若 鮎       79句

遠つ人松浦の川に若鮎釣る妹が手本を我れこそ卷かめ 万葉集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
堰跡に見る若鮎の散るさまを 天野和風 春耕 199906
若鮎の釣れさうな村近くなり 関口幹雄 遠嶺 199908
若鮎の骨抜き美人揃ひかな 山田六甲 六花 200006
若鮎の堰を越すとき光りけり 小林修水 春耕 200107
若鮎の全身力を握り締む 泉田秋硯 200108
若鮎に激つ逢瀬のありぬべし 土井田晩聖 銀化 200204
若鮎の鼓動とおもふ瀬音かな 近藤喜子 200205
翁草あり汲んで来し若鮎も 後藤比奈夫 ホトトギス 200207
若鮎の囮瀬波を走りけり 関正夫 酸漿 200208
若鮎の瀬奔りに日の昏みけり 柴田近江 200306
若鮎の跳ね止まぬなり熊野笹 森脇恵香 雲の峯 200307
若鮎のトップギヤーで堰のぼる 深田雅敏 200307
若鮎が御手洗川に群をなす 杉丸君子 築港 200308
若鮎のきらりと跳ねる暮れの川 平野きぬ子 八千草 200310
若鮎の跳ねては匂ふ朝の堰 関まさを 酸漿 200409
跳びざまの反り身に焼かれ若鮎よ 北川英子 200505
興津川へ放つ若鮎水匂ふ 宮城島たか子 200506
若鮎の水の匂に焼かれをり 内山花葉 200509
群れてゐしことが若鮎なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200603
若鮎や清姫の淵るり色に 小林洋子 万象 200603
若鮎と見れば見らるる迅さかな 稲畑汀子 ホトトギス 200603
若鮎の食みたる苔の輝けり 山田六甲 六花 200707
串刺しの若鮎の尾のぴんとはね 池田光子 200707
若鮎を跳ばして閉づる水輪かな ことり 六花 200709
木曽川の若鮎を追ふ川鵜かな 山田六甲 六花 200805
若鮎の放流のあと雨おそふ 島谷征良 風土 200807
若鮎のなかなかの面構へなり 加藤みき 200808
若鮎の潮上にしぶく堰の水 関まさを 酸漿 200809
若鮎のタップ続けり湖の面 増田一代 200809
ぴちぴちと跳ねる若鮎串刺しに 岡佳代子 200809
若鮎の釣られし形に焼かれけり 松本文一郎 六花 200810
堰落つる水に若鮎挑みけり 高橋スミ子 万象 200810
若鮎の腹はち切れて焼き上がる 秋千晴 200901
若鮎を育て母なる琵琶湖かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
若鮎の底に消えゆく迅さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
若鮎の跳ねて湖北の動き初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
若鮎の覗いて過る生簀籠 柴崎甲武信 春燈 200906
若鮎を弾き出だせし一流れ 田中春生 200907
若鮎を一気に仕留む鵜の妙技 宮崎左智子 200908
上げ潮に乗り若鮎の一番手 有吉桜雲 200909
若鮎やここより湖西線の旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
若鮎の水脱ぎ捨てて堰を越す 田中春生 201004
若鮎にすうっうと夢魔の針降りる 伊藤希眸 京鹿子 201005
若鮎の育つ湖畔へ戻りけり 小澤菜美 201006
若鮎の渦に育ちし王者ぶり 関まさを 酸漿 201011
若鮎のかんばしき香を食うべけり 堺昌子 末黒野 201109
若鮎に広き夙川芦屋川 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
釣好きに若鮎の句来りけり 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
若鮎の素早き影を見るばかり 山田佳乃 ホトトギス 201208
杜若鮎やはらかく鯉を追ひ 大島翠木 201208
放されし若鮎暫し橋の下 武石京子 やぶれ傘 201210
若鮎の飛んで届かぬ堰のあり 市川伊團次 六花 201212
一口にせし若鮎の焼加減 稲畑汀子 ホトトギス 201403
若鮎の甘露煮旨し湖の味 佐々木和子 201407
若鮎の天麩羅づくしほろ苦き 鷲見たえ子 201408
若鮎のさ走り水の目覚めゆく 山田佳乃 ホトトギス 201408
若鮎に大河は黙を解きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503
若鮎にいよよ魚道の狭まりて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503
若鮎や美濃も奥なる長良川 鈴木鳳来 故山 201505
若鮎の躍る魚梯の瀬音かな 渡部節郎 201507
若鮎の腸の苦みも母郷なり 森岡正作 201607
若鮎や川の中にも風流れ 内山花葉 201607
若鮎の魚梯を登るひかりかな 石黒興平 末黒野 201708
若鮎の跳べば光となるばかり 森岡正作 201807
岩を跳ぶ若鮎一匹つづ光る 宮内とし子 201906
若鮎の水引つ張つて遡る 山田佳乃 ホトトギス 201908
若鮎のひかり浅瀬を遡上せる 永田万年青 六花 201908
繊月をめざし若鮎飛びにけり 升田ヤス子 六花 201908
若鮎の先頭切つてさぱしれり 赤松赤彦 六花 201908
若鮎の遡上遮る鳥の影 赤松赤彦 六花 201908
若鮎の目の澄みわたる哀れかな 志方章子 六花 201909
若鮎の刃金びかりに奔りけり 森岡正作 202007
若鮎に大琵琶の水微笑めり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
若鮎の早翻ること覚え 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
若鮎に水底は未だ遠過ぎる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
簗守の掌に若鮎の謐かなり 大沢美智子 202208
若鮎や由良川しなやかに曲がる 岩木茂 風土 202209
若鮎に水は硬さを解かざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
若鮎の未来大河に寄り添うて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303

 

2023年4月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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