やませ       56句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山背風馬向き向きに海を見る 島田万紀子 馬醉木 199812
関所跡の松の傾ぎや山背吹く 成重佐伊子 俳句通信 200107
寄せ植ゑの花とばしたるやませ風 久保木千代子 春耕 200109
山背かな臆病風も吹くくらし 中原道夫 銀化 200110
正行の宮の大樟やませ吹く 高野清風 雲の峯 200207
毬のごと藻を打ち上ぐるやませかな 丸本博子 200208
やませ寒口寄せを待つ人の群 伊藤白潮 200309
やませ吹く如来の首といふ岩も 伊藤白潮 200309
下総に青きやませの日数かな 有働亨 馬醉木 200401
弾け合ふ親子の会話やませ吹く 菊地嘉江 帆船 200401
やませ吹く谷に一揆の墓ならぶ 大西八洲雄 万象 200410
蝋涙に混じる緑青やませ吹く 高千夏子 200509
断崖にせまる棚田や山背風 遠藤和彦 遠嶺 200708
やませ冷え土間広々と斜陽館 館容子 200711
捨印を欄外に押し山背来る 平佐和子 京鹿子 200801
山背吹く十三の湊に宿りして 大崎紀夫 やぶれ傘 200810
淋代の海よりやませ馳せて来る 鈴木伸一 200908
やませ寒ム畳まれずある洗濯物 野沢しの武 風土 201008
山背吹き霧にけぶれる橅若葉 夏目満子 酸奬 201008
猿島・夏島・野島まなかひ山背風 田中貞雄 ろんど 201009
山背吹く水沼へ鳥の急降下 渡邉美保 火星 201010
山背負ふ島の漁村や秋灯 森清信子 末黒野 201102
やませ吹く中披かるる句碑の文字 稲畑廣太郎 ホトトギス 201106
やませ吹く夜通し荒き浪の音 坂根宏子 201109
山背吹くここらは越の米どころ  安原葉 ホトトギス 201112
今にまだ瓦礫の山ぞ山背風吹く 今村征一 ホトトギス 201206
やませ吹く土間の柱の手斧彫 コ田千鶴子 馬醉木 201307
やませ吹き夜通し荒き濤の音 坂根宏子 野山の道 201404
遠景に舟鏤めてやませ吹く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406
ここ曽て帰農せし家やませ吹く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406
巖松をやませのはしり海猫しづか 佐藤喜孝 あを 201409
海猫の飛びてやませは空深め 佐藤喜孝 あを 201409
やませくる目の端紅き海の鳥 佐藤喜孝 あを 201409
やませ来る海胆舟一つ抱く岬 土屋草子 ろんど 201410
やませ来る浜に揚げ舟二つ三つ 秋山信行 やぶれ傘 201512
鍬を振る土をよすがに梅雨やませ 森屋慶基 風土 201608
開墾の田畑梳き来る青やませ 森屋慶基 風土 201609
雄鶏の胸張つて立つやませ風 土井三乙 風土 201709
明日飲む薬確かめやませの夜 土井三乙 風土 201709
多佳子忌や山背の強き里に住み 上辻蒼人 風土 201709
五年経て復興遅々とやませ吹く 荻野周子 雨月 201709
初日受く死ぬまで同じ山背負ひ 高村令子 風土 201803
オホーツク戦いてゐるやませかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
やませ吹く北半球といふ運命 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
胸に手を当ててやませを聴く夜更 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
北限の田圃やませに靡かざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
やませ吹く北の大地を歪めつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
やませ吹く通学の児の列狭め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
恋人の寄り添ひ歩くやませかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
やませ吹く山に張り付く家二軒 西岡啓子 春燈 201808
やませ来るどこかけものの臭して 土井三乙 風土 201810
餌時の鶏舎騒めく青やませ 土井三乙 風土 201810
奉納の妻籠土雛やませ吹く 増成栗人 201908
やませ吹くふる里ありて烏賊捌く 柿原よし子 春燈 202009
目交の踏切閉まるやませかな 前田美恵子 202011
細波は田水の震やませ来る 土井三乙 風土 202109
やませ来る匂ひと言へりさう思ふ 土井三乙 風土 202210

 

2023年6月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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