雪 野    54句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
杣小屋の一灯見ゆる雪野原 升本行洋 春耕 199903
雪野きて遠近法を狂はさる 菅原健一 199903
雪野來て爐火の炎影にうづくまる 丸山海道 海道全句集 199910
枯野より雪野に変る刻静か 村越化石 200003
二の丸のテニスコートは雪野原 二瓶洋子 六花 200004
反転をせねば雪野に戻れない 神野祥子 海程 200106
真つ先に白菜現るる雪野原 大山文子 火星 200204
特急の雪野冥みに挑み入る 奥村鷹尾 京鹿子 200204
日差やや力を得たり雪野原 今井千鶴子 ホトトギス 200205
鶴守の去にし雪野の晴れにけり 山本耀子 火星 200205
津軽郡雪野を舐る夜汽車の灯 小林輝子 風土 200303
綾とりや雪野を巡りまた明日 木山杏理 京鹿子 200305
雪野くる跫音は風の又三郎 荻野千枝 京鹿子 200305
刃を入れしごとき一川雪野原 鷹羽狩行 200402
雪野原風の重たくなりにけり 谷口佳世子 200404
この辺りかつて海底雪野原 内山恵美子 200405
郷愁の越の雪野に来たりけり 池田加代子 風土 200405
山に雪野をおほふごと豆ぼつち 笹原紀世子 200501
雪野原きらきらとある未踏の地 斎藤くめお 対岸 200503
さまざまな影を引き連れ雪野原 小山百合子 遠嶺 200505
言葉生まるるやうに雪野に日が差しぬ 吉田陽代 200601
少年老ゆ奥は雪野へづづきけり 水野恒彦 200703
野鼠の尾の跡しるき雪野原 安部康子 万象 200705
犬の目の高さになつてみる雪野 小林奈穂 200804
牛鳴いて雪野のなかの無人駅 尾崎みつ子 雨月 200804
雪野ゆくこんと一声したやうな 益本三知子 馬醉木 200903
足あとを風が追ひゆく雪野原 遠藤和彦 遠嶺 200905
こう鶴に雪野展けて郷ごころ 禰寝瓶史 京鹿子 201003
深雪野を流るる川の鉛色 三浦百合子 201004
枯葦のぼうぼう烟る雪野なり 江本路代 酸漿 201004
牧場と看板ひとつ雪野かな 赤座典子 あを 201103
雪野行くあたり真つ赤に炎立つ 久津見風牛 201105
夕日落つ寸前雪野の縹色 宮坂恒子 201304
つむじ風雪野にのこす暗号文 松川悠乃 ろんど 201306
堅雪野いまだしたたか一考忌 土屋草子 ろんど 201306
朝日より沈む日が好き雪野原 粟津さくら 201403
風紋の著けき雪野日矢眩し 吉田久子 万象 201405
万作や雪野に錦糸卵かな 鎌田慶子 ろんど 201407
一筋の光は川ぞ雪野原 清水量子 201504
勾玉や太古の真と雪野原 小林和代 201504
堅雪野往きつ戻りつ犬と子と 小林輝子 風土 201506
雪野茫洋雲の厚さを押す旭 渡辺節子 201508
肉体の外へ出てゆく雪野原 津田このみ 船団 201508
雪野ゆく男女の距離のちぢまりぬ 熊川暁子 201604
喪帰りの月光蒼き雪野かな 平田はつみ 馬醉木 201604
川めざし雪野を鹿の一列に 落合裕子 万象 201703
見えすぎて迷つてしまふ雪野かな 高橋将夫 201704
昼灯す厩舎へ馬を追ふ雪野 林陽子 万象 201803
山の辺の道の途切れて雪野原 亀卦川菊枝 末黒野 201805
一筋の小川の光る雪野かな 吉田きみえ 末黒野 201806
赤光の汽笛よぎりし雪野かな 楠本和弘 201902
ありあけや雪野にスーパームーン残る 園部蕗郷 春燈 201906
炊煙のひとすぢ青し雪野原 夏生一暁 馬醉木 202003
極楽へ続いてゐるや雪野原 押田裕見子 202210

 

2023年1月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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