石蕗の花 8      133句

究極のあかりとなりぬ石蕗の花    長谷部朝子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
朝の陽に抽んでるなり石蕗の花 早崎泰江 あを 201112  
時の鐘響くや根津の石蕗あかり コ田千鶴子 馬醉木 201201  
急ぐこともう何もなし石蕗の花 水原春郎 馬醉木 201201  
国宝の茶室開きや石蕗の花 小林成子 201201  
石垣を飛び出すごとき石蕗の花 伊東和子 201201  
国境はすべてわたつみ石蕗の花 柴田佐知子 201201  
岩陰の譲れぬ所石蕗の花 松本周二 かさね 201201  
熊野古道の一の鳥居や石蕗の花 塩見治郎 雨月 201201  
花石蕗や水あるところ水光る 柴田朱美 京鹿子 201201  
うしろより人来る気配石蕗の道 柴田朱美 京鹿子 201201  
ここが好き鬼門の戸口に石蕗咲けり 柴田朱美 京鹿子 201201  
触れまじき思ひに触れる石蕗明かり 柴田朱美 京鹿子 201201  
指間より零るる月日石蕗の花 柴田朱美 京鹿子 201201  
寡黙には負けしお喋り石蕗の花 加舎廣子 京鹿子 201201  
野地蔵に仕ふるごとく石蕗の花 長濱順子 201202  
境内の石蕗しっとりを極めけり 秦和子 201202  
石蕗の黄を青ざめし黄と思ふ日よ 稲岡長 ホトトギス 201202  
愁ひなき時石蕗の黄に会ひたかり 稲岡長 ホトトギス 201202  
日の本の色偽らず石蕗の花 山崎靖子 201202  
はるかなる思惟石蕗の花開く 雨村敏子 201202  
原点に戻れとやさし石蕗の花 寺田すず江 201202  
石蕗あかりどこかに父の眼あり 谷岡尚美 201202  
石蕗咲くや雨脚柔く芭蕉句碑 吉田啓悟 かさね 201202  
石蕗咲いて冬日吸い取る黄色かな 佐々木薫 かさね 201202  
潮ふぶき浴ぶる碑石蕗の花 大地真理 201202  
小間切れの掃除も齢石蕗日和 藤原照子 201202  
放射能知らずに咲けり石蕗の花 佐藤健伍 201202  
石蕗咲くや海鳴りづめの貨物駅 相沢有理子 風土 201202  
石蕗の花己れ輝く時を知る 天野みゆき 風土 201202  
石蕗の花明りの土蔵紋どころ 高埜良子 春燈 201202  
無住寺の魚板の痩せや石蕗の花 都丸美陽子 春燈 201202  
石蕗咲いて明るき露地となりにけり 中田寿子 ぐろっけ 201202  
移る世を映すガラス戸石蕗の花 永塚尚代 ぐろっけ 201202  
老住い生活音のみ石蕗の花 福田かよ子 ぐろっけ 201202  
足湯して告白長し石蕗日和 松本恒子 ぐろっけ 201202  
あいまいに生きては居らぬ石蕗の花 三浦澄江 ぐろっけ 201202  
一週間に一度のくすり石蕗咲いて 畑佳与 京鹿子 201202  
時頼忌わけても石蕗の黄の深し 堺昌子 末黒野 201202  
山門の扁額暮れぬ石蕗の花 辻井ミナミ 末黒野 201202  
住み古りて庭の彩増す石蕗の花 田村加代 末黒野 201202  
石蕗咲きて水鳥の声もるる池 三谷ゑい 末黒野 201202  
屋敷神に捧ぐるやうに石蕗咲ける 西村しげ子 雨月 201202  
苗の蝶の舞ひ翔つ石蕗の花日和 宮原悦子 雨月 201202  
石蕗の黄の華やぎ添ふる侘住ひ 川崎良平 雨月 201202  
裏木戸の半日翳る石蕗の花 川崎良平 雨月 201202  
何恋うてかく月色の石蕗の花 福永尚子 ろんど 201202  
墓までの坂に日当たる石蕗の花 藤井美晴 やぶれ傘 201202  
氏神は垣根越しなり石蕗の花 高倉恵美子 201203  
石蕗咲くや寺町にある小学校 赤羽陽子 春燈 201203  
脇役の踏まへ所や石蕗の花 宮野照子 馬醉木 201203  
一遍の井の空澄みて石蕗の花 久布白文子 馬醉木 201203  
石蕗黄なり正座するかに古屋敷 荒木甫 201203  
クリーンデイよちよちも居て石蕗の花 松澤美惠子 201203  
石蕗のいろ腹を決めたる色であり 雨村敏子 201203  
吉三こと名を西運に石蕗の花 田村すゝむ 風土 201203  
石蕗の花雨脚柔く芭蕉句碑 吉田啓悟 かさね 201203  
鳥居百狐百体石蕗の花 松本三千夫 末黒野 201203  
水源はほんにささやか石蕗の花 小田嶋野笛 末黒野 201203  
石蕗の花築地に古き魚塚 稲垣佳子 末黒野 201203  
神苑を灯点すごとく石蕗の花 松井宮子 末黒野 201203  
晩年や一すじの道石蕗の花 三浦澄江 ぐろっけ 201203  
石蕗咲くや磴の上より海見えて 根橋宏次 やぶれ傘 201203  
飛び石に関守石や石蕗の花 根橋宏次 やぶれ傘 201203  
水面まで石蕗咲く坂となりにけり 大島英昭 やぶれ傘 201203  
石垣の石に家紋や石蕗の花 廣瀬雅男 やぶれ傘 201203  
花石蕗に戻りたちまち石見人 竹下陶子 ホトトギス 201204  
庭先で長居してをり石蕗の花 小林朱夏 201204  
路地深く日差しとどけり石蕗の花 清水量子 201204  
花石蕗やすこし欠けたる壺の口 松田泰子 末黒野 201204  
石蕗咲くや光蔭といふ早きもの 小山直子 末黒野 201204  
蝶を黄に染めて放ちし石蕗の花 大久保白村 ホトトギス 201205  
石塊に佛の心石蕗の花 竹内悦子 201205  
