雪達磨 1    206句

雪だるま星のおしやべりぺちやくちやと    松本たかし

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ゆつくりと目鼻をつけよ雪達磨
中原道夫
銀化
199903
ゆふべには空を恋ひゐし雪だるま
原山幸子
199904
熊笹の簪さして雪達磨
村瀬初実
春耕
199904
雪だるまきつとできると児の予報
堤節子
ぐろっけ
199904
冷凍庫五年同居雪達磨
川副民子
船団
199909
雪だるま生みの親みる目をもらふ
千田百里
巴里発
199911
真夜中はきっとさみしい雪だるま
津田このみ
月ひとしずく
199912
大目玉もらうて起てる雪達磨
森義久
銀化
200003
目をかけし雪達磨から溶けはじむ
赤間真弓
銀化
200003
雪だるま一人にされて消えにけり
松本恒子
ぐろっけ
200004
雪だるま知らない子等の雪遊び
保坂加津夫
いろり
200004
立たされしまま風葬の雪だるま
山口速
200005
雪達磨雪を着せられあつそうな
秋山深雪
船団
200006
コンビニの灯にあやされて雪だるま
三神あすか
船団
200007
保冷箱より雪達磨雪うさぎ
ふけとしこ
船団
200008
雪達磨なりの辭世句目鼻つく
中原道夫
銀化
200101
雪達磨造る子一人美濃太田
松崎鉄之介
200103
雪だるまの胸に箒を返しけり
梅田津
銀化
200104
雪達磨たりし嵩のみとどめをり
西村和子
知音
200104
嫁ぐ娘と庭にころがす雪だるま
祐森弥香
遠嶺
200105
商売の声を遠くに雪だるま
笠学
船団
200105
団地パパ総出の作業雪だるま
楯野正雄
200105
雪だるま人質として地に残り
片岡秀樹
海程
200106
雪だるま小さな燭をもらひけり
石田邦子
祭笛
200109
けふはやや熱ある顔の雪だるま
中原道夫
銀化
200202
たくましき名に負けぬ眉雪達磨
中田貞子
200203
眉太の漢なるかも雪達磨
湯本道生
200203
歩き出しさうな月下の雪だるま
中田貞子
200203
美術館前大仰な雪だるま
阿部子峡
200204
ゆつくりとどつと痩せたり雪だるま
城孝子
火星
200205
村人の顔して並ぶ雪だるま
清水明子
遠嶺
200205
竜の玉の目をもらひたる雪達磨
金森教子
雨月
200205
かはたれに人界を去る雪だるま
橋本喜夫
銀化
200302
雪だるまのマークずらりや旅枕
鈴木昭子
帆船
200302
投函に立ち会つてゐる雪だるま
新井竜才
銀化
200302
ほつぺたの赤し信濃の雪だるま
山田六甲
六花
200303
小躍りをして天気図の雪達磨
長谷英夫
馬醉木
200303
雪だるま頭かかへること多き
中原道夫
銀化
200303
雪達磨かういふ作り方もある
土井田晩聖
銀化
200303
慧眼を持ちたきものよ雪達磨
土井田晩聖
銀化
200304
十哲のしんがりにつく雪達磨
波多洋子
銀化
200304
雪だるま太らせてをり今朝の雪
金山千鳥
酸漿
200304
一生とゆうもの知らず雪だるま
鶴目鯛遊子
六花
200305
駐在に泣き顔となる雪だるま
武司琴子
ぐろっけ
200305
落書きのひらがな名前と雪だるま
岩松八重
六花
200305
恐ろしき様に溶けゆく雪達磨
高倉和子
200403
眉と口真一文字に雪達磨
小林朱夏
200403
犬齧る児の丸めたる雪達磨
花房敏
ぐろっけ
200404
生きいきならぶ天気図の雪だるま
石川笙児
200404
板切れに先生と書き雪だるま
町田昇
百鳥
200404
門前に戻つてをりし雪だるま
高橋将夫
200404
気象図は三日続きの雪だるま
