早 稲       171句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
早稲香る金売り吉次屋敷跡 神蔵器 風土 199811  
みちのくの早稲の花掛け曇りかな 神蔵器 風土 199811  
早稲の穂に黄金の色のひそみをり 三村禮子 酸漿 199910  
早稲の穂は垂るる葉先は天を向く 宮永順子 俳句通信 199910  
早稻の香のそこまで蹤いて來て別る 中原道夫 銀化 199910  
信濃路の早稲の穂重し越後ぶり 中里カヨ 酸漿 199910  
島晴や早稲づつしりと穂を垂れて 朝妻力 俳句通信 199910  
一番に早稲掛け篤農にはあらず 丸山海道 丸山海道全句集 199910  
早稲だけは終った電話国詑り 松沢久子 いろり 199911  
穂孕みの始む早稲の穂尾花沢 石丸弥平 春耕 199911  
早稲匂ふ嶺をはなるる白き雲 穴澤光江 遠嶺 199911  
早稲の香やカバンの底に子規句集 成定紋子 船団 199912  
早稲の香や鯖街道を行くほどに 山田夏子 雨月 199912  
早稲穂垂る熟れの田風の陽のしづか 丸山冬鳳 京鹿子 199912  
早稲刈るや筑波片裾切れぎれに 木山白洋 馬醉木 199912  
ひと巡りできる塚山早稲実る 野口光江 遠嶺 199912  
早稲の田に蛻の顔を立ちつくす 西田孝 199912  
早稲の香や直ぐなる道が湖へ 武井清子 199912  
我もまた案山子一族早稲そよぐ 塩見恵介 虹の種 200005  
稲妻よ上総下総早稲どころ 林翔 200010  
早稲のいろ早稲の香ここが美濃の国 鷹羽狩行 200011 郡上八幡
早稲の香や白川郷の風の音 石鍋みさ代 春耕 200011  
極早稲のすでに刈られて島昏るる 岩尾みち子 京鹿子 200011  
こともあらうに早稲の香に噎せてをり 竹内悦子 200012  
勝手口ひらけば早稲の風にほふ 神山ゆき子 200101  
早稲にまだ青味のはしる肥後の国 能村登四郎 200108  
早稲の香や高き稲架組む越の国 富田房子 春耕 200110  
武川郷早稲分けつの深みどり 関正夫 酸漿 200110  
車田といふ早稲の田の稔りかな 大橋克巳 俳句通信 200111  
早稲の香の充ちたる朝の道選ぶ 小澤克己 遠嶺 200111  
日照雨来て生まるる風や早稲匂ふ 穴澤光江 遠嶺 200111  
雨上がる富士の間近さ早稲穂波 高橋とも子 百鳥 200111  
早稲の香や石で畦組む志賀郡 原茂美 雲の峰 200112  
早稲の香に郷愁覚ゆ野路をゆく 中井久子 雨月 200112  
朱の箸を添へ田の神へ早稲の飯 平山節子 春耕 200112  
山峡にも早稲と晩稲や豊の秋 芦澤一醒 200112  
早稲の香に噎せて乃ち田園派 後藤比奈夫 ホトトギス 200201  
早稲刈つて上総に背鰭ほどの山 斎藤棹歌 200201  
早稲の穂のきらめき奥の道誘ふ 渡邉友七 あを 200209  
夕星の出て早稲酒の座が充てり 小澤克己 遠嶺 200209  
まつすぐに農免道路早稲香る 大川陽子 雲の峰 200210  
道三も信長も馳せる早稲の道 西田もとつぐ 雲の峰 200211  
磐梯山に雲いきいきと早稲の花 加瀬美代子 200211  
ほんのりと早稲田色づく越後かな 東芳子 酸漿 200211  
山深くふくらむ早稲の棚田かな 青山丈 200212  
宝前に利鎌と匂ふ早稲の束 山岸治子 馬醉木 200212  
早稲の香や眠りたき血と昂る血 武井清子 銀化 200301  
「こぼすな」と爺の躾か早稲の飯 武司琴子 ぐろっけ 200301  
早稲の香や姉になる子のおさげ髪 原島ふじ子 遠嶺 200302  
潮の香の闇うすうすと早稲の花 渡邊千枝子 馬醉木 200310  
早稲の穂に防鳥テープ煌めけり 井関祥子 酸漿 200310  
早稲刈るや棚田に一人の音を生み 松本幹雄 馬醉木 200310  
衣川早稲の花掛け曇りかな 神蔵器 風土 200310  
早稲の香をおしひろげ行く羽越線 長谷川子 馬醉木 200312  
早稲酒のほろり竹山聴きながら 荒川清司 遠嶺 200402  
夕されば早稲田刈りあと匂ふ村 淵脇護 河鹿 200410  
