ヨット    197句

残照が痒いヨットの帆をたたむ   河合凱夫   飛礫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ヨットハーバー閑として鳥渡る 鷹羽狩行 199812
沖に出て光源となるヨットの帆 岡部玄治 199901
ヨットの帆たたむ男の首飾り 村田近子 遠嶺 199905
峰雲や大型ヨット整備中 長田等 199909
暖流に任せきつたるヨットかな 岩田沙悟浄 円虹 199910
がっちりと握手帰港のヨットマンと 栗山恵子 雨月 199910
ヨットの帆を巻く赤銅の力瘤 栗山恵子 雨月 199910
蒼天に飛行機海をヨット航く 栗山恵子 雨月 199910
風把ふヨットに比良も低かりき 豊田都峰 京鹿子 199910
風待ちのヨットが見ゆる十三階 三上冨佐子 ぐろっけ 199910
ヨットの帆一廻転をして返す 粟津松彩子 ホトトギス 199911
紺碧に白まきちらしヨットの帆 世家栄子 200001
比良八荒ヨットは陸に平伏して 中川濱子 ぐろっけ 200004
一湾に花と咲かせてヨットの帆 上水流照子 200008
右へまた左へ傾斜してヨット 牛田修嗣 200010
幾十のヨットの帰路や風なき日 中里カヨ 酸漿 200010
逆さまにグラスの中にヨット浮き 孝子・フォン・ツェルセン 円虹 200010
潮とばしヨット河口を遡る 西川義春 春耕 200010
碇泊のヨットに朝陽白光す 藤田京子 ぐろっけ 200011
ヨットハーバー鰡の水輪と雨の水輪 高村梢子 火星 200012
明日乗る白きヨットを見に来たり 小林あつ子 火星 200104
前言を翻すかにヨットの帆 中原道夫 銀化 200106
太陽の中より出でてヨットの帆 ほんだゆき 馬酔木 200107
青年と思へば娘ヨット舵手 田中呑舟 火星 200108
茶屋障子ヨットの海へ開け放つ 沢ふみ江 春耕 200108
帰り来しヨット漢の笑顔かな 佐藤康子 遠嶺 200108
出港の船笛ヨツトそこのけと 品川鈴子 ぐろっけ 200108
疾走のヨットや何を振り切りし 真保喜代子 200109
辷り航く折鶴に似てヨットの帆 松村富子 200110
紀の海の沖や競へる幾ヨット 根岸善雄 馬醉木 200110
花海桐ヨットの海へ続きたる 城尾たか子 火星 200110
朝日浴び風を迎へに行くヨット 平居澪子 六花 200110
落日に曳かるるごとくヨット消ゆ 平居澪子 六花 200110
退院や追風にのるヨットの帆 田所節子 200110
我が家より高価なヨット触れてみる 大石よし子 雨月 200110
沖に何求めむヨット帆をはらみ 谷村祐治 雨月 200110
潮の色変りヨットの帆の傾ぐ 谷村祐治 雨月 200110
沖の風ひとり占めしてヨット駆く 谷村祐治 雨月 200110
突堤の先すべりゆくヨットかな 山田天 雨月 200110
親子めくヨット恋人めくヨット 三村純也 ホトトギス 200111
ヨットハーバー屏風囲みの雲の峯 窪田佳津子 雨月 200111
子等囲みゐる謙一のヨットかな 岡淑子 雨月 200111
並走のヨットに沖の雲白し 岡淑子 雨月 200111
日の入るやヨットに大き月の出て 出口貴美子 雨月 200111
童画めき太陽沈むヨット村 出口貴美子 雨月 200111
ヨットマン濡れ身に来るレストラン 出口貴美子 雨月 200111
風自在重心自在ヨットかな 河野美奇 ホトトギス 200201
ヨット部のどつと上陸昼餉どき 河野美奇 ホトトギス 200201
ヨットの帆まぎれこんだる青き空 佐土井智津子 ホトトギス 200201
遠ヨツト悩みいつしか風となり 井尻妙子 京鹿子 200201
ヨット遠し三角となり棒となり 出口貴美子 雨月 200201
ヨット村丹波太郎をふりかぶる 出口貴美子 雨月 200201
ヨットハーバー燕の空となりにけり 代田青鳥 風土 200207
隧道出づ一面ヨット畑かな にいざ蚯蚓 銀化 200207
ヨットマンなり二の腕も髭面も 山田弘子 円虹 200208
試乗してヨット一艘買はんかな 山田弘子 円虹 200208
ヨットの帆高く傾げる海の紺 坂井建 ホトトギス 200209
孕む帆となるよりヨットレースかな 村田明子 円虹 200209
ヨットみな霊峰指して帆をあぐる 竹内喜代子 雨月 200209
紺碧の湖が国境ヨットの帆 辰巳比呂史 200211
風向きに一線となるヨットの帆 今井妙子 円虹 200211
広重の絵かもヨットと近江富士 小阪律子 ぐろっけ 200211
帆を孕み傾ぐヨットに風つのる 利根里志 円虹 200212
ヨット出てすぐ走りだす駿河湾 岬雪夫 200301
展望のヨツトハーバー冬に入る 北村香朗 京鹿子 200302