佐々木秀雄
帆船
200405
犬舐める児の作りたる雪達磨
花房敏
ぐろっけ
200405
雪達磨枯枝折って目・鼻・口
花房敏
ぐろっけ
200405
雪達磨雪に埋もれて動かれず
河村靖子
築港
200405
西洋の雪達磨には手足あり
田中武彦
六花
200406
雪だるま今もバケツの帽子なる
田中武彦
六花
200406
雪だるま大小三つ朝日浴ぶ
関根義行
対岸
200406
雪だるま何処まで行かば父母に逢はん
堀内一郎
あを
200412
もう誰もそれとは見えぬ雪達磨
稲畑汀子
ホトトギス
200501
降りつづく中で生き生き雪だるま
稲畑汀子
ホトトギス
200501
少し痩せゐしが朝の雪だるま
稲畑汀子
ホトトギス
200501
太陽に命ゆだねし雪達磨
稲畑汀子
ホトトギス
200501
濡れてなほ存在ありし雪だるま
稲畑汀子
ホトトギス
200501
日常の閑かさとなる雪達磨
早崎泰江
あを
200503
棒切れに武蔵を気取り雪達磨
久島洋子
200503
雪だるま溶けてみ空に還りけり
工藤進
200504
先に出て子がはや作る雪達磨
島崎勇作
酸漿
200504
烏骨鶏の眼きびしや雪達磨
中條今日子
万象
200505
雪だるま作る長靴買ひにけり
小山國雄
百鳥
200505
誰が置きしポストの上の雪達磨
長石彰
築港
200505
泣き顔となり雪だるま解け始む
涌羅由美
ホトトギス
200506
照り窮る日やぽつねんと雪だるま
佐々木恭子
遠嶺
200506
雪達磨一夜のまぼろし山となる
長谷川幸子
200506
通過車へ駅長帽の雪だるま
品川鈴子
ぐろっけ
200601
雪達磨人間らしく生きなさい
山田六甲
六花
200603
悲しげに日に向いており雪だるま
わかやぎすずめ
六花
200603
雪達磨つぎつぎに灯の通りけり
田中英子
火星
200604
夜廻りをする雪だるま通りかな
望月晴美
200604
都会つ子の雪だるますぐ溶けにけり
沼田桂子
春燈
200604
人去りて泣き顔となる雪だるま
横内かよこ
ぐろっけ
200604
くれがたの空や田町の雪達磨
里中章子
200604
雪だるまバケツ阿弥陀に被りけり
鈴木一三
百鳥
200604
楠の影が守りて雪達磨
市川伊團次
六花
200604
雪だるま守衛に肩を叩かるる
保科次ね子
百鳥
200605
雪達磨記念写真のみ遺す
貝森光大
六花
200605
雪達磨に雪降りかかる性欲捨てよ
八田木枯
晩紅
200606
陽燦々のつぺら坊の雪達磨
島田宣子
八千草
200607
混ぢり込む笹や松葉や雪だるま
山田六甲
六花
200702
雪だるま頭に松葉混りゐし
山田六甲
六甲
200703
鑞梅の二枝挿しある雪だるま
山田六甲
六甲
200703
雪だるま転がしてゆく雪の上
山田六甲
六甲
200703
「北方領土返還」の札雪達磨
坂上香菜
時流
200703
そして誰も居なくなりたる雪達磨
近藤喜子
200704
力作の雪だるま抱き笑ひをり
ことり
六花
200802
雪しまく中より現るる雪だるま
須藤トモ子
200804
こんな時何にもできぬ雪だるま
須藤トモ子
200804
雪だるま先生おはようございます
岩木茂
風土
200804
雪だるま携帯電話の壁紙に
堀志皋
火星
200804
日射し得て空へ還りし雪だるま
白髭美佐子
200805
小さき手の作りて小さき雪だるま
長束房子
遠嶺
200805
館のお庭に大雪だるまあなかしこ
丸山佳子
京鹿子
200805
本心を明かさず消えり雪だるま
丸山佳子
京鹿子
200805
我が街に一米もの雪だるま
大橋晄
雨月
200805
首塚の誰がつくりしか雪だるま
片山喜久子
雨月
200805
