嫁が君    129句

ぬばたまの寝屋(ねま)かいまみぬ嫁が君   芝不器男

作品
作者
掲載誌
掲載年月
嫁が君凡才なるを思ひをり 保坂加津夫 会者定離 199900
わが干支にして嫁が君親しかり 大橋敦子 雨月 199903
嫁が君盗んで来たる猛りなる 竹村悦子 銀化 199903
解体といふ丸ビルや嫁が君 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
明けきらぬうちから嫁が君のこゑ 山仲英子 200001
広辞苑抜けば小柄な嫁が君 山田六甲 六花 200002
猫の胃にまだ尾は入らず嫁が君 林翔 200003
掛軸の裾かじりたる嫁が君 山田耕子 京鹿子 200004
懺悔室には近寄らず嫁が君 鈴木ミヨコ 200005
紀の国の木の国にゐる嫁が君 田畑幸子 火星 200005
可愛い猫もっと可愛い嫁が君 ゆにえす 船団 200006
天井に日の揺れてをり嫁が君 加古みちよ 火星 200011
嫁が君体重計に乗っているなり 吉田さかえ 海程 200012
嫁が君きみ等に家系ありやなし 松山律子 六花 200101
奥の手のひとつや二つ嫁が君 宇都宮滴水 京鹿子 200102
嫁が君恐縮しながら目の前を 篠田悦子 海程 200112
故郷や独居の母と嫁が君 宮森毅 六花 200112
尾を曲げて見返りのさま嫁が君 鷹羽狩行 200202
走りつつ立つこともあり嫁が君 鷹羽狩行 200202
屋根裏の風のむつごと嫁が君 小澤克己 遠嶺 200204
よそゆきの顔で覗いて嫁が君 池谷市江 200204
天井をきしませてわが嫁が君 肥田美枝子 200204
身の重く一歩一歩の嫁が君 市川伊團次 六花 200204
村里の庭先にみる嫁が君 山本田津子 200303
ミサイルのスイッチ押すな嫁が君 鶴目鯛遊 六花 200303
嫁が君座敷童子と鉢合はせ 北川瀬通子 200304
嫁が君勤務交替時間なり 田中武彦 六花 200305
産み月の混み合つてゐる嫁が君 松田都青 京鹿子 200401
立ち止まりては考へて嫁が君 鷹羽狩行 200402
大ぶりのドイツ生まれの嫁が君 ホボーム希子 200404
真向ひに揉み手いぢらし嫁が君 遠方靉 遠嶺 200404
少子化の国には棲めず嫁が君 川崎幸一郎 京鹿子 200404
丸餅をころがし逃ぐる嫁が君 中和田洋美 万象 200409
生きていることが奇跡よ嫁が君 松山律子 六花 200501
記憶より目の黒かりし嫁が君 鷹羽狩行 200501
そののちの消息のなき嫁が君 稲畑汀子 ホトトギス 200501
百年の家に居つきぬ嫁が君 稲畑汀子 ホトトギス 200501
太梁にのぞく会津の嫁が君 橋本榮治 馬醉木 200502
目の合ひて子年生れよ嫁が君 木暮剛平 万象 200504
鷽吹くかオカリナ吹くか嫁が君 樋口愚童 200504
嫁が君銀の尾を曳き嫁入りす 松村多美 四葩 200603
餅半分食べて何処へ嫁が君 江崎成則 栴檀 200604
嫁が君納屋の棚より顔を出す 滝沢伊代次 万象 200701
猪口才なとは汝のこと嫁が君 鷹羽狩行 200702
風の戸に久しき呼び名嫁が君 鈴鹿仁 京鹿子 200702
没落の屋敷を去らず嫁が君 遠藤若狭男 200703
建て替へて聞かざる噂嫁が君 稲畑汀子 ホトトギス 200801
見返りの美人のさまに嫁が君 鷹羽狩行 200801
裳裾ひくさまに尾を曳き嫁が君 鷹羽狩行 200801
一豊(かずとよ)の妻にもまさる嫁が君 鷹羽狩行 200801
憶せずに厨を走る嫁が君 大石昌代 200801
恋歌はソプラノなりし嫁が君 雨村敏子 200803
ぼやぼやとしてはゐられぬ嫁が君 本多俊子 200804
月の海へ千石船の嫁が君 冨松寛子 200804
嫁が君庄屋の梁に隠し槍 岡本一路 京鹿子 200804
近江より嫁が君とふ小幡でこ 鳥居秀雄 200804
福助のおじぎの前を嫁が君 鳥居秀雄 200804
この家から越してくれぬか嫁が君 大木清美子 200805
あけぼのやほのと影もつ嫁が君 長山あや ホトトギス 200806
ふるさとの夜具の重さや嫁が君 柴崎甲武信 月日 200811
嫁が君隠れ上手に聞き上手 高橋将夫 200901
嫁が君独り居の耳聡くなる 岩永充三 200904
石臼の径の三尺嫁が君 間島あきら 風土 200905
建替へし家には住まず嫁が君 森山暁湖 万象 201004
けふあたり禁裏走るや嫁が君 瀬川公馨 201103
一閃の逃げ足それも嫁が君 布川直幸 201201
食べてゐる貌は見せざる嫁が君 柴田佐知子 201201
嫁が君ひとりの夜の侘しかり 竹内悦子 201203
ひとり居に嫁が君ゐて頼もしき 大木清美子 201203
新婚の吾に先住の嫁が君 長山あや ホトトギス 201205
