薮からし  34句

罪ふかき墓かもしれず藪からし  高島茂   鯨座

作品
作者
掲載誌
掲載年月
藪からし父のふぐりを垣間見し 嵯峨根鈴子 火星 199907
藪からしも灸花もや植物園 大橋敦子 雨月 199910
焼跡に住みつく親猫藪からし 上原勝子 海程 200012
カミソリを春に捨てたる藪からし 佐藤喜孝 あを 200108
成るように成ってしまへと薮からし 竹川美佐子 いろり 200110
藪からし軍国の父小さきかな 木曽岳風子 六花 200111
少年の墓地に遊べる藪からし 加瀬美代子 200210
藪からし思ひのままに絡みをり 多田節子 雨月 200211
共に来し師はすでに亡し藪からし 大串章 百鳥 200212
政この世の不思議藪からし 芝宮須磨子 あを 200410
馬小屋にもう馬をらず藪からし 長沼紫紅 200411
山頂に山城一つ藪からし 長沼紫紅 200411
報復チェチェンという罪絡みゆく藪からし 松井和恵 八千草 200503
藪からし方向変へる兆しあり 大塚民枝 酸漿 200512
薪小屋を雁字がらめの藪からし 滝沢伊代次 万象 200709
藪からし垣を被ひてしまひけり 醍醐季世女 200711
山暮れて闇をひつぱる藪からし 外川玲子 風土 200811
藪からし短冊の文字ととのはず 天野正子 200812
黄菖蒲にのしかかりきしやぶからし 佐藤喜孝 あを 200908
藪からし昆虫博士は一年生 林いづみ 風土 201001
藪からしの花は市松人形なり 加藤みき 201011
破れ垣に色をおき初め藪からし 村上すみ子 201012
薮からし引けば生垣まで動く 岡崎伸 201201
己が蔓もからめをりけり藪からし 岡崎伸 遠眼鏡 201203
藪からし鉄路の土手のある限り 松本三千夫 末黒野 201211
藪からし縞の財布をポンと出す 竹内悦子 201301
気散じの遊びたけなは藪からし 佐藤弘香 ろんど 201301
藪からし束縛といふ愛ありし 江島照美 201412
眼鏡磨いて原子炉を売る藪からし 鴨下昭 201502
思惑の違ふ互恵や藪からし 小松誠一 201512
藪からし電波は空に繁茂して 峰崎成規 201512
道場は校舎の裏に藪からし 根橋宏次 やぶれ傘 201601
しなやかな指もて迫る藪からし 佐藤喜孝 あを 201811
藪からししぶとく居場所探しをり 小倉陶女 春燈 202112

 

2023年10月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。