山笑ふ 8       100句

機関士のままに定年山笑ふ   野崎夢放   歳時記(第三書館)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
保育の子全員泣きて山笑ふ 岩田洋子 201706
山笑ふ大道芸の猿のこゑ 江島照美 201706
山笑ふ愛国心の裏表 平野多聞 201706
削られて赤土の山笑ふなり 太田チエ子 末黒野 201707
山笑ひそめしを又も閉ざす雪 安原葉 ホトトギス 201707
今ここが般若波羅蜜山笑ふ 柳川晋 201707
ローカル線のみんな友達山笑ふ 田中美恵子 201707
天領と今に伝へて山笑ふ 門伝史会 風土 201706
十度目の住所変更山笑ふ 鈴木石花 風土 201706
太閤も昔針売り山笑ふ 竪山道助 風土 201706
山笑ふくつ下引張るちから失せ 齋藤厚子 201707
山笑ふ画鋲のあとに画鋲さし 千波悠 201706
スイッチバック遠近の山笑ふ 藤原照子 201708
速度上ぐ遅延列車や山笑ふ 安原葉 ホトトギス 201708
すぐ返る峡の木霊や山笑ふ 吉永すみれ 風土 201708
子へ残すものは墓のみ山笑ふ 押田裕見子 201707
あちこちに寺置いて山笑ひけり 柴田佐知子 201709
山笑う漱石居士は笑わない 千坂希妙 船団 201802
山笑う違う形のイヤリング 田彰子 船団 201802
山笑ひ海のかがよひ初めし日よ 稲畑汀子 ホトトギス 201803
スケジュール次々決まり山笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201803
遅るるといふ電車事故山笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201803
文章の構想決まり山笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201803
登山歴五十数年山笑ふ 山咲和雄 末黒野 201804
山笑ふ鍼灸院の北まくら 和田照海 京鹿子 201804
人の名の出ぬもどかしさ山笑ふ 黒滝志麻子 末黒野 201805
鎌倉を俯瞰の鳶や山笑ふ 持田信子 春燈 201805
山笑ふ萌黄の彩の柔らかに 湯上稔子 春燈 201805
老犬の軒高らか山笑ふ 山浦紀子 春燈 201805
リハビリの万歳出来て山笑ふ 小菅礼子 春燈 201805
山笑ふなかなか売れぬ山ひとつ 三宅文子 春燈 201805
私につられて裏の山笑ふ 森岡正作 201805
山笑ふ前に笑つてみせてやる 柳川晋 201805
唵阿毘羅吽欠蘇婆詞おんあびらうんけんそわか山笑ふ 高橋将夫 201805
強力の写真家となり山笑ふ 赤座典子 あを 201806
安達太良や千恵子の声に山笑ふ 七郎衛門吉保 あを 201806
ヤッホーをぽんと吐き出し山笑ふ おーたえつこ 201806
手をつなぐやうに連なり山笑ふ 千田百里 201806
秘仏見んとて人の行列山笑ふ 平居澪子 六花 201806
古町にビリケンの像山笑ふ 西村しげ子 雨月 201806
山笑ふ女の登る男坂 大石よし子 雨月 201806
山笑ふ吃水深く荷舟ゆき 齋藤朋子 やぶれ傘 201806
それぞれの木々の主張や山笑ふ 田尻勝子 六花 201807
虚子館に定員はなし山笑ふ 藤井啓子 ホトトギス 201807
山笑ひ日ごと明るくなる窓辺 黒川悦子 ホトトギス 201807
滝音は太古の鼓動山笑ふ 市ヶ谷洋子 馬醉木 201807
目つむりて牛の反芻山笑ふ 藤原照子 201807
何時来ても植木屋不在山笑ふ 山内碧 201807
野良猫と睨めつこして山笑ふ 安原葉 ホトトギス 201808
淀屋橋より生駒山笑ひをり 大橋晄 雨月 201808
触れ見たき山笑ふ肌風なぶる 物江康平 春燈 201808
山笑ふ県境またぐ橋の上 安原葉 ホトトギス 201808
あをぞらに描く曲線山笑ふ 涌羅由美 ホトトギス 201808
校庭を木々が遠まき山笑ふ 遠山のり子 201808
大の文字くつきり残し山笑ふ 神田惣介 京鹿子 201810
地下深きリニア工事山笑う 石川りゅうし 201902
山笑ひそめし家居も又楽し 稲畑汀子 ホトトギス 201903
言葉とは貧しかりけり山笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201903
山笑ふ紐しめなほす登山靴 横山さくら 春燈 201904
戒名に人の上下や山笑ふ 太田昌子 馬醉木 201904
山笑ふ裾野も野路も若みどり 長崎桂子 あを 201905
人生はトリックアート山笑ふ 江島照美 201905
骨密度ほめられてをり山笑ふ 飯川久子 201905
アガサクリスティ読み終り山笑ふ 大日向幸江 あを 201905
野兎の排泄ころがりて山笑ふ 佐津のぼる 六花 201906
父の遣せし砥石いろいろ山笑う 松井季湖 201906
山笑う千円カットの男前 火箱ひろ 201906
肩車の頃思い出す山笑う 林田麻裕 201906
失せ物や失敗談や山笑ふ 中貞子 201906
杉の秀にとどまる雲や山笑ふ 中根美保 風土 201906
親友はみんな悪友山笑う 澤田蔦惠 船団 201906
山笑ふ笑へぬ日々もきつと来る 平野多聞 201906
杉花粉の乱舞の渦に山笑ふ 高野昌代 201906
山笑ふ釣られて我も笑ひけり 岩月優美子 201906
園児らの列すぐ乱れ山笑ふ 小池桃代 末黒野 201907
先見えぬ石段かかへ山笑ふ 森清堯 末黒野 201907
オープンカーに老人ひとり山笑ふ 丑久保勲 やぶれ傘 201907
山笑ふ手摺頼りの磴の数 竹内喜代子 雨月 201907
遠い人ほど早い法則山笑う つじあきこ 201907
集落は難読地名山笑う 波戸辺のばら 201907
一円も使わぬ日なり山笑う 釆野久美子 201907
万物に光の恵み山笑う 三羽永治 201907
意のままにならぬ老体山笑ふ 重原爽美 201907
鉄塔の林立生駒山笑ふ 大橋晄 雨月 201907
山笑ふ歩く早さの耕転機 宮内とし子 201907
喜怒哀楽呑み込むポスト山笑ふ 松本三千夫 末黒野 201907
骨董の茶釜かたむき山笑ふ骨 延川五十昭 六花 201908
山笑ふ宿は坂下海のそば 大野芳久 やぶれ傘 201908
山笑ひ風は唄つてをりにけり 和田華凛 ホトトギス 201908
煩悩の法螺貝吹いて山笑ふ 江島照美 発火点 201909
一時間遅れて伊吹山笑ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
遠くより近づいて来し山笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 202003
出来もせぬことに手を出し山笑ふ 三上程子 風聴くや 202003
地震あとにかかるサーカス山笑ふ 岩永みはる 追伸 202003
号令を待つ兵馬俑山笑ふ 三上程子 風聴くや 202003
山笑ふ頂の雲もう消えて 稲畑汀子 ホトトギス 202003
山笑ふ昨日も今日も似し日和 稲畑汀子 ホトトギス 202003
二礼二拍手山笑ふ島笑ふ 横井遥 202004
山笑ふ千年木を抱きをれば 宮内とし子 202004
父の忌を修し故郷の山笑ふ 河口仁志 202004
山笑ふ→9

 

2021年4月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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