わかさぎ    92句

公魚をさみしき顔となりて喰ふ    草間時彦

作品
作者
掲載誌
掲載年月
考へてをらぬ公魚釣れてをり 稲畑汀子 ホトトギス 199902
わかさぎの湖あかときの茜差す 大橋敦子 雨月 200002
温泉客公魚釣りの人となる 藤村美津子 春耕 200004
公魚を噛みてほのかに骨の味 吉田陽代 200010
余呉の公魚の引き見逃さず 品川鈴子 ぐろっけ 200104
公魚を釣る灯相寄ることはなし 山田弘子 円虹 200105
公魚といへば余吾湖と父娘句碑 江木紀子 雨月 200105
糸に一工夫して公魚を釣る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200202
公魚や湖面に人を集めては 稲畑廣太郎 ホトトギス 200202
公魚の縞くもらせて氷りけり 高崎武義 200202
公魚の穴釣りてふは流人めく 海輪久子 円虹 200205
公魚釣る氷湖の水の碧さかな 和田一 雨月 200205
公魚を釣る穴の数椅子の数 井上芙美子 円虹 200206
日のかけら釣る公魚の糸の先 井上芙美子 円虹 200206
公魚の白く弾けて釣られけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
公魚のひとつの命風の中 豊田都峰 京鹿子 200303
公魚をもらひて揚げし皿の盛 阿部ひろし 酸漿 200303
手庇の彼方に公魚舟の湖 荻野千枝 京鹿子 200305
湖凪ぐや公魚釣りの少年に 萩谷幸子 雨月 200402
公魚や吾に足らざる気の長さ 堀一郎 雲の峰 200404
公魚の釣られてかなし銀の色 飯田泰子 八千草 200408
公魚や力いつぱい川のぼる 鎌倉喜久恵 あを 200504
公魚のキラリ夕日を釣り上ぐる 三沢蘭 遠嶺 200505
釣り落す公魚雪に刺さりけり 鈴木漱玉 馬醉木 200505
公魚の釣果十尾は雪に置く 泉田秋硯 200605
公魚釣る真白き富士をまなかひに 嶋木勝次郎 遠嶺 200607
湖ぬくしわかさぎ命拾ひけり 久永淳子 春燈 200704
饒舌のとまり公魚ほろ苦し 岩垣子鹿 ホトトギス 200707
穴釣は禁止公魚舟出でし 稲畑汀子 ホトトギス 200802
白飯に公魚あと引き切りもなし 鈴木榮子 春燈 200806
わかさぎの甘露煮秋も深まりぬ 中山純子 万象 200901
公魚や釣り終へて入る寺の門 岸崎華堂 炎環 200903
公魚を釣りて取り出す古焜炉 中川すみ子 200904
公魚の南蛮漬や患者食 坂上香菜 200904
わかさぎの小さき頭ほろ苦し 赤座典子 あを 200904
公魚の思ひ出の嵩異なりぬ 和田政子 200905
風ぐせに公魚釣りのたぢろがず 天野みゆき 風土 200905
腹子もつわかさぎのまづ釣られけり 杉浦典子 火星 200905
よくしやべる男に釣られたる公魚 浜口高子 火星 200905
公魚の苦味よかりし兼好忌 石脇みはる 200906
淡海の苞とて公魚の十尾ほど 樺山翠 雨月 201005
おちよぼ口して公魚の釣られたり 吉田文三 201008
公魚の釣られしいのち凍りけり 布川直幸 201104
待つほかはなし黙ってわかさぎ釣る 吉成美代子 あを 201104
わかさぎや氷五寸の下の息 小林和子 風土 201105
公魚の釣られしあとの水の黙 鷹崎由未子 春燈 201105
公魚を溢れせしめる量り売り 松本文一郎 六花 201106
おちょぼ口して公魚の釣られたり 吉田葎 201205
余呉遅春わかさぎ釣に賑はふも 岩城茂 風土 201205
公魚をじつくり煮つめ夕餉かな 塚原洋子 201206
公魚の香そのまま賜りぬ 中村月代 末黒野 201207
釣り上げられしわかさぎの真珠色 近藤喜子 ミネルヴァの梟 201303
燗熱うせよ網走の公魚ぞ 大坪景章 万象 201303
公魚の湖の蒼さに染まりけり 本多俊子 201304
公魚に丸窓といふ落し穴 原友子 201305
公魚や榛名颪に翻り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
公魚の穴を飛び出す孤高かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
桟橋にわかさぎ釣の寡黙かな 杉本綾 201404
公魚釣り日に銀の雫かな 園部早智子 ろんど 201405
湖へ公魚料理食べてより 安藤久美子 やぶれ傘 201405
公魚のいのち小さく釣られゐる 谷村祐治 雨月 201505
公魚釣四囲の山々雲垂れて 堀井英子 雨月 201505
一穴に一人の世界公魚釣る 堀井英子 雨月 201505
わかさぎ釣解禁控へ舟手入れ 東秋茄子 京鹿子 201601
わかさぎの余呉に生まれて釣られけり 山田六甲 六花 201604
公魚の魚籠をしたたる水昏るる 笹村政子 六花 201606
公魚の竿しならせて光りけり 永田万年青 六花 201606
わかさぎに絹のひかりの余呉の湖 升田ヤス子 六花 201606
公魚の糸の光りて釣られけり 藤生不二男 六花 201606
公魚の魚籠を光の射抜きけり 藤生不二男 六花 201606
公魚の一閃に湖固まれる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
穴釣といふ公魚の明と暗 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
公魚のしろがね五寸曇りなき 浅井青二 雨月 201705
瓢亭に届く公魚大袋 たかはしすなお 201806
公魚の釣舟並ぶ逆さ富士 藤岡紫水 京鹿子 201904
公魚のあがくことなく釣られたる 谷村祐治 雨月 201905
公魚の穴釣湖面弾ませて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
日を弾きつつ公魚の宙を舞ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
公魚の湖凸凹にして釣られ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
わかさぎの糸ぴちぴちと釣られけり 森清信子 末黒野 202006
わかさぎの宙ひかりだす諏訪の湖 鈴鹿呂仁 京鹿子 202104
氷穴の半畳の空公魚釣り 鈴鹿呂仁 京鹿子 202104
公魚の五六度跳ねて凍りけり 中島宙 202104
公魚や山河愛する百姓女 西村白杼 京鹿子 202105
公魚のかすかに糸を引きにけり 藤井啓子 ホトトギス 202206
比良白く公魚釣りのヤッケ赤 玉手のり子 ホトトギス 202207
公魚の銀鱗宙をまさぐれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
釣られたる公魚空と対話して 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
水脱いでより公魚の鈍色に 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302

2023年2月12日 作成

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