弥 生    163句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
不定愁訴のごとき津軽の弥生空 かとうゆき 銀化 199905  
書割のやうな月出す弥生かな 深津鱶 火星 199906  
業平の歌碑や弥生の芦屋川 吉岡久江 火星 199906  
小生は砂歩きをる弥生かな 山田六甲 六花 200003  
巻貝の砂捻り出す弥生かな 山田六甲 六花 200003  
橋一つ越えて弥生の村に入る 朝妻力 俳句通信 200004  
忌日あり佳日もありて弥生なる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004  
弥生はや来たりなば旅考える 熊谷みどり いろり 200005  
ひたひたのにごり酒なる弥生かな 桑垣信子 いろり 200005  
定休の札かけしまま弥生来る 西塚成代 六花 200006  
涼しさや弥生遺跡の家に立ち 藤本艶野 俳句通信 200008  
雨ありて弥生の山に谷のこゑ 小澤克己 遠嶺 200103  
弥生遺臥土壙墓に草萌ゆる 中川濱子 ぐろっけ 200104  
おうおうと声高まりし弥生の木 吉弘恭子 あを 200105  
熱き瞳の気配流れて弥生に向く 金子皆子 海程 200105  
夜は風の弥生の星のかがやかに 宮津昭彦 200105  
をうをうと声高まりし弥生の木 吉弘恭子 あを 200105  
弥生なほ霧氷まばゆき峠越 及川澄 馬酔木 200106  
海鳴りを恋うて弥生の天城越え 高畑信子 遠嶺 200106  
橋脚のゆらぎて海の弥生かな 渡部ひとみ 船団 200107  
樽鏡割って祝ひし弥生かな 桑垣信子 いろり 200107  
象の鼻たかだかとあり弥生かな 保坂加津夫 いろり 200107  
下枝をよぎる鳥影弥生かな 西川よし子 春耕 200107  
岩屋寺の空の眩しき弥生かな 板倉勉 六花 200204  
足速やに弥生過ぎをり身のほとり 新井英子 馬醉木 200205  
看護手厚し弥生の真夜の再入院 松本米子 あを 200205  
弥生なり折鶴入れし義兄の棺 新井英子 馬醉木 200205  
花びらのこぼれて湯舟弥生かな 鎌倉喜久恵 あを 200205  
♭に変調したる弥生かな 瀬川公馨 200206  
綾取りの色数多ある弥生かな 長谷川守可 百鳥 200206  
師の句碑の光背のごと弥生富士 川村紫陽 200207  
なつかしき空の潤ひ弥生来る 稲岡長 ホトトギス 200208  
掬ひたる弥生の水のうすみどり 高橋さえ子 200208  
弥生はや別れを恨む鳥樹かな 小澤克己 遠嶺 200305  
かな用の小筆買ひたき弥生かな 尾上直子 200306  
弥生満月はやくお帰り屋根雀 塩貝朱千 京鹿子 200307  
衣食住足りて五十路の弥生かな 小林朱夏 200307  
東慶寺に弥生子の墓の涼しかり 池田加代子 風土 200308  
弥生拾ひて大王松の松毬を 岡井省二 省二全句集 200312  
じんべい鮫の流し目を見る弥生かな 内田裕夫 200312  
弥生くる辛抱強く弟子待てば 山田六甲 六花 200404  
雨も又落ちつく出先とて弥生 稲畑汀子 ホトトギス 200404  
旅心句心弾け弥生かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200404  
弥生雲なにをそんなに急きなさる 須佐薫子 帆船 200405  
鼠木戸くぐり弥生の芝居小屋 水原春郎 馬醉木 200406  
弥生なほかたくなの風頬打てり 村田葉子 草の花 200406  
友の愚痴聞いて許せる弥生かな 村尾キヌ 帆船 200406  
二の矢また的にひびきて弥生かな 長田等 200406  
縁に出て日暮れうべなふ弥生かな 片山由美子 200407  
買ひかへし辞書の赤帯弥生かな 九万田一海 河鹿 200407  
銅鐸に弥生なかばの絵の日傘 林日圓 京鹿子 200411  
見知らぬ子近所に増えて弥生かな 高木武人 百鳥 200506  
