百 合 5    100句

興安の百合を手向けし魂迎    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
百合あまた手向けて嵩のなき遺体 馬越幸子 ぐろっけ 200707
生けし百合一夜で開く目覚かな 瀬沼利雄 酸漿 200707
海霧に黒百合濡るる礼文島 阿部悦子 酸漿 200707
白刃の百合の蕾を机辺かな 鷹羽狩行 200708
致死量の百合の香りの中にかな 近藤公子 200708
供へらる姉の遠忌の百合匂ふ 吉沢洋子 200708
弔辞聞く笑顔の遺影百合の花 木暮剛平 万象 200708
磯風や蝦夷の名を負ふ百合黄菅 岸川素粒子 万象 200708
自在鉤の鍋に活けありすかし百合 岡田章子 ぐろっけ 200708
膕の鉄砲百合に触れゐたる 本多俊子 200709
鬼百合を一輪咲かす五欲かな 天野きく江 200709
夜はその約束としてかおる百合 天野きく江 200709
記念日や無心となりて百合活くる 高尾幸子 遠嶺 200709
誕生日の娘へ婿よりの百合届く 関口昌代 200709
山百合の斑の獣性を切りにけり 阿部順子 200709
野仏の右肩越しに百合の花 鳳蛮華 200709
海原に潮目くっきり透し百合 田中藤穂 あを 200709
カップルに百合にゆふべが忍び寄る 泉田秋硯 200710
庭の百合枢の母に持たせけり 駒形祐右子 万象 200710

山下由理子『野の花』序句

山百合をめざしてさらに高きへと

鷹羽狩行 200710
山百合の匂ふに郷愁湧きつづく 白井米子 200710
山百合の香りゆたかに施餓鬼寺 青木政江 酸漿 200710
山百合の連なり咲ける車窓かな 吉野美江 酸漿 200710
風ふふむ鬼百合蘂のよく育ち 久保田嘉郎 酸漿 200710
衆目の黒百合にありお花畠 加地芳女 雨月 200710
百合開く一と片づつの香を拡げ 三輪温子 雨月 200710
鬼百合が楽師ゴーシュであったとは 坪内稔典 船団 200710
百合の香に覚めて服薬時間かな 高橋さえ子 200710
術もなく百合の匂ひに塗れたる 坪井洋子 200710
父の忌の電車過ぎ行く百合の花 鴨下昭 200711
雨きざす夕ベに匂ふ百合の花 小泉喬 万象 200711
あかときの音なき空に百合ひらく 関根洋子 風土 200711
スランプと思ふ笹百合活けてをり 稲辺美津 遠嶺 200711
渓流とフィトンチッドと百合の花 阿部昭子 遠嶺 200711
寂寞の湖一茎の百合白し 小山徳夫 遠嶺 200711
鉄砲百合の口こちら向く忌日かな 吉田島江 火星 200711
白百合や乃木崇拝の希山逝く 北村香朗 京鹿子 200711
白百合のひしめき咲けり廃家裏 松元末則 酸漿 200711
百合挿して戦災といふ祖父母の忌 高橋さえ子 200711
山百合やまだ山歩きできしこと 嶋田一歩 ホトトギス 200712
百合の花たどりて尾根の風に立つ 黒岩裕介 遠嶺 200712
土佐に来て鉄砲百合の家に来て 坪内稔典 稔典句集 200804
ゆつくりと白百合開く夜明けかな 浅田光喜 絵巻物 200806
久闊の人との訣れ百合薫る 小澤菜美 200807
落葉分く姥百合の芽の艶やかさ 赤堀洋子 万象 200807
百合 6→      

 

2021年7月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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