蕨狩・蕨採      56句

眼を先へ先へ送りて蕨採る   右城暮石

作品
作者
掲載誌
掲載年月
あさもやの動くと見れば蕨採 山田弘子 春節 199503
子に犬の綱をあづけて蕨取 小山香月 酸漿 200006
見送りに出て束の間の蕨取り 松本恭昴 火星 200107
蕨採り友の身仕度かいがいし 山内栄美子 ぐろっけ 200107
熊除けの携帯ラジオ蕨狩 小倉正達 200108
蕨採るなぞへに足の吊りにけり 渡辺美知子 200207
蕨狩すぐに無口となりにけり 三宅久美子 円虹 200208
山霞む母と蕨を採りし日の 清水節子 馬醉木 200305
騒ぐ子と黙す子のゐて蕨狩 中野たけみ 雨月 200405
客員の教授先頭蕨狩 齋藤宣子 帆船 200406
草に風残して過ぎし蕨採り 今瀬剛一 対岸 200407
近づかず離れず阿蘇の蕨狩る 苑実耶 200407
一行のばらばらとなり蕨狩 中島知恵子 雨月 200407
望外の嵩に戸惑ふ蕨採り 小松誠一 200408
蕨狩猪罠を見にのぼりつめ 瀧春一 常念 200606
温泉宿で昼餉を取りて蕨摘む 星野静子 200607
大寺に下りてしまひぬ蕨狩 百瀬七生子 海光 200705
蕨採り校舎裏へと迷ひ込む 石田嘉江 200706
ランチ後の思はぬ余禄蕨狩 中田ひさ 200707
墓山に誰も採らざる蕨閑け 馬越幸子 ぐろっけ 200708
夏蕨採る氈鹿の糞踏んづけて 市川十二代 ぐろっけ 200708
夏蕨たれも採らない古墳みち 青山悠 200710
籠背負ひ山へと上る蕨狩 滝沢伊代次 火星 200904
飄々と風のつきくる蕨採り 岩木茂 風土 200907
夫の声とどく距離なり蕨狩 田口紅子 200907
蕨狩兎の糞をふみてゆく 滝沢伊代次 万象 201004
知り尽くす沢から沢へ蕨採り 谷渡末枝 万象 201005
山彦と遊びてゐたる蕨狩 滝沢伊代次 万象 201005
飢ゑ知らぬ子が採り来たる蕨かな 柴田久子 風土 201006
崖の上腹這になり蕨取る 長瀬節子 ぐろっけ 201008
この斜面使ひ切つたる蕨狩 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
食べるより摘む愉しさの蕨狩 佐藤山人 201108
蕨採急雨に術のなかりけり 服部鹿頭矢 馬醉木 201108
わが採つて妻の湯掻ける初蕨 佐藤山人 201108
蕨採り忍者のやうに歩きけり 小林輝子 風土 201109
総身の煤けてきたる蕨狩 長節子 201110
久久の夫の鼻歌蕨狩 美田茂子 末黒野句集 201203
山風に湿りのありし蕨狩 田所節子 201205
さいたまを二日離れて蕨採り 松木清川 ぐろっけ 201209
神の山斜めに歩き蕨狩 吉田葎 201210
こけし工房蕨採るとて主留守 野沢しの武 風土 201305
蕨採る外泊許可の妻を連れ 沼澤石次 馬醉木 201508
蕨採る歩幅に叶ふ流れ跳び 松井志津子 201605
朝採りの蕨が目玉道の駅 鈴木鳳来 春燈 201606
蕨採る妻の手元に風和む 藤波松山 京鹿子 201608
蕨採り野猿に見られゐたりけり 田中臥石 末黒野 201708
山あいの雲の浮びし蕨狩り 植木戴子 201708
蕨狩り先採りされて臍かめり 藤波松山 京鹿子 201709
山姥に先を越さるる蕨採り 森岡正作 201806
終バスは日暮れ前とや蕨狩 中根美保 風土 201807
あやふやな集合時間蕨狩 岡田一夫 201807
終バスは日暮れ前とや蕨狩 中根美保 風土 201807
香久山の平らかな日を蕨狩 荒川心星 202104
蕨狩大地の命摘みにけり 山中志津子 京鹿子 202106
蕨狩る媼や尻を高く上げ 南うみを 風土 202207
蕨採り市へ出さむと束ねをり 重実ひとみ 春燈 202207

 

2023年3月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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