雪知らぬ子に雪だるま雪兎
竹中幸
200806
校庭の真中に二つ雪だるま
赤木亜華里
200806
バス停の寄り目となりし雪だるま
岡田章子
ぐろっけ
200806
三日目の顔となりたる雪だるま
きくちきみえ
やぶれ傘
200902
雪中にて大口論の達磨かな
西村純太
200904
雪達磨ひと日過ぐれば片目なる
長谷川としゑ
ぐろっけ
200904
つちくれの混じつてをりし雪だるま
山路紀子
風土
200904
目鼻付いて五衰はじまる雪だるま
千田百里
200904
口重くなる気象図に雪達磨
泉田秋硯
200905
雪達磨ほろ酔い加減に崩れおり
小阪律子
ぐろっけ
200905
雪だるま倒れるまでは落ちつかず
堀内一郎
あを
201002
炭の目鼻などはいらんと雪だるま
荒井千佐代
201003
門に立つ子等力作の雪だるま
今中道子
201004
雪だるま余命の影を長く引き
久津見風牛
201004
日のなかの静けき庭や雪達磨
青木陽子
酸漿
201004
雪達磨細りつ留守を守りをり
青木陽子
酸漿
201004
万両の実の目小さし雪達磨
工藤美和子
酸漿
201004
道端に雪達磨あり挨拶す
樋口正輝
ぐろっけ
201005
雪だるま手足出さうな日和なり
大沼遊魚
倭彩
201009
万歳のはたきに軍手雪だるま 山田六甲 六花 201102
酔っぱらいの相手している雪達磨 貝森光洋 六花 201102
雪達磨得意の一手は寄倒し 貝森光洋 六花 201102
父勤務雪達磨となりて帰宅せり 貝森光洋 六花 201102
雪達磨最敬礼でなほも立つ 林美智 ぐろっけ 201102
滑り台に雪だるま凍て無残なる 鈴木照子 201104
童心に還り軒端の雪だるま 川崎利子 201104
吾庭に三体三様雪だるま 新実貞子 201104
濡れ縁に溶けてしまひし雪達磨 高倉恵美子 201104
深々とお辞儀をしたのに雪達磨 貝森光洋 六花 201104
雪達磨死して目鼻を遺しけり 北尾章郎 201105
小さな塾小さな春の雪だるま 大坪景章 万象 201105
バンダナに帽子もかぶり雪達磨 竹下昭子 ぐろっけ 201105
下校まで待てず崩るる雪だるま 田中一美 ろんど 201105
雪達磨目と口残し消えてをり 秋千晴 201106
泥つけてパンダさながら雪だるま 石川裕美 ぐろっけ 201106
みどり児におにぎりほどの雪だるま 貫井照子 やぶれ傘 201107
はじめから汚れてゐたる雪達磨 高倉和子 201203
熱の子の見ゆる辺りに雪達磨 徳田千鶴子 馬醉木 201203
近鉄の男子トイレの雪だるま 坪内稔典 船団 201203
人間になれると言い張る雪達磨 貝森光洋 六花 201203
欄干に目鼻を持たぬ雪だるま 宮田香 201204
雪達磨月にひしやがれゐたりけり 蘭定かず子 火星 201204
センター試験始まつてゐる雪だるま 藤田素子 火星 201204
みちのくの天気図今朝も雪達磨 鶴巻誉白 ろんど 201205
幼稚園の帽子被せり雪だるま 長島操 万象 201205
判子屋に隣る予備校雪だるま 大島英昭 やぶれ傘 201205
始業ベル鳴りて残さる雪だるま 松井洋子 ぐろっけ 201206
雪だるま溶けて大きな水溜り 長久保郁子 かさね 201207
早朝の俄作りの雪だるま 田中清秀 かさね 201303
雪だるま仕上げの帽に植木鉢 上谷昌憲 201303
多摩川の河原にぽつと雪だるま 森理和 あを 201303
合戦の砦を守る雪だるま 浅岡麻實 末黒野 201305
公園で筋トレ三日目の雪だるま 中谷三千子 船団 201306
門衛の如くに睨む雪だるま 松本アイ ぐろっけ 201307
解けかけて又凍りゆく雪達磨 山本敏子 ぐろっけ 201307