刈り時の早稲田へ猪の通ひ来る 谷榮子 雨月 200410  
早稲の香や路肩あやしき棚田道 後藤眞由美 春燈 200411  
眩しさは早稲の実りの印南かな 射場智也 六花 200411  
夫とゆく早稲の花咲く畷道 吉田康子 火星 200411  
竹生島玲瓏として早稲刈る日 駒井でる太 200412  
てらてらと安房の潮照り早稲を刈る 北川英子 200412  
早稲の香や綛糸の張り指弾く 藤田佑美子 200412  
早稲の香の零れむばかりの混ご飯 増田祐三 帆船 200412  
早稲の香や崩れしままの流人塚 竹中昭子 百鳥 200412  
早稲穂立ち棚田千枚風もなし 長谷川史郊 馬醉木 200510  
早稲の田の田の色迫る車窓かな 阿部ひろし 酸漿 200510  
一夜明け早稲の番の沈む軒庇 渡邉友七 あを 200510  
早稲の香や子供歌舞伎の楽屋口 中條ひびき 百鳥 200511  
早稲の香の大地を蹴つて獅子踊 山下良江 万象 200511  
背を焦がす日輪熱き早稲を刈る 服部菰舟 雨月 200511  
早稲刈つて左右に蒼海ありにけり 小野恵美子 馬酔木 200511  
早稲の香や夕日へとどく肩ぐるま 中島あきら 200512  
早稲終へしでる太微醺の今宵かな 駒井でる太 200512  
早稲刈つて兄饒舌になりにけり 足立のり子 栴檀 200602  
山峽(かひ)をながるる霧に早稻匂ふ 瀧春一 常念 200606 角間峽
早稲の香にあんぱんバナナ持ち寄れる 山尾玉藻 火星 200609  
早稲の香や聖とめたる長がもと 与謝蕪村 ぐろっけ 200610  
早稲の花子探しの報有線に 折橋綾子 200610  
早稲の香の満つる見所を人去りぬ 小澤克己 遠嶺 200611 「川越氷川神社の杜薪能」
早稲の香の真んまん中の姑の墓 堀田清江 雨月 200611  
まつ先に早稲が火を噴くお松明 浅田光代 風土 200611  
安曇野の風のわたれる早稲田あり 竹内志げ子 酸漿 200611  
早稲刈つて虫喰ひめける盆地の田 沼沢破風 200612  
早稲の穂を揺らし外車の駆け抜ける 三浦ひろみ ぐろっけ 200612  
輝やける棚田の早稲を刈る木曽路 松原智津子 万象 200612  
行く雲に故山の匂ひ早稲穂波 小宮山勇 遠嶺 200612  
つれだちて行けば難波田(なはた)の早稻の秋 瀧春一 200706  
蓮田に花の見ゆれど早稻の秋 瀧春一 200706  
そちこちにかゞやく沼や早稻の月 瀧春一 200706  
看板はバイオ大学早稲の穂田 品川鈴子 ぐろっけ 200709  
旅先はすでに早稲刈るひとところ 稲畑汀子 ホトトギス 200709  
早稲かをるわが青春の大糸線 中沢三省 風土 200711  
刈取機待たせて四隅早稲を刈る 菊地英雄 酸漿 200711  
早稲の香や老犬の綱ゆるやかに 服部早苗 200801  
早稲刈りし母校は遠き波の音 中村阪子 万象 200806  
頑張りの果てのいづくや早稲の花 山崎ゆき子 炎環 200810  
月曜の手や早稲の香の残りゐる 徳丸峻二 風土 200811  
早稲穂波北国越後なつかしき 斉藤小夜 風土 200811  
早稲刈つて真砂女の海を近うせり 安立公彦 春燈 200811  
千代鶴は多摩吟醸や早稲の花 関まさを 酸漿 200811  
穂孕みの早稲あをあをと尖りをり 柿沼盟子 風土 200811  
遠くより風の見えくる早稲の花 大場ましら 200811  
早稲は穂に芝居の村の夏終る 服部菰舟 雨月 200812  
老いてなほ未完の塔や早稲の秋 小林和子 風土 200812  
田鶴迎ふ八代は早稲を刈り急ぎ 神田一瓢 雨月 200812  
コンバインに傘寿つつしみ早稲を刈る 駒井でる太 200812  
早稲の香の真つ只中を来し子かな 涼野海音 火星 200902  
早稲刈つて空の青さよ敗戦忌 安立公彦 春燈 200910  
早稲も刈る三味線も合奏高校生 藤野寿子 あを 200911  
早稲の香や左追分右沓掛 神蔵器 風土 200911  
早稲の香や野口雨情の仮の宿 竹内弘子 あを柳 200911  
阿波海道いたる所に早稲すだち 伊賀則夫 200911  
丹波路やすでに刈られし早稲田らし 廣瀬義一 雨月 200912  