ヨットの帆遠くに花の種を蒔く 江頭信子 馬醉木 200306
夕映えの中に入りたるヨットかな あさなが捷 200306
三月や繋留ヨット塗替へて 伊東省子 百鳥 200306
風向きを読めぬ部活のヨットの帆 松原安治 遠嶺 200310
ヨット部の小屋よりペンキ匂ひけり 平田はつみ 馬醉木 200310
太陽の季節ヨットの林立に 寺島順子 雨月 200310
スタンバイするにヨットの帆のはためく 橋本梢明 200310
二人で組み放課後ヨット走らする 橋本梢明 200310
ヨツトの帆ひとつが群れを離れゆく 中根美保 風土 200310
秋の雲ヨツトのよぎる潮目かな 大森美恵 風土 200311
港よりヨツト繰り出す日曜日 内山定子 築港 200311
大小の瀬戸の島縫ひヨツト走す 岡田有峰 築港 200311
ヨット浮くに白プリメリアの花匂ふ 中山砂光子 200311
ヨットマンの裸身まぶしき茶房かな 出口貴美子 雨月 200311
波間より夕日寄りくるヨットかな あさなが捷 200312
如何にして戻るや沖にヨットの帆 安達風越 雨月 200401
傾きていよいよ速きヨットかな 立石萌木 雨月 200401
島裏に廻りしヨット戻り来ず 鈴木實 百鳥 200408
噴水の上をヨットの走りけり 大串章 百鳥 200409
ヨットの帆遠ざけてゐる漁舟 安部和子 雨月 200410
風待ちのヨットに動く人の影 植竹美代子 雨月 200411
ヨットの帆風を挟んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506
シチリアの海開き待つヨット群 岡田房子 酸漿 200506
ヨットハーバー白い孤独を私す 伊藤白潮 200507
浦波やヨットが風に難渋す 伊藤白潮 200507
ヨット群るむかし太陽族の海 堀口希望 200508
若さとは張りしヨットの帆の白さ 佐々木幸 200509
ヨットハーバー土用四郎の風の中 田中みのる 火星 200510
Tシャツにヨットの絵模様鮮らけく 田中みのる 火星 200510
週明けのヨットハーバー夏旺ん 田中みのる 火星 200510
ヨットハーバー眼下に島の夜明けかな 水上多美子 春燈 200510
水平線大事ヨットの傾ぐため 後藤立夫 ホトトギス 200511
逆光にヨットの三角水平線 丹生をだまき 京鹿子 200511
あらたまの白を集めてヨットの帆 今瀬剛一 対岸 200603
島々をヨットがつなぐ春の風 戸田春月 火星 200605
日を曳いて沖へと春のヨットゆく 南保芙美子 遠嶺 200607
ヨットの帆老いても夢は忘れまじ 高橋美智子 200609
ランチとる沖にヨットの見ゆる景 桑田青虎 ホトトギス 200610
ダーダネルズアジアに帰るヨットの帆 大西まりゑ 酸漿 200611
ヨット出て水平線の賑はひぬ 湯川雅 ホトトギス 200612
冬鴎ヨットハーバー白一色 鷹羽狩行 200701
秋風に白蘇るヨットの帆 百瀬七生子 海光 200705
鍋ぴかぴかむかしヨットに乗ったこと 中原幸子 以上、西陣から 200705
春の湖ヨットの帆布新しき 早崎泰江 あを 200706
湘南の海を彩るヨットの帆 中村悦子 200708
身捨つるほど波に傾がせヨットの帆 秋葉雅治 200708
ヨット瞰る領巾(ひれ)を振るべき君亡くて 品川鈴子 200708
ヨット駆くあなやと思ふ傾ぎやう 石垣幸子 雨月 200708
マリーナは風の踊り場ヨツトの帆 田村すゝむ 風土 200709
青年の遠まなざしやヨットの帆 野中啓子 200710
紺碧に白のふくらむヨットの帆 大森春子 200710
ヨットハーバー白ひと色の若さかな 佐々木幸 200710
ヨットハーバー灼くる棒切れ林立する 金井充 百日紅 200711
バルト海のヨット眼下に北航機 金山藤之助 200712
ヨットハーバー電飾のクリスマス 河井富美子 ぐろっけ 200803
犇きてヨットハーバー冬麗 篠崎荘市 酸漿 200805
春の海光りてやまずヨットの帆 田中藤穂 あを 200806
霞たる島との間にヨットの帆 吉成美代子 あを 200806
声上げて朝のヨットを起し組む 出口貴美子 雨月 200811
夕映の小島縫ひけりヨツトの帆 鈴木漱玉 馬醉木 200812
動かざる雲へ動きに行くヨット 岩垣子鹿 ホトトギス 200812
よなぐもり沖のヨットの揺らぎをり 鎌倉喜久恵 あを 200904
潮満ちて入江に白きヨットかな 山野惣一郎 遠嶺 200909
人間魚雷の島の平成ヨット航く 泉田秋硯 200910
ヨット部の白帆あつまる湖の芯 米山喜久子 200910
夕映の島とびとびにヨットの帆 五領田幸子 馬醉木 200912
