雪 間     94句

雪間より薄紫の芽独活哉    芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
フィヨルドの雪間雪間に萌ゆるもの 柏井幸子 円虹 199805
揺るるものよりありそめし雪間かな 稲畑汀子 ホトトギス 199902
出来てゆく雪間つぶやきそめし森 稲畑汀子 ホトトギス 199902
雪間はや風にも応へはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 199902
ありそめし雪間に命動きけり 稲畑汀子 ホトトギス 199902
一本の大樹の作る雪間かな 稲畑汀子 ホトトギス 199902
苔寺の苔の雪間を領したる 鷹羽狩行 199904
吾が影に鳥の翔ちたる雪間かな 小林社村 200005
切株の飯詰つこめく雪間かな 工藤ミネ子 風土 200006
雪間とも虚子と久女の間とも 松本康司 銀化 200006
能登びとの見えて声なき雪間垣 内山和江 奧嶺 200010
壼のぞくごとくに雪間雪間かな 鷹羽狩行 200103
とびとびの雪間を浅蜘売の来る 皆川盤水 春耕 200103
雪間かな不登校児の雪丸め 山田六甲 六花 200103
ひとり噴き雪間をひろぐ泥地獄 岡田貞峰 馬醉木 200105
猟犬が雪間の草を嗅ぎゐたり 桑田眞佐子 火星 200107
古井戸の蓋あいてゐる雪間かな 桑田眞佐子 火星 200205
雪間より土のつぶやき聞えさう 赤井よしを 円虹 200305
少年と少女の雪間つながれり 田中武彦 六花 200307

 遠藤とく句集『草ひばり』

とくさんが乗り継いで来る雪間かな

能村研三 200405
遠江の雪間に在す佛どち 深澤鱶 火星 200405
蕪の葉覗きてゐたる雪間かな 二瓶洋子 六花 200405
また庭の雪間に現るる石たたき 田中武彦 六花 200505
白き野のゑくぼのやうな雪間かな 長山あや ホトトギス 200506
いつしかに雪間つながりゆきにけり 塙告冬 ホトトギス 200506
一つ消え一つ生まるる雪間かな 田中武彦 六花 200506
雪間より猩々袴に招かれる 赤座典子 あを 200506
鳥の来てついばむ雪間ありそめし 稲畑汀子 ホトトギス 200602
天楽に耳を澄ませる雪間かな 鷹羽狩行 200603
双体の神愛らしや雪間にて 松村多美 四葩 200603
雪間より奈良に通じる水の道 能村研三 200604
滝音を離れてたどる雪間かな 渡辺昭 200605
わたつみに近き雪間を眩しめり 深澤鱶 火星 200609
今日も又雪間ふえゆく山居かな 稲畑汀子 ホトトギス 200702
雪間にも鳥の来てをりついばめる 稲畑汀子 ホトトギス 200702
雪間あり隣の雪間つながりて 稲畑汀子 ホトトギス 200702
はじまりは大樹の雪間なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200702
おとづるる鳩に雪間の土匂ふ 村越化石 200704

 鎌田亮『雪間草』

雪間より心の封の開かれし

能村研三 200802
青年団に女ごゑある雪間かな 山尾玉藻 火星 200803
野球少年大き雪間にあつまれり 丸山照子 火星 200803
簗ありし雪間に遊ぶ餅あはひ 深澤鱶 火星 200804
林間の雪間は風のまづきか 豊田都峰 京鹿子 200804
はげ山の気を下ろしくる雪間かな 山田六甲 六花 200804
堂守が焚火踏み消す雪間かな 河崎尚子 火星 200805
街道の雪間にひろふ鳥の羽根 高松由利子 火星 200805
饗庭野に雪間のありて座禅草 丸山照子 火星 200805
木曽谷の味噌だれ香る雪間かな 奥田順子 火星 200806
目白二羽つつくに狭き雪間かな 永岡セッ 酸漿 200806
雪間よりかすかに土と日の匂ひ 紅露恵子 万象 200807
車夫待てる辻の雪間や飛騨高山 桑田忠男 遠嶺 200906
人間をしてゐる雪間の溝掃除 久津見風牛 201004
みづうみの白帆見てゐる雪間かな 渡邊美保 火星 201005
ちろちろと水の光れる雪間なる 石垣幸子 雨月 201005
桑の木に脚立寄せある雪間かな 蘭定かず子 火星 201104
雪間はや土をついばむ雀かな 大東由美子 火星 201104
僧止まり懐さぐる雪間かな 山尾玉藻 火星 201203
走り根の瘤の浮きたる雪間かな 河口仁志 201204
雪間道手をつなぎ往く老二人 渡辺和夫 ろんど 201205
新旧のもの匂ひたつ雪間かな 柿沼盟子 風土 201205
あるかなしの雪間を埋む今日の雪 林いづみ 風土 201206
雨脚の見えで舟焼く雪間かな 深澤鱶 火星 201206
咲いてをり雪間ゆきまの座禅草 北崎展江 くりから 201209
小鳥斜に天を目指せる雪間かな 大竹淑子 風土 201304
雪間草つつく雀や母の家 奥山ひろ子 万象 201305
砂浜の雪間に現れし貝の殻 藤田かもめ ぐろっけ 201305
湖へ一羽発ちたる雪間かな 涼野海音 火星 201305
雪間より大すず白を抜き出しぬ 山田六甲 六花 201403
雪間風波郷旧居を探し当て 能村研三 201404
朝市へものかつぎくる雪間草 大崎紀夫 やぶれ傘 201405
朝の日や雪間の草の朽葉色 藤井美晴 やぶれ傘 201405
歪みたる猪罠積まる雪間草 堤京子 馬醉木 201405
峠越の雪間に在し道祖神 阪上多恵子 雨月 201405
雪間草出処不明の新顔も 池田崇 201406
雪間草川沿ひに家点在し 大畑善昭 201504
雪間草花輪を立てる杭を突く 森屋慶基 風土 201506
落葉松の雪間と白樺の雪間 田丸千種 ホトトギス 201507
川をゆく風は海まで雪間草 大崎紀夫 虻の昼 201510
そこここの雪間の土のにほふかな 大崎紀夫 虻の昼 201510
さらさらと沢の囁き雪間草 鈴鹿呂仁 京鹿子 201603
雪間草大黒講の人出かな 中川句寿夫 ここのもん 201705
橅林の一樹一樹の雪間かな 栗山みどり 201705
鳩のきて雀もきたる雪間かな 秋山信行 やぶれ傘 201805
岬宮のうすき神燈雪間草 くどうひろこ 201904
湖よりの風の鼓動や雪間草 岡野里子 末黒野 201907
空晴れてゆく昼過ぎの雪間草 大崎紀夫 やぶれ傘 202003
夕影の富士の雪間の拡がリぬ 赤座典子 あを 202004
雪間草木々の根元を押し上げて 赤川誓城 ホトトギス 202008
黒々と雪間関東ローム層 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
雪間より日本の生活始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
雀らのわつと立ちたる雪間かな 南うみを 風土 202104
あたらしき風呼んでをり雪間草 中根美保 風土 202104
また別の鳥の来てゐる雪間かな 南うみを 風土 202205

2023年2月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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