破れ傘     45句

破れ傘一生涯と眺めやる    後藤夜半

作品
作者
掲載誌
掲載年月
破れ傘雨がざざざざ洩れてゐる 大橋敦子 雨月 199908
破れ傘虫に食はれてをりにけり 岩瀬操舟 円虹 199911
尿前の関跡に生ふ破れ傘 松崎鉄之介 200008
もう既に息切れしてる破れ傘 田中矢水 遠嶺 200010
いつ見ても木洩日ゆるる破れ傘 松崎鉄之介 200206
昼も暗き長き参道破れ傘 府川鈴 200209
半年のその先読めず破れ傘 二瓶洋子 六花 200209
破れ傘言葉みじかく別れけり 千坂美津恵 200210
破れ傘いつも掃きをる寺男 木曽岳風子 六花 200211
破れ傘一日無為に過しけり 小島左京 ホトトギス 200212
花修理中の庭荒れ破れ傘 稲畑汀子 ホトトギス 200307
花咲いて模様としたる破れ傘 稲畑廣太郎 ホトトギス 200307
自然薯は足掛かりにと破れ傘 佐藤喜孝 あを 200308
破れ傘晴れつつ霧の匂ふなり 岡本眸 200308
蛇抜けありし一石栃に破れ傘 松崎鉄之介 200309
散りもせず花も知らざりやぶれ傘 中島ため 200309
若きよりの文墨仲間破れ傘 柴原保佳 ホトトギス 200312
奥山の半僧坊に破れ傘 松崎鉄之介 200408
やぶれ傘ありて露けき荘のもの 稲畑汀子 ホトトギス 200408
右越路左信濃路破れ傘 新井裕 六花 200410
頂の見えて来たりし破れ傘 大東由美子 火星 200411
破れ傘おもちゃの如く群れ立ちて 水野範子 ぐろっけ 200508
繕ひをあきらめしさま破れ傘 山下由紀 200512
破れ傘間伐の木は朽ちしまま 大畑善昭 200607
破れ傘傘不用意のにはか雨 大山妙子 酸漿 200711
破れ傘森に日差しのもどりたる 加藤みき 200807
回り道あれど大空破れ傘 いしだゆか 遠嶺 200809
庵への路の静けさ破れ傘 新井田晃 遠嶺 200809
朝風の日ざしに若き破れ傘 大内恵 酸漿 200908
旅の間にまたも伸びたる破れ傘 竹内悦子 200910
石垣の石の不揃ひ破れ傘 渡邉孝彦 やぶれ傘 201010
破れ傘重なり雨の音兆す 吉田克美 ろんど 201009
山頭火読む雨の日の破れ傘 上原重一 201207
渓流の光這ひ来る破れ傘 米山のり子 馬醉木 201209
山刀伐の翁の径の破れ傘 北崎展江 くりから 201209
吹き降りの雨脚激し破れ傘 江木紀子 雨月 201210
破れ傘伸びて自由の樹形なる 水野範子 ぐろっけ 201211
破れ傘群れて靄立つ小暗がり 相沢有理子 風土 201310
はちゃめちゃの花を掲げて破れ傘 江木紀子 雨月 201509
茶花にと所望されたる破れ傘 江木紀子 雨月 201610
山草展愛嬌のある破れ傘 荻野周子 雨月 201909
雨受くる術の非ずや破れ傘 大内由紀 末黒野 201910
空堀を埋めつくしけり破れ傘 佐藤喬風 末黒野 202104
おどけ出づ破れ傘の芽毛むくじやら 津川かほる 風土 202106
つくばひに吹かるる影や破れ傘 諸岡孝子 春燈 202108
破れ傘花壜に一人だけの昼 水谷はや子 202110

 

2023年7月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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