守宮(やもり・壁虎・家守)  170句

去年のまま暗く逆立ち守宮をる    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書・その他
硝子戸に守宮の動く花梯梧
皆川盤水
春耕
199805
 
流鏑島むかしの闇に守宮鳴く
木下ふみ子
馬醉木
199809
守宮来て恋に落ちたる女見る
浪花洋子
火星
199908
風嘗めて守宮ひとこまづつ動く
山田六甲
六花
199909
磨り硝子透けて守宮の白き腹
細野恵久
ぐろっけ
199909
寝返れば夫の顔あり守宮をり
大東由美子
火星
199910
守宮出し島の旅籠の古鏡
皆川盤水
春耕
200008
夜は夜の玻璃に守宮の真逆さま
窪田佳津子
雨月
200009
小さき地震守宮の出でし夜のこと
星加克己
ぐろっけ
200009
しばらくは紋章のごと扉の守宮
谷和子
200011
世継ぎなき邸の守宮灯を慕ふ
品川鈴子
船出
200104
灯らざる誓子の窓を守宮這ふ
品川鈴子
船出
200104
子の刻とまかりいでたる守宮かな
朝妻力
俳句通信
200107
守宮出て吉と染めぬく藍のれん
朝妻力
俳句通信
200107
逆しまのままに夜明けて守宮かな
鷹羽狩行
200108
今宵より子連れとなりし守宮かな
北吉裕子
俳句通信
200109
一つ家の守宮なれども反目す
森麟
銀化
200109
前の世は甲賀か伊賀か守宮汝は
山本涼
銀化
200109
箒持つ老婆と守宮対峙せり
岡田芳子
ぐろっけ
200110
危倶ひとつノブを離かぬ守宮の目
木山杏理
京鹿子
200111
塵取をとれば守宮のそそくさと
恒成久美子
ぐろっけ
200201
目の前に落ちて来しもの守宮かな
稲畑汀子
ホトトギス
200206
守宮去れ施錠の早き一人の夜
山中宏子
200208
外灯の守宮に騒ぐ塾帰り
大柳篤子
雲の峰
200208
守宮らの覗きに来たる隠居部屋
波田美智子
をりをりに
200208
守宮の子追ひ出す朝のふたりかな
波田美智子
をりをりに
200208
よき人と居る灯に来たる守宮の子
吉田島江
火星
200209
あの夜の雨思ひ出す守宮かな
岡田万寿美
雲の峰
200209
守宮の子逃がすにみんな異存なし
山田弘子
円虹
200211
昼に出て利休色なる守宮かな
飯塚ゑ子
火星
200211
守宮なら怖くないとはいひながら
稲畑汀子
ホトトギス
200308
イヨッ守宮ヤアご主人か玻璃戸越し
延広禎一
200310
セコムする決断つかず守宮飼ふ
磯崎清
200311
天井に守宮影繪の始まれり
中田みなみ
200312
縞柄の壁虎壁畫の佛這ふ
佐藤喜孝
あを
200406
守宮鳴く欅柱の奥座敷
石渡雁聲
築港
200408
金星や守宮の腹の動きをる
谷口佳世子
200409
一人住む梁に守宮の鳴きにけり
渡辺方子
万象
200409
玻璃越しの守宮を指で弾きをり
宇利和代
京鹿子
200409
掌につめたき守宮野分来る
松波幹治
万象
200412
ふるさと館これも史料か這ふ守宮
山元志津香
八千草
200412
素足で来るタトゥーは守宮ヤングママ
野村智恵子
八千草
200501
寝つかれず家守を追いぬ月の窓
平野きぬ子
八千草
200501
守宮鳴く丹波太郎の出づる頃
須佐薫子
帆船
200505
じいつとする守宮が先に我捕らふ
森理和
あを
200506
天窓に昨日の守宮雨上り
助口弘子
火星
200508
戴きしチャイナドレスや守宮鳴く
片山タケ子
200508
雨戸繰る腕に守宮の落ちてきし
苑実耶
200511
戸を繰るやころげ落ちたる守宮の子
原口洋子
栴檀
200511
井守家守きみを守ると言はれても
河西志帆
京鹿子
200511
守宮這ふ好みの窓のあるらしく
稲畑汀子
ホトトギス
200606
壁動く如くに守宮這ひ出せり
稲畑汀子
ホトトギス
200606
天井といふ極楽に守宮這ふ
稲畑汀子
ホトトギス
200606
守宮眩し新築の家に早も来て
田中俊子
四葩
200608
一人居の夜は守宮の身内めく
笠井敦子
200609
更け更けていよよ守宮の座興かな
瀬川公馨
200611
門灯の笠に守宮の身じろがず
松本文一郎
六花
200701
爺訪へば守宮総出で迎へけり
堀内五齢
春燈
200708
いくたびも覚めて故郷の夜の守宮
橋本榮治
馬醉木
200708
ガムランの響く玻璃戸の守宮かな
川口襄
遠嶺
200709
月の出や守宮は我に指ひらき
