夜光虫     70句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夜光虫もえしひと夜の浪のあと 豊田都峰 「山の唄」 198300
錨綱引くやたばしる夜光虫 石本秋翠 馬醉木 199810
艦船の沈みし海に夜光虫 竹野梢星 199812
闇の浜夜光虫の果てしなき 倉本美代子 ヒッポ千番地 199905
磯波は磯がしづめて夜光虫 鷹羽狩行 199905
夜光虫さ走り万里来し与論 桑田青虎 ホトトギス 200005
夜光虫浮棧橋の形見え 桑田真佐子 200010
島唄は待つ恋ばかり夜光虫 益本三知子 馬醉木 200011
凪の凪うしみつどきの夜光虫 中本柑風 馬酔木 200109
夜光虫補陀落の海溟かりき 根岸善雄 馬醉木 200110
夜光虫舐めては一波退きさがる 泉田秋硯 200110
乗船を急ぎし酔や夜光虫 泉田秋硯 200111
夜光虫ゆらめく果ての夜光虫 塩谷則子 船団 200112
水尾消えし辺り確かに夜光虫 稲畑汀子 ホトトギス 200207
夜光虫燃えゐし記憶敗戰日 宮原みさを 花月亭 200208
海響を息つめて聴く夜光虫 和田照海 京鹿子 200208
夜光虫沖をめざすは無謀なり 宇都宮滴水 京鹿子 200209
岩鼻や水脈に乗り来る夜光虫 泉田政子 雲の峰 200210
胸中に汐騒沁みぬ夜光虫 根岸善雄 馬醉木 200210
海響を息つめて聴く夜光虫 和田照海 京鹿子 200302
突堤に丸き波音夜光虫 田中敬 200402
寄す波の岩に声あぐ夜光虫 中村翠湖 馬醉木 200407
夜光虫恋のけじめは渚から 宇都宮滴水 京鹿子 200407
加減して星にくだける夜光虫 宇都宮滴水 京鹿子 200408
ユーミンの世代にあらず夜光虫 横田政道 帆船 200409
ただようて吾もうたかた夜光虫 荒木英雄 対岸 200410
絢爛と泳者の肩の夜光虫 泉田秋硯 200410
流れゐる物のかたちに夜光虫 須佐薫子 帆船 200507
夜光虫脱ぎ捨て陸へ上がりけり 泉田秋硯 200510
ひざまづき掬ひてこぼす夜光虫 瀬戸悠 風土 200511
寂光は太古の蒼さ夜光虫 松本圭司 200609
泳ぎきて五指の先まで夜光虫 飛鳥由紀 200710
夜光虫詩となることばわき出でよ 定梶じょう あを 200711
絢欄と泳者の肩の夜光虫 泉田秋硯 二重唱 200806

 五番町夕霧楼

夜光虫汲みて夕子の挽歌とす

浜福惠 風土 200908
夜光虫大和眠れる辺りより 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
夜光虫生みつつ沖の暗さかな 鳥居秀雄 201010
マニキュアの手足夜光虫の中へ 加藤みき 201010
退き浪に玉鳴り浜や夜光虫 和田照海 京鹿子 201011
漁り火の青ざめてゐる夜光虫 和田照海 京鹿子 201011
夜光虫闇に紛れし倭冠の島 和田照海 京鹿子 201011
七卿の落ちし浜とや夜光虫 和田照海 京鹿子 201011
灯台や波の秀ごどの夜光虫 和田照海 京鹿子 201011
鞆ノ浦隠れ宿とや夜光虫 和田照海 京鹿子 201012
満ち潮の磯に砕けて夜光虫 山下美典 ホトトギス 201012
船戦ありし幾代ぞ夜光虫 山本鬼之介 201105
出航のどら轟きぬ夜光虫 稲畑汀子 ホトトギス 201107
夜光虫波間かがよひはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 201107
沖縄忌過ぎしうねりや夜光虫 益本三知子 馬醉木 201109
船霊の遊べるごとし夜光虫 野崎昭子 春燈 201110
船影や岬をかこむ夜光虫 伊藤希眸 京鹿子 201110
砕け飛ぶ波に漂ふ夜光虫 松原悦子 万象 201111
原発と縁なき明かり夜光虫 藤田かもめ ぐろっけ 201211
夜光虫掬へば砂が掌にありて 岩木茂 風土 201311
別れ来し胸にただよふ夜光虫 綱徳女 春燈 201408
灘しほのふくらむきざし夜光虫 和田照海 京鹿子 201411
波の間に言葉おくやう夜光虫 近藤喜子 201510
はらからや沖の果より夜光虫 犬塚李里子 201511
背泳ぎの五体すりゆく夜光虫 玉田瑞穂 万象 201511
夜光虫旅の一日を楽しめり 豊谷青峰 春燈 201610
夜光虫太古人には異能あり 江島照美 201710
纜の軋みに燃ゆる夜光虫 和田照海 京鹿子 201810
何処までも船につき来る夜光虫 小池一司 六花 201810
夜光虫漁業捨てたる老いの背に 向井芳子 春燈 201908
夜の波の連れ来て放つ夜光虫 栗山恵子 雨月 201911
羊水に海の恵みや夜光虫 井原美鳥 202001
たましひの汐汲み浜の夜光虫 南うみを 風土 202010
夜光虫開けてしまひし玉手箱 荒井慈 春燈 202011
夜光虫櫓さばき映えて島眠る 豊谷青峰 春燈 202108
夜光虫見えざるものの燦めけり 里村梨邨 202110
潮騒のかたちに燃ゆる夜光虫 和田照冶 京鹿子 202207

 

2023年6月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。