四 日       136句

餅網も焦げて四日となりにけり    石塚友二

作品
作者
掲載誌
掲載年月
カーナビの四日の川は青々と 児玉硝子 ヒッポ千番地 199905
剃刀をすべる一滴四日かな 大倉郁子 ヒッポ千番地 199906
身に肉にもどるもの音四日かな 小形さとる 200004
歯車の廻り出したる四日かな 西山胡鬼 京鹿子 200004
四日の男ぎゅっとつめこむカバン 赤坂恒子 船団 200009
街の雪汚れえぶりの四日過ぐ 野沢しの武 風土 200103
四日はや往診中の札下がる 三代川次郎 俳句通信 200103
ストーブの上で餅焼く早や四日 保坂加津夫 いろり 200104
太秦の牛を見てをる四日かな 谷口佳世子 200104
アネモネの一つが開く四日かな 須山つとむ 船団 200105
西からの風に乾かす四日かな 星野早苗 船団 200107
四日はや突樫貧になつてゐる 石山正子 銀化 200203
早や四日小さき野心温めをり 保坂加津夫 いろり 200203
通勤の靴音高し四日かな 保坂加津夫 いろり 200203
付添ひを兄と替はりし四日かな 高尾豊子 火星 200204
通ひ禰宜門鎖して去ぬ四日かな 岸本久栄 雨月 200204
四日はや夫の碁敵来て候 足立典子 雨月 200204
眉をひくのみの化粧も四日かな 足立典子 雨月 200204
四日はや図書館に来る小学生 勝野薫 ぐろっけ 200204
四日かな妻の薬の切れかかる 市川伊團次 六花 200207
漫筆の余白を埋む四日はや 宇都宮滴水 京鹿子 200302
何となくテレビをつけて四日かな 中坂和子 帆船 200303
四日はや指紋まみれの空である 若林由子 銀化 200303
図書館に日差しあふるる四日かな 中薗道子 遠嶺 200304
拭き上げし藍の大皿四日かな 徳永真弓 百鳥 200304
番地書き忘れし賀状四日かな 鳴海清美 六花 200305
蝶遊ぶ四日に着きし宮古島 松崎鉄之介 200403
独身寮すべて灯れる四日かな 野澤泰子 対岸 200403
生湯葉を京のうどんの四日かな 大山利雄 草の花 200403
四日はや黒き花輪を見て過ぐる 淵脇護 河鹿 200404
板塀に四日の朝の水蒸気 内山けい子 200404
暖たかき一月四日通院日 松本十三女 帆船 200503
厨房の軋みに油差す四日 土肥屯蕪里 雲の峰 200503
気疲れに帰宅早める四日かな 岩田敏子 雲の峰 200503
四日はや信濃鹿教湯の湯の宿へ 北島孝 雲の峰 200503
ぼんやりとホットコーヒー四日かな 安部里子 あを 200503
味喀汁の具のたつぷりと四日かな 伊藤以玖子 対岸 200504
平家琵琶をのこ声上ぐ四日かな 河合佳代子 六花 200504
鏘然と四日のピアノ目覚めたり 林翔 200506
酢の利きしものへ箸ゆく四日かな 田所節子 涼しき嵩 200511
寿福寺に俥屋のゐる四日かな 落合絹代 風土 200604
物干竿の氷滴かたし四日かな 平野きぬ子 八千草 200607
俎板に包丁当つ音四日朝 足利徹 ぐろっけ 200703
夫と犬ならび昼寝の四日かな 伊勢きみこ 火星 200704
朝より飯のかがやく四日かな 若井新一 200705
ネクタイを結びつつゆく四日かな 吉村摂護 200706
寝ころんで四日目の書を読みふける 山田六甲 六花 200801
講堂の床に塵なき四日かな 杉本薬王子 風土 200804
珈琲付き散歩にさそふ四日かな 杉浦典子 火星 200804
四日早窯に火入れのガラス工 峯高子 万象 200804
リハビリのスリッパたちの四日かな 小形さとる 200804
パンの耳届く四日の動物園 中田みなみ 200804
飛火野に四日のホルン鳴りにけり 城孝子 飛火野 200808
瑠璃色の鳥きて鳴ける四日かな 山田六甲 六花 200901
ひとごとのやうな卒寿の四日かな 鈴木とおる 風土 200903
大事かな四日遅れの初詣 高木智 京鹿子 200903
なにもかも頬杖で受け四日過ぐ 松本峰春 春燈 200904
長弟も次弟も一人来る四日 中下澄江 200904
四日はやがらがらぽんと外れ玉 原田達夫 200904
緋袴と礼して四日暮れにけり 丸山照子 火星 200904
リハビリも心新たに四日かな 森山のりこ あを 201002
カレーパンよく売れてゐる四日かな 代田青鳥 風土 201003
気まま心顔を出したる四日かな 黒澤登美枝 201003
保育園に子の声戻る四日かな 石川元子 酸漿 201003
はうろくに胡麻の弾ける四日かな 大貫美智子 万象 201004
風ゆるき四日の町をあるきけり 藤井美晴 やぶれ傘 201006
夫の靴子の靴そろへ四日かな 高橋秋子 201011
四日より烏賊塩辛を食べ始む 田中貞雄 ろんど 201101
日の光あふるる車窓四日はや 森理和 あを 201103