石蕗の花忌心ほどに開き初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210  
石蕗の黄に攻められてゐる城址かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211  
石蕗の黄に心寄せ合ふ忌日寺 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211  
石蕗の花城の盛衰語るかに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211  
石蕗咲くや日本シリーズ又西へ 水原秋櫻子 馬醉木 201211 『緑雲』
機音の背戸より洩れて石蕗日和 藤井君江 馬醉木 201212  
石蕗咲きて庭の片隅照らしけり 松本周二 かさね 201212  
石蕗咲くも黄の色濃きをやや疎む 大橋敦子 雨月 201212  
石蕗を受け皿とせり金木犀 早崎泰江 あを 201212  
身ひとつと言へる気軽さ石蕗咲きて 森下康子 201301  
鬼の碑の映る水面や石蕗の花 中川すみ子 201301  
ほの暗し定家庵の石蕗の花 石川かおり 201301 (厭離庵)
老杉を囲む羅漢や石蕗明り 藤原若菜 春燈 201301  
まなざしの羅漢父似や石蕗明り 小山繁子 春燈 201301  
端正に雨したたらす石蕗の花 藤丸誠旨 春燈 201301  
久伊豆の苔の歳月石蕗の花 塩千恵子 201301  
石蕗の花固きつぼみも持ちてをり 本郷宗祥 かさね 201301  
石蕗の花百歳からを老後てふ 杉本薬王子 風土 201301  
石庭の程よき間合ひ石蕗の花 大橋晄 雨月 201301  
土地の名は二枚橋にて石蕗の花 大島英昭 やぶれ傘 201301  
引き潮のつれさる夕日石蕗の花 藤井寿江子 馬醉木 201302  
奔放な石蕗の咲きけり水軍址 片岡久美子 201302  
島裏は荒磯つづき石蕗つづり 石川笙児 201302  
西行の剃髪石や石蕗の咲く 神蔵器 風土 201302  
石蕗の黄の愛しき平群内親王 佐藤凉宇子 ろんど 201302  
石蕗日和新聞小説完結す 大西よしき ろんど 201302  
石蕗咲くや舟屋に添ひし道一つ 村上留美子 火星 201302  
大石に産地の名札石蕗の花 小川玉泉 末黒野 201302  
直なるはなき島の径石蕗の花 松本三千夫 末黒野 201302  
原発の岬彩る石蕗の花 三浦澄江 ぐろっけ 201302  
漆黒の闇に浮き立つ石蕗の花 岩月優美子 201302  
描かれて届く花石蕗明りかな 田村園子 201302  
石蕗の崖くるぶし労りつつ登る 小林正史 201302  
つつましき郭翁旧家石蕗の花 田中涼平 201302  
石蕗の黄の厚き緑につつまれて 木村茂登子 あを 201302  
御墓所への道行き止り石蕗の花 宮平静子 雨月 201302  
生涯を一茶贔屓や石蕗の花 服部早苗 201302  
花石蕗の為石配す水配す 湯川雅 ホトトギス 201303  
湧く雲に流るる雲に石蕗黄なる 飯塚ゑ子 火星 201303  
石蕗の花日ざし届かぬ農舞台 福島せいぎ 万象 201303  
門川に戸毎の橋や石蕗の花 森岡恵子 万象 201303  
石蕗咲くや茎はいささか伸び過ぎに 井手浩堂 万象 201303  
晴は晴雨には雨の石蕗の花 府川昭子 春燈 201303  
何もせぬひと日ありけり石蕗の花 都丸美陽子 春燈 201303  
石蕗咲くや祖母の好みし黄八丈 藤岡紫水 京鹿子 201303  
袖垣の結び目固し石蕗の花 橋場美篶 末黒野 201303  
寺田屋の風呂場の鏡石蕗の花 門伝史会 風土 201303  
入りつ日に侏儒の飛び出す石蕗の花 水野恒彦 201303  
石蕗の花築山光ゲを纏ひけり 松木ひろ ろんど 201303  
石蕗の花逢瀬の刻はすぐ過ぎて 安武晨子 201303  
碧空へ続く霊園石蕗の花 桜三奈子 201303  
先生のこの坂道の石蕗の花 陽山道子 おーい雲 201304  
恋心何処へ行ったか石蕗の花 網野月を 201304  
枯山水の波真新し石蕗の花 丑久保勲 やぶれ傘 201304  
石蕗咲いて明日の鍋をぴかぴかに 中原幸子 船団 201306  
母逝きて閉せし茶室石蕗の花 村田とくみ ぐろっけ 201307  
一握の春石蕗摘めば妣のこと 常盤しづ子 馬醉木 201307  
石蕗の花視界辿りてゆけば海 稲畑汀子 ホトトギス 201311  
咲くまでは忘れてをりぬ石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 201311  
石蕗咲いて忌日の色の加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201311  
石蕗の花大いなり磯近ければ 島谷征良 風土 201311  
知らぬ地のとほき十分石蕗日和 小菅暢子 201311  
群れ咲きて夕日分けあふ石蕗の花 安立公彦 春燈 201402  
石蕗の花咲けば忌日と思ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201411 石蕗の花→ 1

 

2014年12月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。