飲み代も霊水もある弥生かな 大高芭瑠子 炎夏 200507  
皿洗ふ手付きも慣れし弥生かな 馬場龍雨 200507  
弟焼く空は弥生のうす桜 坂元フミ子 河鹿 200507  
ベネディクト十六世に沸く弥生 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604  
ゆらゆらと弥生の空でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604  
親指を隠せば拳弥生来る 掛井広通 200605  
忌二つ修し弥生の過ぎにけり 吉田政江 200605  
弥生かなやつと花々咲く暦 真木早苗 八千草 200609  
プランター咲かせ弥生の駐在所 武井良平 ホトトギス 200609  
過去帳の日付に弥生多かりき 品川鈴子 ぐろっけ 200703  
いつまでも弥生の陽気ととのはず 稲畑汀子 ホトトギス 200704  
琴引きの松の奏づる弥生かな 成田なな女 春燈 200705  
和やかに村の総会弥生かな 渡辺安酔 200705  
外出の印の多き弥生月 屋野道子 遠嶺 200706  
東京に初雪降らす弥生かな 飯田泰子 八千草 200709  
自転車に弥生の空気入れにけり 成宮紀代子 200804  
味噌樽の味噌を小出しにして弥生 大畑善昭 200805  
閨に射す弥生満月翳りなし 駒井のぶ 200806  
弥生馬場少女ポニーでVサイン 勝野薫 ぐろっけ 200806  
弥生とは濃やかな月墨を磨る 水野恒彦 200806  
み吉野の宿は弥生の灯を点す 岩垣子鹿 ホトトギス 200808  
人逝きて城残りたる弥生かな 佐土井智津子 ホトトギス 200809  
空の旅弥生の富士は雲がくれ 稲畑汀子 ホトトギス 200904  
とび込んで来し計弥生の四日かな 稲畑汀子 ホトトギス 200904  
すぐ変る弥生の空に心して 稲畑汀子 ホトトギス 200904  
降り出して弥生の雨の朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 200904  
弥生明るし欄干のなき八橋も 千田百里 200905  
オリオンも早やうるみたる弥生かな 吉田順子 200905  
句碑一基加ふ弥生の吉野山 山田弘子 ホトトギス 200909  
届きたる長寿健保の弥生かな 四條進 201005  
飼はれゐし鶴が弥生の空仰ぐ 上田明子 雨月 201006  
弥生満月見に出でそぞろ歩かな 中島伊智子 酸漿 201007  
悲しみの弥生の空に現れしもの 稲畑汀子 ホトトギス 201104  
悼みつつ旅の一人を消す弥生 稲畑汀子 ホトトギス 201104  
ときに季の躓く事も弥生かな 金森信子 雨月 201105  
翔けて見む弥生の地震の娘の安否 山崎里美 201105  
地震津波放射線まで弥生寒 大坪景章 万象 201106  
原発の事故に避難の弥生なり 佐藤健伍 201107  
弥生行く地震の傷跡引き摺つて 城詰操 万象 201107  
み吉野の弥生の旅のはや帰路に 稻畑汀子 ホトトギス 201204  
峡の空弥生の月をかかげたる 稻畑汀子 ホトトギス 201204  
母の手の温みの弥生握り飯 中山純子 万象 201205  
三門へ弥生の雲の知足たり 鈴鹿仁 京鹿子 201205  
藍瓶の藍の目に染む弥生かな 直井たつろ 風土 201206  
一管の笛に弥生の息満たす 鷹崎由未子 春燈 201206  
本堂に弥生やはらぐコカリナ奏 岡山敦子 京鹿子 201207  
雪洞の燈る弥生の夜の木立 清水量子 201208  
岸に寄る波美しき弥生かな 高倉和子 201304  
弥生狂言人気役者に立見席 荒井書子 馬醉木 201304  
かく荒るる弥生の空と思ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201304  
大望の若人巣立つ弥生かな 辻香秀 201305  
句碑建つや弥生湖国のまんなかに 豊田都峰 京鹿子 201306

