柳散る     110句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
劉備玄徳着きし河原の柳散る 松崎鉄之介 199901
青鷺のうしろ柳の散りしきる 梅原悠紀子 遠嶺 199904
水に散る柳一筋引く流れ 稲畑汀子 ホトトギス 199911
今生のけふは帰らず柳散る 八木愁一郎 ぐろっけ 200001
行場への一の渡しや柳散る 阿波谷和子 俳句通信 200002
柳散り了へても水を擦る一枝 甲州千草 200011
釣宿の褪せし幟に柳散る 阿久津都子 春耕 200201
柳散る本籍地とはよるべなき 森茉明 京鹿子 200202
柳散る湖族の郷の文学碑 赤井よしを 円虹 200203
柳散る飾りの多き箱寝台 高松由利子 火星 200302
静もれる道灌濠や散る柳 清水和子 酸漿 200302
新羅王永眠中や柳散る 和田照海 京鹿子 200302
芭蕉堂に土芳の墓碑に柳散る 岡淑子 雨月 200302
風見せて騒立つ水面柳散る 稲畑汀子 ホトトギス 200311
柳散り猫の眠れる飾窓 竹腰千恵子 200311
喪の済みし月の繊さや柳散る 斎藤節子 馬醉木 200312
あふれる湯の山頭火句碑柳散る 松崎鉄之介 200312
啄木の哀愁曳きて柳散る 片田千鶴 馬醉木 200401
柳散る神に寄進の烏骨鶏 神蔵器 風土 200401
釣船に夕日かがやき柳散る 矢嶋みつ江 遠嶺 200402
柳散る寝園といふ私小説 井上信子 200412
秀次の世の掘割へ柳散る 中村章乃 雨月 200501
葬送のトランペツトや柳散る 佐藤洋子 帆船 200502
夕照の柳散りこむ金鱗湖 長谷川史郊 馬醉木 200502
上京のたびどことなく散る柳 稲畑汀子 ホトトギス 200511
誘ふかに灯ともるころを柳散る 豊田都峰 京鹿子 200601
柳散る一葉ひと葉と数へつつ 八木柊一郎 ぐろっけ 200601
柳散る橋の灯遠くともるころ 豊田都峰 京鹿子 200601
柳散る鏡花旧居の坂の路 松村越子 馬醉木 200602
かそけさの音を曳きつつ柳散る 山田天 雨月 200612
百日をまじめ一と筋柳散る 丸山佳子 京鹿子 200612
回廊は明治の暗さ柳散る 片山由美子 200702
柳散る西に大きな訃報かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200711
柳散る路上ひさぐ光りもの 和田照海 京鹿子 200802
柳散る杜の角の角の狐神 木内美保子 六花 200802
柳散る茶屋の床几は川に向き 中山三渓 200802
散り柳魚形となり水に乗る 栗栖八重子 ぐろっけ 200808
散ることを忘れしもあり枯柳 稲畑汀子 ホトトギス 200812
愛憎の消えゆき日々や柳散る 藤岡紫水 京鹿子 200901
空深く十石舟に柳散る 近藤きくえ 200902
水都てふ浪速の雅柳散る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
釣人はそ知らぬ顔や柳散る 水野加代 万象 200912
柳散る風やはらかき渡し跡 乙坂きみ子 末黒野 200912
柳散る水の流れを従へて ことり 六花 200912
柳散る記憶の道を曲りけり 望月晴美 200912
柳散る天領の町ひと日旅 小澤菜美 201001
水郷に上り下りや柳散る 岩木茂 風土 201002
モネ愛でし庭の木椅子に柳散る 武田薫子 201005
柳散る平家の魂を鎮めつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
柳散る昔濠今繁華街 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
柳散る銀座八丁目に稲荷 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
虚子の世を偲べる山廬柳散る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
柳散る柳並木も絹の国 代田青鳥 風土 201012
湖のここより運河柳散る 小澤菜美 201101
柳散る花街走る人力車 豊谷青峰 春燈 201101