早稲稔る不矩の好みし色にかな 大村峰子 万象 200912  
早稲晩稲東に西に美濃路かな 林かよ 200912  
早稲の香や村に秘蔵の観世音 尾崎みつ子 雨月 200912  
早稲の香や近づいて来し諏訪太鼓 鈴木隆子 200912  
早稲の香の沁む公園に句碑建立 中山皓雪 200912  
細流と早稲の香りと遠き嶺々 小山徳夫 遠嶺 200912  
一枚の早稲田に遠く讃岐富士 小原登志春 雨月 200912  
千の田へちらばり早稲を刈り始む 田村愛子 万象 201001  
山間の早稲の花咲く杜氏の里 塩見英子 雨月 201011  
早稲の香や雲を吐きゐる月の山 山田春生 万象 201012  
早稲刈るや老の指図にしたがひつ 青木陽子 酸漿 201101  
早稲の香や農道に立つ道しるべ 瀬島洒望 やぶれ傘 201101  
父ははの忌のくる早稲を刈り急ぐ 下平しづ子 雨月 201101  
早稲の香や蛇笏の連山むらさきに 淺場英彦 万象 201101  
迎火焚く門田の早稲穂匂ふなか 上辻蒼人 風土 201111  
早稲の香の只中にある祠かな 西村節子 火星 201111  
風神を祀る集落早稲の香に 塩見英子 雨月 201112  
おかはりにひと口残す早稲の飯 苑実耶 201112  
早稲刈られ阿夫利嶺の空深まりぬ 小川玉泉 末黒野 201211  
千枚田模様なしたる早稲晩稲 岡井マスミ 末黒野 201211  
侘しらの能褒野みささぎ早稲稔る 尾崎みつ子 雨月 201211  
さざ波の運びし早稲の匂ひかな 竹中一花 201211  
早稲は穂に天空は雲片寄せて 大竹淑子 風土 201211  
早稲の穂の三日見ぬ間に刈り取られ 古林田鶴子 ぐろっけ 201212  
極早稲刈る会話にならぬ老の耳 福田かよ子 ぐろっけ 201212  
早稲の田や駅弁膝に気まま旅 石川かおり 201310  
旅あはれ早稲の案山子に向ひあふ 丸山佳子 京鹿子 201310  
単線や風にあかるき早稲の花 豊田高子 万象 201311  
早稲の香や足取り軽き鼓笛隊 林紀夫 春燈 201311  
早稲の香につつまれ灯る閻魔堂 西村節子 火星 201311  
雲を吐く片富士の裾早稲は穂に 石崎浄 風土 201311  
早稲の香や幽鬼の奈落のがれ出て 瀧春一 花石榴 201312 佐渡金山
みちのくの天眩しめる早稲の波 今田清三 馬醉木 201312  
モザイクのごとき早稲の田晩穂の田 久世孝雄 やぶれ傘 201312  
早稲の香や十戸に村のたたずまひ 佐藤淑子 雨月 201401  
見はるかす早稲の穂波に風やさし 伊藤憲子 201411  
早稲の香の風満面にペダル踏む 青野安佐子 201411  
早稲の香のふる里近し峠越え 伊東和子 201412  
西の墓東に早稲の香りかな 竹内悦子 201412  
早稲熟れて一反の田に重さうな 渡邊孝彦 やぶれ傘 201412  
早稲の香や堤防高き輪中村 水野節子 雨月 201412  
早稲を刈る音軽やかにコンバイン 田中富有能 風土 201412  
鳶の輪や隣りあはせに早稲晩稲 広渡敬雄 201501  
水郷や早稲の穂に風ゆき渡る 高田令子 201510  
灘の風波打つ早稲を刈りにけり 一民江 馬醉木 201511  
盆過ぎの早稲刈られけり街境 田中臥石 末黒野 201511  
早稲の香や光芒の束雲間より 田村園子 201511  
早稲は黄に舟舫ひある輪中村 宇都宮敦子 201511  
家ごとに蔵のある村早稲の秋 西住三惠子 201511  
早稲の香や足形遺る登呂遺跡 井上石動 あを 201511  
早稲実る佐屋海道のつづく里 室伏みどり 雨月 201511  
故郷に近づくほどに早稲実る 佐藤貞子 雨月 201511  
八万石のパッチワークや早稲晩稲 菅谷たけし 201511  
積まれたる早稲の袋や雲走る 中谷富子 201512  
早稲刈るや筑波紫峰を前に背に 茂木弘子 万象 201512  
早稲田有り塔あり子規忌来りけり 上辻蒼人 風土 201512 法隆寺子規百回忌
畦みちに薄日をこぼし早稲熟るる 武生喜玖乃 雨月 201512  

 

2016年9月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。