吾亦紅 4     156句

此秋もわれもかうよと見て過ぎぬ   白雄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
自画像の唇厚し吾亦紅 コ田千鶴子 花の翼 201111
つんつんはもうやめようよ吾亦紅 和田森早苗 201111
吾亦紅父が手向けて守りをり 山田六甲 六花 201111
秋七草机辺に芒吾亦紅 大橋敦子 雨月 201111
地味にして自己主張あり吾亦紅 大橋晄 雨月 201111
吾亦紅ゆるる嵯峨野の夕映えに 松田とよ子 201112
八十路とて花のつもりぞ吾亦紅 宮崎左智子 201112
吾亦紅人恋ふ丈を伸ばしけり 矢口笑子 春燈 201112
吾亦紅おはるる如く転院す 吉村摂護 201112
夕暮れを早めて雨の吾亦紅 藤岡紫水 京鹿子 201112
肩の荷の片方ゆるめ吾亦紅 成田美代 201112
揺るるべく窪地に揺れて吾亦紅 山尾玉藻 火星 201112
吾亦紅殖ゆその夫を恋ふ母に 辻美奈子 201112
もう妻に喧嘩は売れぬ吾亦紅 石川笙児 201112
揺れてゐることが安らぎ吾亦紅 川井秀夫 ろんど 201112
神の庭群れて咲きたる吾亦紅 谷村幸子 201112
点と線孤独なりけり吾亦紅 寺田すず江 201112
口紅に筆のへこみや吾亦紅 山田六甲 六花 201112
控へ目な母でありけり吾亦紅 勝谷茂子 馬醉木 201201
姪といふ距離のほどほど吾亦紅 田中珠生 馬醉木 201201
酒蔵を抜けたる小径吾亦紅 能勢栄子 201201
何をもて測る余生や吾亦紅 大島翠木 201201
母を恋ふ歌のかずかず吾亦紅 杉原ツタ子 201201
諸星を見し目の卓に吾亦紅 本郷桂子 ホトトギス 201201
若き日の自画像飾り吾亦紅 河合とき 末黒野 201201
吾亦紅赤き旗抱チーパオ着て闊歩 呂秀文 春燈 201201
したたかに生きし日もあり吾亦紅 加藤千春 春燈 201201
吾亦紅活けて父の忌修しけり 小渕二美江 春燈 201201
吾亦紅舟に差し掛く渡し板 下山田美江 風土 201201
夭折の画家のアトリエ吾亦紅 岡淑子 雨月 201201
華奢なるも芯強き人吾亦紅 山本漾子 雨月 201201
なかんづく季語のをはりの吾亦紅 鈴鹿けい子 京鹿子 201201
吾亦紅この風すぢに母の墓 鎌田政利 京鹿子 201201
風の中なほ触れ合はぬ吾亦紅 鎌倉喜久恵 あを 201201
日記帳書きなぐりたし吾亦紅 牧野慶 ろんど 201202
ぼたもちとおはぎ談義や吾亦紅 有賀昌子 やぶれ傘 201202
吾亦紅をんな三役こなしけり 橋本靖子 201211
吾亦紅活けて商ふ和装店 田下宮子 201211
乱るるを嫌へる風の吾亦紅 山尾玉藻 火星 201211
行合ひの空の深さや吾亦紅 加藤静江 末黒野 201211
落日の余燼くすぶる吾亦紅 米山のり子 馬醉木 201212
川添ひの湯宿の二軒吾亦紅 古川千鶴 かさね 201212
くたぶれて座る茶店や吾亦紅 米田文彦 かさね 201212
ひとひらの雲呼ぶ富士や吾亦紅 間島あきら 風土 201212
吾亦紅富士を大きく揺らしけり 久米憲子 春燈 201212
使ひ込む志野の七化け吾亦紅 藤原若菜 春燈 201212
店舗中迷はず買ひし吾亦紅 松本恒子 ぐろっけ 201212
風にゆれ水車場の陰吾亦紅 吉本淳 ぐろっけ 201212
吾亦紅胸に抱きて野良帰り 吉本淳 ぐろっけ 201212
吾亦紅電波を受信してをるか 大畑善昭 201212
目立たずに目立ちて愛し吾亦紅 折橋綾子 201212
友来たる咲き残りとふ吾亦紅 森さち子 201212
吾亦紅暮色に解けてしまひけり 山田天 雨月 201212
吾亦紅かつては在りし土手の道 早崎泰江 あを 201212
吾亦紅明智贔屓の里に生れ 塩路隆子 201301
里はづれの野風さはさは吾亦紅 伊東和子 201301
吾亦紅元を辿ればバラ科なる 国包澄子 201301
吾亦紅鼓舞とは違ふ身の微動 成田美代 201301
うす紙をはがし尽せば吾亦紅 高木晶子 京鹿子 201301
許さるる化身とならば吾亦紅 中島讃良 ろんど 201301
萩焼に吟醸一献吾亦紅 三橋早苗 ぐろっけ 201301
夕闇は峡より来つつ吾亦紅 細野恵久 ぐろっけ 211310
霧かかる道の岐れや吾亦紅 岡田和子 馬醉木 201311
青春の淡き思ひ出吾亦紅 桂敦子 201312
昏れ泥む野にありてこそ吾亦紅 齊藤眉山 末黒野 201312
独り言つ吾に頷く吾亦紅 川上久美 ろんど 201312
晩節の師弟の情や吾亦紅 物江康平 春燈 201312
飛騨牛乳瓶に挿されて吾亦紅 七種年男 201312
暮れ方のひかり纏ひて吾亦紅 松井志津子 201312
火襷の手触り粗し吾亦紅 泉本浩子 馬醉木 201312
菩提寺のどこまでも墓地吾亦紅 井口ふみ緒 風土 201312
さびしさの一つの形吾亦紅 都菊池和子 京鹿子 201312
葉に付きし水玉ひかる吾亦紅 石原健二 やぶれ傘 201312
水音へ石段下りし吾亦紅 杉浦典子 火星 201312
吾亦紅気付かぬほどの自己主張 伊庭玲子 201312
吾亦紅山の向かうの山目ざし 苑実耶 201312
吾亦紅指はじきつつ山歩き 吉井潤 ぐろっけ 201312
争はぬための沈黙吾亦紅 田中一美 ろんど 201401
風上る途中の丘の吾亦紅 奥井あき 201401
自分史の袋とぢあり吾亦紅 小瀧洋子 ろんど 201401
花束に一枝加へ吾亦紅 谷岡尚美 201401
尻餅の土払ひ遣る吾亦紅 今井忍 ぐろっけ 201401
吾亦紅にとどく太師のみ声かな 山本耀子 火星 201401
吾亦紅の花もその名も愛しくて 隅田恵子 雨月 201401
吾亦紅一枝提げて画塾の日 三橋早苗 ぐろっけ 201401
吾亦紅子育て昭和遠くなり 中村吟子 ぐろっけ 201401
吾亦紅束ね辺りのさびさびと 石坂比呂子 ろんど 201401
吾亦紅夫への供花に加へけり 菅野蒔子 末黒野 201401
吾亦紅歩哨あちこち分断地 植田雅代 ぐろっけ 201401
口数の多くなりけり吾亦紅 中山静枝 201401
雨粒に色閉ぢ込めて吾亦紅 笹倉さえみ 雨月 201402
遠山の更に遠のく吾亦紅 宮井知英 201402
寄せ活けの要となりぬ吾亦紅 清水元子 末黒野 201402
空仰ぐ癖のいつしか吾亦紅 服部早苗 201403
吾亦紅 →5      

2021年11月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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