誘蛾灯    39句

鬱々と蛾を獲つつある誘蛾灯   阿波野青畝   國原

作品
作者
掲載誌
掲載年月
誘蛾灯より一肢焦がして戻りけり 柿原金米 船団 199812
引く汐の音遠のきぬ誘蛾灯 宮嵜亀 船団 199902
遠目には涼しくも見え誘蛾灯 田中藤穂 水瓶座 200002
粗壁の半乾きなる誘蛾灯 山田六花 六花 200005
誘蛾灯ともりて闇を深うせり 岡本明美 俳句通信 200008
誘蛾燈をとこかをんなか言うてみい 男波弘志 200009
テニスボールはじけし傍の誘蛾燈 村上留美子 火星 200009
閉園のあとあをあをと誘蛾灯 前田達江 200110
誘蛾燈一日をまた逝かしむる 亀田憲壱 銀化 200209
誘蛾灯もう何日も口きかぬ 石山正子 銀化 200210
誘蛾灯に任せて母屋眠りおり 鈴木喜三郎 ぐろっけ 200210
誘蛾燈ふるさとに似る木曽の闇 山上カヨ子 200309
誘蛾灯母郷の山河近づくる 豊田都峰 京鹿子 200310
ヂヂと云ふ音は断末魔誘蛾灯 松井洋子 ぐろっけ 200412
その辺に羽音来てをり誘蛾灯 稲畑汀子 ホトトギス 200506
今宵より崩るる天気誘蛾灯 稲畑汀子 ホトトギス 200506
身につきしコケットリーや誘蛾灯 長谷川歌子 春燈 200507
やがて来るその日を思ふ誘蛾灯 高橋将夫 200610
さしわたる月に呆けぬ誘蛾燈 瀧春一 200706
誘蛾灯たましひ灯るあはさなり 青山悠 200710
合宿の灯の消えしあと誘蛾灯 木村茂登子 あを 200710
山暮れてより空暮れし誘蛾燈 岸風三樓 200806
誘蛾灯寄れば電気の殺気あり 田中敬 200808
山村にコンビニのきて誘蛾灯 小谷延子 万象 200811
お隣りも老いていませり誘蛾燈 井上信子 200908
誘蛾灯ともれば守宮来てゐたり 大西八洲雄 万象 201009
誘蛾灯風狂といふ美しきもの 細川洋子 201109
病む馬の目から離れぬ誘蛾灯 堀内一郎 あを 201302
誘蛾灯ぱちと地獄の一丁目 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
抗へぬ甘き罠なり誘蛾灯 江島照美 201310
里山を闇に沈めて誘蛾灯 山田佳乃 ホトトギス 201311
誘蛾灯はかなきものを照らしをり 戸栗末廣 201411
点いて消え点いてしばらく誘蛾燈 織田高暢 201412
傾国の至宝のこゑや誘蛾灯 岡本尚子 風土 201605
一滴の血の鑑識や誘蛾灯 亀井紀子 201609
同席の玻璃に映れり誘蛾灯 宇都宮敦子 201710
誘蛾灯まだ点りをり盆四日 田中臥石 末黒野 201711
誘蛾灯論より食の下宿生 鈴鹿呂仁 京鹿子 202009
誘蛾灯点るより宴始まりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
四次元の扉開けたる誘蛾灯 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
誘蛾灯点りていよいよ農繁期 重実ひとみ 春燈 202208

 

2023年6月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。