柳散る岸辺に三つ常夜灯 岡和絵 火星 201102
柳散るはせを泊りし宿の跡 尾崎みつ子 雨月 201102
柳散り佐原に多き江戸の蔵 小川玉泉 末黒野 201102
散りそめし遊行柳に水ひびき 小林洋子 万象 201104
わぎもこのきぬかけ柳まづ散りそむ 豊田都峰 京鹿子 201107
橋上に立つ雲水や柳散る 福本すみ子 201111
廻廊に辿る栄華や柳散る コ田千鶴子 馬醉木 201112
水郷や小江戸にかなふ柳散る 石田きよし 201201
唐橋の歴史の由来柳散る 井口淳子 201202
柳散る一葉一葉の水輪かな 須賀充子 パミール越え 201206
柳散るための風ある一日かな 稲畑汀子 ホトトギス 201211
風触れて羽衣柳散らしけり 山本麓潮 万象 201212
こだはりはひとつづつ捨て柳散る 石川かおり 201301
落葉掃く僧につぎつぎ散る柳 橋本修平 かさね 201301
柳散る辻交番に砂バケツ 鳳蛮華 201304
柳散る時遡る夢二の絵 渡邊泰子 春燈 201401
散りて直ぐ流れに馴染みたる柳 住田千代子 六花 201401
柳散る舳に犬の坐りをり 青木由芙 末黒野 201402
こだはりをひとつづつ捨て柳散る 石川かおり 福袋 201404
妻と乗る十石舟に柳散る 難波篤直 201404
川柳ところどころに散り込める 山田六甲 六花 201411
どの店も橋を入口柳散る 山田六甲 六花 201411
この先は五条大橋柳散る 山田六甲 六花 201411
散る柳巻き上げ人力車の通る 山田六甲 六花 201411
柳散る鏡花ゆかりの廓の灯 不破幸夫 馬醉木 201501
舟運の絶えし小江戸や柳散る 小川玉泉 末黒野 201501
廃船に闇寄りやすく柳散る 松田泰子 末黒野 201501
ビオトープ目立たぬやうに柳散る 市川伊團次 六花 201502
子の声の風に散らばり柳の芽 黒滝志麻子 末黒野 201506
散る柳どかと居座る力石 森岡恵子 万象 201602
柳散る夜の銀座も遠くなり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
武蔵風土記掲ぐ社や柳散る 堀田こう 雨月 201701
ラーメンをすする川端柳散る 藤井美晴 やぶれ傘 201701
こつと発つ宮の白鳩柳散る 森清堯 末黒野 201702
柳散る間口二間の骨董屋 有賀鈴乃 末黒野 201703
舟溜柳散り込む水の面 高木邦雄 末黒野 201704
筆塚の彫りの深さよ柳散る 近藤暁代 馬醉木 201712
柳散る木場の堀辺の明るさに 鈴木良戈 201801
柳散る川石敷きし水の町 松原智津子 万象 201801
柳散る川面に滲む湯宿の灯 福田禎子 末黒野 201803
柳散るむかしありけり水の上に 宮崎洋 春燈 201803
柳散るむかし戸板は人を運び 池田澄子 201805
対岸の柳散らしてゆく日差 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
柳散る護岸工事のダンプカー 萩原渓人 やぶれ傘 201902
柳散る野暮用ばかり又ふゆる 溝越教子 春燈 201912
散る柳舟より長き水馴れ棹 伊藤ふみ 馬醉木 202002
柳散る銀座の角で行き逢へり 綱徳女 春燈 202102
柳散る銀座そろそろ灯る頃 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
青年の漕ぐ渡し舟柳散る 中村紀美子 春燈 202201
橋に凭る客待ちの水夫柳散る 森清信子 末黒野 202201
楊貴妃の浴場跡に柳散る 長谷川はまゆう 末黒野 202201
柳散る閼伽桶棚に古束子 瀬島洒望 やぶれ傘 202201
柳散るひとり遊びのけんけんぱ 小池かつえ 京鹿子 202209
柳散る鞠の懸りを掃くほどに 升田ヤス子 六花 202301
柳散る鯉はとろばで水脈を引き 萩原渓人 やぶれ傘 202302

 

2023年10月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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