松本鷹根

句碑建立

酒蔵に舞妓と出合ふ弥生かな 戸栗末廣 火星 201306  
仲間また増ゆる弥生となりにけり 西岡啓子 春燈 201307  
甦る弥生期ロマン秋暑し 大島みよし 201311  
寒暖のなほととのはぬ弥生かな 稲畑汀子 ホトトギス 201404  
暦神の方位の開く弥生月 鈴鹿仁 京鹿子 201405 大将軍八神社
なにやかや薫りに薫る弥生かな 田尻勝子 六花 201406  
折鶴や弥生の海にたゆたへり 亀井紀子 201406  
校庭の子らに弥生の山近づく 生田作 風土 201406  
海弥生畏みて待つ日の出かな 布川孝子 京鹿子 201407  
日較差はげしき今日は弥生かな 吉弘恭子 あを 201407  
増税の騒めきまとひ弥生果つ 布川孝子 京鹿子 201408  
綿雲に綿雲乗りて弥生来る 田邊豊子 201408  
少年の寝息のリズム弥生来る 高野春子 京鹿子 201506  
とんとんと叩くなめろう安房弥生 小島昭夫 春燈 201506  
佇めば弥生遺跡に五月風 延川五十昭 六花 201508  
頂上はいいな弥生の昼の月 中原幸子 船団 201512  
みよし野の旅のはじまる弥生かな 稲畑汀子 ホトトギス 201604  
書きすすむ弥生の庭の物語 稲畑汀子 ホトトギス 201604  
弥生能には行けずをり畦の鷺 伊藤白潮 201604  
富士見ゆる高階風は弥生なり 荒木澤子 201605  
舟灯台先のしぐるる弥生かな 間島あきら 風土 201605  
弥生なり良寛さまのいろは歌 瀬川公馨 201606  
伐り過ぎし枝の調ふ弥生かな 宮井知英 201606  
四季の国とりわけ華の弥生かな 松浦哲夫 末黒野 201607  
菜洗ひもいつしか楽に弥生来る 布川孝子 京鹿子 201607  
古新聞の時間括りて弥生尽 小川流子 201608  
蛙鳴く遠祖は弥生時代から 杉本薬王子 風土 201609  
病む人を見舞ひ得しこと弥生かな 稲畑汀子 ホトトギス 201704  
少し荷を軽く弥生の旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201704  
去る人来る人スクランブルの弥生かな 千田百里 201705  
陵に詣でて弥生月果つる 安部和子 雨月 201706  
厨房に立つ日の戻る弥生かな 加藤タミ 末黒野 201706  
藁屋根の雨滴明るし弥生尽 松井志津子 201706  
わたつみに銀の針降る弥生かな 本多俊子 201706  
弥生三月桐の柾目の下駄履いて 中島陽華 201707  
弥生の日差し込んでゐる天袋 上辻蒼人 風土 201706  
氷上の華の引退弥生尽 甕秀麿 201707  
病む友へ祈りの深し弥生尽 稲畑汀子 ホトトギス 201803  
弥生坂くだれば池に鴨群れて 大崎紀夫 やぶれ傘 201803  
入れ替る人事弥生の心もて 稲畑汀子 ホトトギス 201804  
昨夜鯉を料り弥生の猛虎かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804  
傘松に弥生の雫しとしとと 松本鷹根 京鹿子 201805  
雨あとの黒土ふはと弥生かな 柴崎英子 201805  
しづしづと弥生の空へ観覧車 菊地光子 201805  
大嵐弥生の町を掻き回す 田村すゝむ 風土 201805  
食卓を拭けばきゆつきゆと鳴る弥生 渡邊孝彦 やぶれ傘 201805  
余呉百戸弥生の月を得て模糊と 南光翠峰 馬醉木 201807  
煙雨なか漁る舟あり弥生尽 南光翠峰 馬醉木 201807  
旅立ちや歌は弥生の風に乗り 小笠原妙子 201902  
縄文も弥生も遠し年つまる 倉橋あつ子 京鹿子 201904  
学僧も弥生の花舗に膝折りぬ 河前隆三 馬醉木 201905  
弥生三月机ひとつが吾の城 針谷忠郎 201905  
おこしやす声の艶めく弥生かな 前田美恵子 201905  
早春の丘にふたりや弥生土器 庄司久美子 201905  
玻璃いちまい弥生の空と海一枚 安田優歌 京鹿子 201906  
稚魚つれて藻の遡る弥生かな 森藤千鶴 馬醉木 201907  
弥生いやおいやマクドナルドは初体験 篠田純子 201907  
安土城址弥生の杜のさはがしく 林未生 201910  

 

2020年4月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。