敬雄 201406
山焼くや過去の炎と未来の火 柳川晋 201504  
山焼の煙を背にし帰路の人 笠井清佑 201504  
山焼を待つ青空をまだ残し 雨宮桂子 風土 201505  
山焼の御神火ひとつ駆けのぼる 雨宮桂子 風土 201505  
一人寝や山焼く焔まなうらに 荒井千佐代 201505  
炎とは愛撫にも似て山を焼く 有松洋子 201505  
海見んと山焼の炎の駈けのぼる 藤原照子 201506  
山焼の種火を放つ男ごゑ 近藤暁代 馬醉木 201507  
若草山焼かれ夜伽の燭揺るる 平田はつみ 馬醉木 201604  
山焼きの匂ひ残れる奈良暮色 岸洋子 201605  
日々褪せてゆく山焼の名残とも 稲畑汀子 ホトトギス 201702  
山焼の炎は高み目指すなり 高橋将夫 蜷の道 201703  
山焼や若草山の天染めて 今井充子 201705  
山焼きのひと日過ぎたる空の青 堺昌子 末黒野 201707  
山焼の炎鳴りの囲む痩畑 深川淑枝 201707  
山焼くやわらわらと出る雉・兎 深川淑枝 201707  
山焼の夕べ灰降る麓村 深川淑枝 201707  
山焼のあとを見回る消防車 秋千晴 201709  
山焼の所在を告ぐる煙かな 稲畑汀子 ホトトギス 201802  
山焼の炎に山のめくれゆく 山田六甲 六花 201804  
山焼くや明日香路に立つ遠煙 海村禮子 春燈 201805  
山焼くや実朝の海烟らせて 早川俊久 馬醉木 201807  
山焼の着火器銃のごとく持ち 深川淑枝 201807  
山焼や余熱の残る開拓碑 深川淑枝 201807  
山焼の炎に煽られし顔洗ふ 深川淑枝 201807  
地震の傷に山焼の火のとぎれたる 吉田葎 201807  
山焼のはるかに勢子の点在す 永淵惠子 201808  
若草山焼いて薬師寺塔顕 上野進 春燈 201904  
山焼きを終へて寡黙に酌み交はす 松本鷹根 京鹿子 201904  
山焼きの若草山の夜空焦げ 中村洋子 風土 201905  
山焼の始めを告げし花火かな 平居澪子 六花 201905  
頂きに炎あひ抱く山焼ぞ 有松洋子 201905  
山焼の目算狂ふこともあり 江島照美 201905  
山焼きを終へ山水のうまきこと 光成敏子 201908 山焼 →1

 

2020年2月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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