眉ありて素性らしきが雪達磨 山尾玉藻 火星 201402
雪だるま太らせ過ぎてしまひけり 安居正浩 201402
雪達磨子等に人気のキャラクター 中島玉五郎 201402
灯るまで透く電飾の雪だるま 岩田登美子 ぐろっけ 201403
頭からまっさきにとけ雪達磨 坪内稔典 船団 201403
きらんきらんと両目の光る雪達磨 はしもと風里 201403
竹槍を持たされてゐる雪達磨 長憲一 201403
ここかしこ触れてゆくなり雪だるま 亀井紀子 201403
木の枝で両手小さな雪だるま 田中藤穂 あを 201404
天気図の家郷は今日も雪ダルマ 鶴巻誉白 末黒野 201404
バケツ帽傾げる春の雪だるま 鈴木照子 201405
雪だるまひとりでつくる男かな 松山三千江 春燈 201405
雪だるま産声のなし昇天も 鎌田悟朗 ろんど 201405
地球自転思案の首の雪だるま 河村啓花 ろんど 201405
ゆきだるまポエムだとかのじょはいった 桑原汽白 船団 201406
雪かきの雪に埋もるる雪だるま 岡田香緒里 やぶれ傘 201406
目鼻得て耳も欲しがる雪達磨 押田裕見子 201408
飽きつぽき子等の残せし雪だるま 中下澄江 201405
シャベルもて集めて黒き雪達磨 小林朱夏 201501
シャベルもて集めて黒き雪達磨 小林朱夏 201501
七転び八起きは不得手雪だるま 澤近栄子 京鹿子 201501
晴天や肩丸々と雪だるま あさなが捷 201502
雪達磨作りて母を呼んでをり 秋千晴 201503
マンションの庭に小さき雪達磨 難波篤直 201503
川べりに並ぶかまくら雪達磨 坂根宏子 201503
雪だるま暖かい日の思い出に 廣瀬結麻(中三) 201503
雪達磨作りて母を呼んでをり 秋千晴 201504
ころがして角張つてゐる雪達磨 あさなが捷 201504
山宿に門番のごと雪達磨 樋口みのぶ 201504
雪達磨老いては同じ顔となる 江島照美 201504
捨てられて野に臥す獣雪だるま 鴨下昭 201504
雪達磨に伊吹の風の刺さりくる 水谷文謝子 雨月 201504
きのふまで立ちてをりたり雪だるま 太田チヱ子 末黒野 201505
言ひ包められし掌雪達磨 柳本渓光 ろんど 201505
雪だるま小鳥の墓の上あたり きくちえみこ 港の鴉 201510
日面やどこにも見えぬ雪達磨 赤座典子 あを 201603
泣きさうな顔や日暮の雪だるま 梅村すみを 201604
雪達磨うしろすがたは忘じたり 井上菜摘子 京鹿子 201604
存在の証の炭や雪達磨 高橋将夫 201604
吾を見て目を丸くする雪達磨 高橋将夫 201604
古代には巨石文明雪達磨 江島照美 201604
厭離穢土欣求浄土の雪だるま 松尾龍之介 201605
帰りにはもたれ合ひたる雪だるま 栗原京子 201605
雪だるま星の軌跡を追うて明け 内山照久 201703
雪だるまほつたらかしにされてをり 白石正躬 やぶれ傘 201703
ともりたる窓を見てゐる雪だるま 宮崎洋 春燈 201704
早朝の父と子作る雪だるま 城戸ひろみ 雨月 201704
雪だるまときどき居留守使ひけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
二条城守りて小さき雪だるま 山田佳乃 ホトトギス 201706
さよならは言はず解けゆく雪達磨 和田華凛 ホトトギス 201706
古代には巨石文明雪達磨 江島照美 201708
雪だるま→ 2      

 

2021年1月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。