朱 欒    59句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
浦人の一家一樹のザボン咲く 山尾玉藻 火星 199906
闇ゆれて唐人町の朱欒かな 延広禎一 200002
塗り盆のザボンひとつに曇りけり 山尾玉藻 火星 200002
一顆づつ浦の日まとひ青朱欒 益本三知子 馬醉木 200101
床の間に朱欒を据ゑてよりの運 泉田秋硯 月に逢ふ 200103
閑素なる武家屋敷町ザボン熟れ 能村登四郎 羽化 200110
青朱欒漁火ひとつづつ殖ゆる 益本三知子 馬醉木 200111
夕風に朱欒一つの重みかな 岩月優美子 200201
すっぽりと親指入れて朱欒剥く 山田天 雨月 200201
噴火口越えてきし雲朱欒割る 門脇なづな 対岸 200212
雨足のしきりに叩く朱欒かな 岩月優美子 200301
進士多く出せし福建朱欒熟れ 松崎鉄之介 200301
朱欒その匂ひ一戸を汚染せな 泉田秋硯 200301
藪畑のかたへの朱欒抱きみる 近藤きくえ 200303
岩波の絶ゆることなき朱欒熟る 浜中雅子 遠嶺 200303
朱欒熟る天神さまへ通りやんせ 熊丸淑子 馬醉木 200304
花朱欒匂ふ路地より筬の音 清水明子 遠嶺 200308
海鳴りに朱欒の花のひらきけり 岬雪夫 200309
石垣は旧家の名残り朱欒熟る 前迫寛子 河鹿 200402
ふるさとの山河物言へ朱欒の実 星加克己 ぐろっけ 200403
玄関に朱欒一個が置かれあり 秋田谷明美 帆船 200403
朱欒剥く確かな妻の腕力 本多通博 八千草 200406
黒潮の岸の掛小屋朱欒売る 西屋敷峰水 河鹿 200503
ロッカーに朱欒ごろりと博多駅 遠野萌 200504
四天王になべて朱欒の供物かな 近藤くえ 200504
武家門に朱欒まろべり小正月 淵脇護 河鹿 200504
手力のなくて朱欒と闘へり 瀬尾幸代 200505
朱欒剥く母への思ひ割るやうに 浜田はるみ 遠嶺 200505
酒蔵の錠おろされて青朱欒 上柿照代 馬酔木 200511
潮騒に眠りこけたる朱欒かな 山田禮子 遠嶺 200602
とりあへず仏壇に置く朱欒かな 松山直美 火星 200604
朱欒熟れ「よう来たばい」と島の人 今井すえ子 200701
熟れを待つ朱欒の風の重さかな 岩月優美子 200801
うちむらさきと言ひ朱欒とは言はず 大橋敦子 雨月 200802
道の辺の朱欒の一つなくなれり 松崎鉄之介 200802
柳川の水路を灯す朱欒かな 小泉貴弘 筑波の道 200811
まだ青き朱欒の夢や白秋忌 小泉貴弘 筑波の道 200811
細男せいのうのしかと受け止め朱欒かな 中島陽華 200902
太白や朱欒しづかに熟れはじむ 延広禎一 200902
永良部よりの朱欒と年を惜しみけり 金森涼 春燈 201003
厨より家々灯る花朱欒 荒井千佐代 201009
恐竜の生まれてきさうなる朱欒 近藤喜子 201101
朱欒熟れむらさきの風芳しや 本多俊子 201203
天辺の朱欒色づく日和かな 岩下芳子 201303
静かなる時の過ぎゆく朱欒かな 岩岡中正 ホトトギス 201304
垂れてゐる朱欒のやうになれたなら 岩岡中正 ホトトギス 201304
初物は供ふる習ひ朱欒かな 秋友昌子 雨月 201403
朱欒剥く肥後の女は手力女 栗山恵子 雨月 201404
訪ねゆく坂や朱欒の花香り 木下慈子 馬醉木 201408
贈られし朱欒しばらく厨の隅 生田高子 春燈 201601
しあはせの朱欒じやぼんと大徳に 中島陽華 201603
六根の清浄ざぼん朱欒かな 中島陽華 201605
昼時に来て朱欒売り良くしやべり 鈴木良戈 201703
朱欒剥く両手十指を使ひきり 金森教子 雨月 201704
ありたけの力を指に朱欒割る 大石喜美子 雨月 201704
大朱欒置くや忽ち大き影 堀井英子 雨月 201905
ゆるやかな日の当たりたる朱欒かな 笹村政子 六花 202003
どの坂も海より生まれ花朱欒 荒井千佐代 202006
朱欒下げ大先生に診てもらふ 森岡正作 202201

 

2023年9月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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