柴田佐知子
200710
首振つて顔這ふ蟻を守宮拒否
森理和
あを
200710
守宮にも名前の付いて夜の秋
安武晨子
200712
壁にいま夜の魔ひそめるやもりかな
久保田万太郎
春燈
200805
『冬三日月』
守宮来る玻璃をきれいに磨きけり
小澤克己
遠嶺
200807
表札の一字かくせる守宮かな
塩路五郎
200809
壁よりも壁の色して守宮寝ぬ
七種年男
200809
灯火に凝る守宮やももいろに
丹間美智子
炎環
200809
夢殿を離れられずにゐる守宮
高橋将夫
200809
玻璃伝ふ氏も素姓もなき守宮
川口襄
遠嶺
200810
脱衣籠のぞかば秋の守宮をり
ことり
六花
200810
夜の餐に寄り来る守宮放ちけり
塩路隆子
200811
不寝番の守宮にゆだねひと夜旅
伊藤洋子
200811
守宮見て必ず思ふ蠑螈かな
高橋将夫
200908
守宮の子三日三晩を同居せり
江本路代
酸漿
200908
隠れ家は額の裏なり守宮鳴く
辻泰子
春燈
200909
雨催守宮の訪へる家の壁
島崎勇作
酸漿
200909
郷愁の端にちょこんと守宮かな
山中宏子
200910
ももいろの守宮の腹のつめたかり
杉浦典子
火星
200910
八十路かしらん守宮の皺を鑑定す
瀬川公馨
200910
日蝕は宇宙の阿吽守宮出づ
延広禎一
200911
土塀より産まれしやうに守宮来る
秋千晴
201007
もしや守宮のモールス信号では
瀬川公馨
201009
誘蛾灯ともれば守宮来てゐたり
大西八洲雄
万象
201009
ガラス戸に戻つてゐたる守宮かな
丑久保勲
やぶれ傘
201009
夜の玻璃の守宮を許し書に耽ぬ
南光翠峰
馬醉木
201011
玻璃越しの守宮は足を花のごと
南友子
201012
硝子戸に張りつく守宮地震知るや 早崎泰江 あを 201107  
守宮栖む新聞受けを塒とし 竹内悦子 201108  
気味悪き目をなほ更に守宮来る 増田一代 201109  
夜の守宮玻璃戸に腹を膨らます 大崎紀夫 やぶれ傘 201109  
なぞなぞの箱また箱や守宮の夜 小坂優美子 馬醉木 201110  
守宮とのじやんけんチョキで負け知らず 永塚尚代 ぐろっけ 201110  
玻璃越に守宮の足をくすぐる子 磯田せい子 ぐろっけ 201110  
街路灯遠まはりして守宮みむ 東秋茄子 京鹿子 201110  
守宮鳴く何ごともなき日が暮れて コ田千鶴子 花の翼 201111  
街路灯いつ動くやら守宮かな 東秋茄子 京鹿子 201112  
門灯は守宮の漁場動かざり 松本文一郎 六花 201112  
死んだふり守宮がするを見逃しぬ 中尾廣美 ぐろっけ 201201  
脅さるる忍者まがひの夜の守宮 国包澄子 201208  
守宮出て金環日蝕待ちゐたり 乗鞍三彦 春燈 201208  
今宵また守宮来る頃湯浴み刻 和田郁子 粥の味 201209  
水滴のやうに子守宮落ちにけり 柳川晋 201209  
半跏思惟弥勒の寺の守宮かな 竹中一花 201209  
わが二タ夜守宮二タ夜の息をせり 井上信子 201209  
宵の灯に守宮が腹を見せに来る 神田千枝女 雨月 201209  
夫有らぬ一部始終を守宮かな 山尾玉藻 火星 201209  
門灯に夜ごと家守のはり絵めき 小山ほ子 末黒野 201211  
この家のことは守宮が知つてゐる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306  
腹見せて窓に親しき守宮かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306  
ホトトギス主宰守宮を友として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306  
笑顔ある家には守宮よく似合ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306  
星あかりやもりの声の鳴きやまず 吉成美代子 あを 201306  
検針員守宮は追はず目で逃がす 品川鈴子 ぐろっけ 201307  
米を磨ぐ夫に守宮の出できたり 蘭定がず子 火星 201309  
白き腹灯影に照らふ守宮かな 橋本修平 かさね 201310  
身じろぎもせぬ守宮ただ見据ゑをり 橋本修平 かさね 201310  
ひとり居の寝屋に闖入大やもり 塩路隆子 201310  