ちよつと見ぬ間にヨット増えヨット減り 嶋田摩耶子 ホトトギス 201002
外洋ヨット各邸前のブイに係留 上野昌子 春燈 201007
ヨットも屋敷も今は静かや客待ちて 上野昌子 春燈 201007
繋留のヨット寂れる五月雨 大木清美子 201008
触れ合へるヨットの音の潮じめり 浜囗高子 火星 201008
海側に電車傾げりヨットの帆 川村文英 ろんど 201008
夕映えの葉騒の椰子とヨットの帆 森清信子 末黒野 201009
ヨットの帆すこし汚れて戻りけり 荒井千佐代 201010
三角の風を孕みてヨット馳す 佐久間由子 201010
ヨットより電話をもらふ秋日和 山本浪子 風土 201101
ヨット部に無限大なる初御空 高田令子 201104
ヨット恋ふ帆布の袋肩に掛け 阪本哲弘 201110
ヨットレースてふ大琵琶の格闘技  古賀しぐれ ホトトギス 201112
夏の海雲もヨツトもより白く 平野数子 京鹿子 201201
冬鴎ガラスのヨット走り去る 柳生千枝子 火星 201203
ヨットの帆一直線といふ自由 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
一列に並ぶヨットに風見えず 稻畑汀子 ホトトギス 201207
沖めざすヨットは白帆耀かせ 深川峰子 201208
ヨットの帆水平線をはみ出せる 岡田史女 末黒野 201211
青葉風防音壁にヨットの絵 菅野蒔子 末黒野 201211
ヨットの帆ひらりひらりと蝶の如 成田なな女 春燈 201211
よきヨットあり思ひ出すよき役者 後藤比奈夫 ホトトギス 201212
ヨットにはある青春の息づかひ 後藤比奈夫 ホトトギス 201212
白き歯の男ヨットの帆を揚ぐや 小島昭夫 春燈 201212
ヨットより上がりし人の傾ぎたる 広渡敬雄 201303
大海原間切りて進むヨットかな 川井素山 かさね 201310
しろつめ草一望ヨット村静か 出口貴美子 雨月 201310
繋留のヨット舫ふや秋の風 井口淳子 201401
かひやぐら金比羅さんにヨットあり 加藤みき 201407
眉程の遠き白波ヨットの帆 久保東海司 201407
海は詩兎波ともヨットとも 千田敬 201407
沖を目指すヨットの白帆刃めく 真柄百合子 末黒野 201409
先頭に風奪はれしヨットかな 高橋将夫 201409
合宿のヨットハーバーピザ届き 大島寛治 雨月 201410
機上よりヨットの群の花のごと 天谷翔子 201412
四海波静かヨットの浮くかぎり 後藤比奈夫 ホトトギス 201503
ヨットいま掛かる船弁慶の浦 後藤比奈夫 ホトトギス 201503
虚貝集むる習ひヨットゆく 安藤久美子 やぶれ傘 201510
ヨット行くあやふきまでに身を挺し 内山照久 201510
住吉の海はひろいなヨットの帆 山田六甲 六花 201608
白波の弾く朝日やヨットの帆 森清信子 末黒野 201609
波高き潮入川やヨットの帆 竹内喜代子 雨月 201609
日と風と海と大空ヨットの帆 平野みち代 201611
左傾より右傾ヘヨット反転す 大島寛治 雨月 201709
松籟や沖のヨットに目を凝らし 前原マチ 末黒野 201711
グアテマラ珈琲で待つヨット行く 辻響子 201809
ヨットの帆珊瑚礁の海の極彩魚 小笠原妙子 201902
展示さる上皇陛下のヨットかな 門伝史会 風土 201908
ヨツトハーバービュッフェの線のひしめけり 荒井慈 春燈 201909
ヨット浮くさう言へばもうこんな時期 志方章子 六花 201909
遠きほど白し鴎とヨットの帆 西川織子 馬醉木 201910
風孕み白き水脈引くヨットかな 高木邦雄 末黒野 201910
ヨット航く空と融け合ふところまで 三村純也 ホトトギス 201912
波頭舷側に受けヨットいく 湯本正友 やぶれ傘 201912
ゆつくりとヨット抜け出づ島の影 岩永みはる 追伸 202003
梅雨寒やヨットハーバー音も無く 東正則 末黒野 202009
ハーバーのヨット上下す春北風 森なほ子 あを 202105
青天ヘヨットは沖をはみ出せり 岡田史女 末黒野 202108
ヨット行く太平洋を狭めつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
ヨット今波の光の直中へ 高橋まき子 風土 202209
大洋の波風光ヨット渡航 磯野青之里 六花 202209
夕風に結び目ほどくヨットかな 六車佳奈 風土 202210
沖にヨット風に白波ざわざわと 河合公八郎 202211
大海のヨットは独りぼつちかな 本郷公子 京鹿子 202212

 

2023年8月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。