四日はや九十二歳の誕生日 鈴木とおる 風土 201104
紋付きの衣桁に垂るる四日かな 及川澄江 風土 201104
姿見にネクタイ正す四日かな 竹生田勝次 風土 201104
神の火の灰掃き寄する四日かな 杉浦典子 火星 201104
さて四日2B鉛筆削らうか 田岡千章 201105
夜の雲流れてゐたる四日かな 國保八江 やぶれ傘 201105
ゆつくりとコーヒー淹れて四日かな 大山妙子 酸漿 201105
絞り器の螺旋にレモン押す四日 千田百里 201203
四日はやファスナー布を噛みにけり 宮内とし子 201203
四日はや紋甲烏賊の胴叩き 山本耀子 火星 201203
四日はや転んで歯折る難の日ぞ 小林清之介 風土 201203
浮ぶものなくて四日の神田川 中野陽路 末黒野句集 201203
旧友慈父母微笑み温し四日なる 椿和枝 201204
小吉のまさに身に添ふ四日かな 来海雅子 201204
挽き立ての朝の珈琲早四日 森清信子 末黒野 201204
独活小屋に人の気配の四日かな 大山文子 火星 201204
目を凝らす竜座流星四日かな 山田夏子 雨月 201204
卵かけ御飯恋しき四日かな 和気永子 万象選集 201205
四日はや卒寿は刻に追はれゐる 大橋敦子 雨月 201302
四日はや訪ふ客もなし一人酒 森谷達三 春燈 201303
書きおきのペンとどこほる四日かな 大橋敦子 雨月 201303
をさな児の鯉を見てゐる四日かな 大島英昭 やぶれ傘 201303
ひつそりと友の忌迎ふ四日なれ 椿和枝 201304
たつぷりとパンにジャム塗る四日かな 外山節子 末黒野 201304
飯粒をほほに幸先佳き四日 山田六甲 六花 201501
四日はや豆腐屋は湯気噴出せり 田中佐知子 風土 201504
食卓にインドカレーの四日かな 柳橋繁子 201504
四日はやふたり普段の箸の色 田岡千章 201505
物置の農具取り出す四日かな 仁平則子 201603
柔道着にて飛ばす自転車四日かな 松山三千江 春燈 201604
水絆創膏沁むる指先四日かな 豊谷ゆき江 春燈 201604
鬼の棲む岩屋に灯四日かな 前田美恵子 201604
片づけの氏子がひとり四日かな 栗原京子 201605
天声人語に逢ふ麻沙子師の四日の句 密門令子 雨月 201605
四日はや君と貼りあふサロンパス 平川陽三 船団 201612
評判のパン屋をのぞく四日かな 長谷川翠 馬醉木 201703
四日はや急降下する心意気 安居正浩 201703
食卓に二人向き合ふ四日かな 下田村園子 201704
水神の歯朶のちぢれも四日かな 雨村敏子 201704
人待ち顔のターザンロープ四日かな 荒井慈 春燈 201704
座禅堂にひびく警策四日早 菅野日出子 末黒野 201704
夕月に星ひとつ添ふ四日かな 金森教子 雨月 201704
朝食のパンの焦色四日かな 片桐紀美子 風土 201801
茶柱の立つや四日の朝の膳 松本三千夫 末黒野 201803
一人づつ帰つてゆきし四日かな 曽根富久恵 201806
四日はや仏師のはじく鑿の屑 くどうひろこ 201903
雲ひとつ浮かべて四日晴れにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201903
四日はや路地に吹かるるレジ袋 秋山信行 やぶれ傘 201903
ご所望のタコ買いに行く四日かな 笹村ルル 201903
息をつく小さき手の跡四日かな 石森理和 あを 201903
四日はや唸り出したる耕耘機 渡辺やや 風土 201904
俤のアラン・ドロンと四日かな 中島陽華 201905
あれこれと元に戻して四日かな 原友子 201906
軽々と身の動き初む四日かな 岩井京子 201907
四日はやロシア映画とピロシキと 大槻春美 202003
漁りの舟の出てゆく四日かな 増成栗人 202003
普段着にもどれる巫女の四日かな 谷陽右 馬醉木 202004
玉子かけご飯四日の静かなる 中田みなみ 202105
酸き莱漬け腹に掻込む四日かな 農野憲一郎 春燈 202201
ひとときの嵐も去りし四日かな 中内敏夫 202203
懐かしきカレーの匂ふ四日かな 佐渡谷秀一 春燈 202204
風干しの鰈あぶりて四日かな 栗坪和子 202204
四日はやリハビリ行きの迎へ来て 菅野日出子 末黒野 202204
茹で玉子つるんと剥ける四日かな 西村白杼 京鹿子 202204
客蒲団干すや四日の日の光 升田ヤス子 六花 202204
浮ぶものなくて四日の神田川 中野陽路 薫風 202205
四日かな抱かれぬ猫とゐる日向 あさなが捷 202208

 

2023年1月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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