戸袋に雨戸を繰れば守宮出づ 松木清川 ぐろっけ 201312  
夕食の頃あらはるる守宮かな だいじみどり 201407  
守宮白ししなやかに闇動きだす 種田果歩 201409  
捕食する守宮の足裏盤石に 寺田すず江 201409  
子を連れて夫を連れて守宮来る つじあきこ 201409  
半世紀経たる座敷へ守宮の子 小川玉泉 末黒野 201409  
湯の窓に守宮のをとこをみなかな 山田六甲 六花 201409  
湯の窓の月に手のとどきたる守宮 山田六甲 六花 201410  
やもりの子まなこ円らに逃げ上手 當間シズ 万象 201411  
乾涸びる守宮軍手でつまみけり 秋田典子 六花 201411  
明月の守宮を誘ひ出しにけり 飛高隆夫 万象 201412  
子は守宮ふやしてばかり反抗期 笹村政子 六花 201412  
夜なよなを守宮に我が家見張られて 丸尾和子 雨月 201508  
夜の守宮玻璃戸に腹を膨らます 大崎紀夫 虻の昼 201510  
夜の守宮厨の窓に日々透けて 井浦美佐子 201510  
人知ゆゑ守宮すみつく逆柱 元橋孝之 京鹿子 201510  
守宮鳴く眠れぬ夜の星遠く 水野恒彦 201511  
雨戸開けぽとりと守宮南無阿弥陀 森理和 あを 201512  
蛍草わきに守宮を葬むれり 森理和 あを 201512  
「月光」と守宮は鳴いておりまする 千坂希妙 船団 201602  
誰が開けしパンドラの箱守宮落つ 竪山道助 風土 201608  
守宮くる相続対策レクチャー中 火箱ひろ 201609  
白き腹玻璃にぴたりと守宮の子 小川玉泉 末黒野 201609  
山田家の妻は守宮を怖がらず 山田六甲 六花 201609  
守宮一等兵ほふく前進弾もなし 山田六甲 六花 201609  
はりつける守宮よお前も裸 山田六甲 六花 201609  
掌にひいやりと乗るやもりかな 山田六甲 六花 201609  
こほろぎを呑みそこねたる守宮かな 山田六甲 六花 201609  
犬かきを知つてをりたる守宮かな 山田六甲 六花 201609  
常連の守宮に残す厨の灯 笠井敦子 201611  
山の寺守宮を見つつ眠る夜 大日向幸江 あを 201611  
御僧を驚かしたる守宮かな 千原叡子 ホトトギス 201612  
守宮死ぬ名のない山を眺めた日 長沼佐智 船団 201702  
一匹の守宮神とも仏とも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705  
守宮這ふ明治の玻璃戸歪めつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705  
独り居に夜ごとの守宮親しけれ 小林愛子 万象 201710  
守宮鳴くことは問ひとも応へとも 横溝和恵 京鹿子 201711  
守宮逃げ吾も逃げたる朝の窓 青木朋子 201712  
いいことがきっと今年も守宮来る つじあきこ 船団 201802  
夜の守宮はさみし箸の震へけり 山内碧 201801  
玄関に今年も守宮現はるる 小池一司 やぶれ傘 201808  
硝子戸に守宮の手足弥勒堂 竹中一花 201809  
できる丈会ひたくもなき守宮かな 島田万紀子 馬醉木 201809  
退屈な窓の向こうに守宮来る つじあきこ 201809  
日暮には守宮来てをり仁王門 笹村政子 六花 201810  
餌を求め守宮はりつく厨窓 小川玉泉 末黒野 201810  
ビロードの想念を持つ守宮かな 原ゆき 船団 201811  
留守たのむセンサーつきの灯と守宮 田丸千種 ホトトギス 201811  
わが留守を守宮に托し旅にあり 稲畑汀子 ホトトギス 201906  
新築の壁に守宮の主顔 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906  
玻璃越しの守宮の腹の息遣ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906  
白亜紀の記憶守宮の足裏かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906  

 

2019年7月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。