存在は影と音のみ嫁が君 長山あや ホトトギス 201205
米蔵に囮ありけり嫁が君 仲山秋岳 万象選集 201205
曲屋を終の栖に嫁が君 石田野武男 万象選集 201205
神棚の半紙を揺らす嫁が君 小林元子 万象選集 201205
八百屋から酒屋へ走る嫁が君 栗原恵美 万象選集 201205
これぞまあ神出鬼没嫁が君 栗林圭魚 ホトトギス 201207
坊城家にも現れしてふ嫁が君 栗林圭魚 ホトトギス 201207
空部屋の蚕室を駆ける嫁が君 瀧澤伊代次 伊代次句集 201212
嫁が君確かに走り抜けしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201301
嫁が君とも風音と抜けにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201301
嫁が君押さへつけたる猫の貌 柴田志津子 201304
嫁が君当り障りの無い神社 篠田純子 あを 201402
大黒に侍り多祥の嫁が君 石倉千賀子 末黒野 201404
新たなる趣味を齧りて嫁が君 石倉千賀子 末黒野 201404
嫁が君ひよつこり猫はまどろんで 山西商平 ホトトギス 201405
嫁が君走りて闇の新しき 田岡千章 201405
美しき名を貰うてゐても嫁が君 水田むつみ ホトトギス 201406
嫁が君とて住み難き世なるべし 稲畑汀子 ホトトギス 201501
するすると尾の消えにけり嫁が君 山田六甲 六花 201501
するすると尾の吸ひこまる嫁が君 山田六甲 六花 201502
追はれたり二手に分かれ嫁が君 篠田純子 あを 201502
音一つなき闇緊めて嫁が君 藤岡紫水 京鹿子 201503
カガミヨカガミ嫁が君が見てゐる 高貴美子 201503
嫁が君里帰りしてそれつきり 八木健 八木健俳句集 201509
嫁が君この世を映す神獣鏡 藤代康明 201604
神棚のなき家に慣れ嫁が君 吉村さよ子 春燈 201604
物置の子芋にかくれ嫁が君 升田ヤス子 六花 201604
嫁が君小鳥の声を真似てゐし 升田ヤス子 玫瑰 201604
母逝きてより顔見せぬ嫁が君 山内碧 201606
嫁が君とて存在のあらばこそ 稲畑汀子 ホトトギス 201701
かけ抜けしあれは銀座の嫁が君 稲畑汀子 ホトトギス 201701
築年を見透かしてをり嫁が君 相良牧人 201704
嫁が君にも愚痴を言ふ漢かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
天井の裏杜会なる嫁が君 山田六甲 六花 201801
敷島の美しき言の葉嫁が君 植村蘇星 京鹿子 201801
嫁が君独りの宿をおびやかす 川崎雅子 春燈 201804
不問とす猫の捕へし嫁が君 木村傘休 春燈 201804
銀座露地もっさりとした嫁が君 篠田純子 あを 201804
嫁の来ぬ農家の土間を嫁が君 大久保白村 ホトトギス 201806
嫁が君ゐるにまかせて書屋かな 石川桂郎 風土 201901
人生の旅に加はる嫁が君 熊川暁子 201904
嫁が君一茶をかじる風流人 伊吹之博 京鹿子 201904
嫁が君いま屋根裏の侘住ひ 亀井福恵 京鹿子 201905
敷居ある家こそよけれ嫁が君 原友子 201906
嫁が君にも輝きのありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
原点に戻つてみやう嫁が君 .藤原明美 202004
茅葺きの家に住みけり嫁が君 田中美恵子 202004
この年の干支嫁が君飾り窓 大山夏子 202006
ぶつかつてまたぶつかつて嫁が君 木暮陶句郎 ホトトギス 202006
去ぬ干支の逃げ足速き嫁が君 高野昌代 202103
一人居の母を労ひ嫁が君 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
嫁が君猫の視線の外に居り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202201
かにかくに住み難き世ぞ嫁が君 本田豊明 202203
神棚のうぬぼれ鏡嫁が君 小泉三枝 春燈 202204
嫁が君臆病風に吹かれけり 久米憲子 春燈 202204
嫁が君尾の躓きに琴鳴れり 住田千代子 六花 202204
寝静まる頃より宴嫁が君 山田佳乃 ホトトギス 202206
百年の土間が栖や嫁が君 三井所美智子 202208
神棚に榊あをあを嫁が君 原友子 202210
 

 

2023年1月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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