うそ寒     162句

暮過て障子の陰のうそ寒き    胡及

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
うそ寒し石棺を見て返す歩は 稲畑汀子 ホトトギス 199910  
うそ寒に五臓六腑の和してをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910  
うそ寒にくさめ七十二回かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910  
うそ寒や人差指を傷つけて 山田弘子 円虹 199912  
密漁の草葺小屋のうそ寒し 藤村美津子 春耕 199912  
うそ寒にオリオンの空できあがる 空閑一叫子 ホトトギス 200002  
ひとり来し峰寺詣うそ寒し 安原葉 ホトトギス 200002  
口にせぬままにうそ寒持ち歩く 今橋眞理子 ホトトギス 200002  
うそ寒し云ひそびれたる一と日かな 粟津玲子 ホトトギス 200002  
うそ寒し第六感の外れたる 粟津玲子 ホトトギス 200002  
うそ寒を児の半袖の飛ばしたる 空閑一叫子 ホトトギス 200002  
うそ寒し都会の風の四角なり 粟津玲子 ホトトギス 200002  
心では打ち消しつつもうそ寒し 今橋眞理子 ホトトギス 200002  
峰寺の法要長くうそ寒し 安原葉 ホトトギス 200002  
うそ寒や御墓前未知の人ばかり 安原葉 ホトトギス 200002  
うそ寒し付合ひも程々にせん 湯川雅 ホトトギス 200002  
突然にうそ寒通り越す朝 今橋眞理子 ホトトギス 200002  
うそ寒や甕の水飲む竹柄杓 服部幸 200002  
うそ寒や言葉小さくなつてをり 空閑一叫子 ホトトギス 200002  
投げられし言葉放れずうそ寒き 武井廸子 ホトトギス 200002  
密漁の闇の動けりうそ寒し 藤村美津子 春耕 200010  
うそ寒や網の伊勢海老はづす灯も 藤原たかを 馬醉木 200012  
聞き取れぬ声にあいづちうそ寒し 谷口蔦子 ぐろっけ 200101  
うそ寒や魚屋の鯛の大目玉 田中藤穂 あを 200101  
さみしさは言はず勤行うそ寒し 原直子 200104  
怪我のこと話すも聞くもうそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 200110  
消息の伝はる早さうそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 200110  
うそ寒や焦げる匂ひの鍋の物 託正夫 200112  
いささかの銭借りてうそ寒きかな 藤原たかを 馬醉木 200112  
うそ寒やふみ書き上げし手のしびれ 後藤湖月 百鳥 200112  
うそ寒に衣思案の窓の外 大井邦子 ぐろっけ 200201  
ごみ箱に防犯カメラうそ寒し 岡谷栄子 200201  
うそ寒のしんじつ呆けたかも知れぬ 小林呼溪 200210  
うそ寒し風呂へ入るにも杖ついて 宮城白路 風土 200212 膝関節炎
うそ寒や受診番号111 藏本博美 ぐろっけ 200301  
石室は太古の湿りうそ寒し 鎌田つた枝 築港 200302  
うそ寒し棺にもなりし丸木舟 松崎鉄之介 200302  
うそ寒や胸に重たき癌一語 刈米育子 200302  
うそ寒や人工浜の閉ざされて 栗田武三 ぐろっけ 200302  
飛行雲三機発進うそ寒し 泉田秋硯 200302  
うそ寒き話こんがらかりにけり 阿部慧月 ホトトギス 200303  
大勢と居ても本堂うそ寒し 安原葉 ホトトギス 200304  
朝の間の雲の動かずうそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 200310  
人骨の話うそ寒なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200310  
うそ寒を纏ひ木道乾きをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310  
忙しきことうそ寒を遠ざけし 稲畑汀子 ホトトギス 200310  
うそ寒や調度をおかぬ控への間 浅川正 雲の峰 200311  
うそ寒しベツドの軋む音のして 小野田敏子 築港 200312  
一割となりし同窓うそ寒し 佐藤斗星 200312  
うそ寒き夜なり差し歯のほろと落ち 原嶋光代 草の花 200401  
うそ寒の闇によたよた躓きぬ 鎌田つた枝 築港 200401  
うそ寒の天へ階段京都駅 津田霧笛 ぐろっけ 200401  
うそ寒や錦絵の馬あかあかと 岩月優美子 200401  
うそ寒やきのふ換へざる供華の水 新豈風 草の花 200401  
うそ寒く猫の住みつく神社かな 荻野みゆき 対岸 200402  
うそ寒の邂逅となる一忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410  
うそ寒く句稿の裏に訃報添ふ 林翔 200411  
うそ寒し家の出入に鍵使ひ 岡本眸 200411  
うそ寒し予定無い日のワイドシヨー 小田切陽子 帆船 200412  
うそ寒や子が掻き出だす樋の火山灰 相沢有理子 風土 200501  
うそ寒や出窓に物の溜りゐて 生方ふよう 200502  
うたた寝の覚めたるあとのうそ寒き 村生翠 雨月 200502  
悠々の自適といふもうそ寒し 有山紫於 雨月 200503  
うそ寒き東京の雨蝦夷よりも 稲畑汀子 ホトトギス 200510  
うそ寒や片耳折れし白兎 那須淳男 馬醉木 200512  
因みにと切りだす輩うそ寒し 相沢有理子 風土 200512  
言ふよりは言はざることのうそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 200610  
うそ寒しさらに風添ふ日なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200610  
神将の逆立つ髪やうそ寒し 森ひろ 馬醉木 200701  
うそ寒を足裏に気づく厨事 山下潤子 200702  
日めくりを引つぱがす音うそ寒し 林翔 200702  
位致の拉の字義はひつぱるうそ寒し 野沢しの武 風土 200704  
うそ寒や病むにも似たる思ひごと 岡本眸 200712  
うそ寒や寺より寄進求められ 久保田至誠 200802  
うそ寒や三面鏡へかがみぐせ 筏愛子 200802  
うそ寒く墨磨つてゐる佳人かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810  
うそ寒く太白星の輝けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810  
うそ寒き高さに伸びて摩天楼 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810  
うそ寒き噂の主はやはり君 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810  
うそ寒き猫との会話ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810  
木のあひに雲の動かぬうそ寒さ 豊田都峰 京鹿子 200812  
うそ寒や首を振るたび星の数 吉岡一三 200812  
うそ寒や顔半分をマッサージ 鈴木照子 200812  
うそ寒し夕餉の膳の潮汁 藤見佳楠子 200812  
葉のひとつ立ちころびしてうそ寒き 豊田都峰 京鹿子 200812  
うそ寒き言葉の裏を子が通る 松田都青 京鹿子 200901  
うそ寒や吉良邸跡のなまこ壁 榊山智恵 末黒野 200912  
戸籍課のペンに鎖やうそ寒し 荒井千佐代 201003  
うそ寒しオランダ坂にある陰り 稲畑汀子 ホトトギス 201010  
うそ寒きデートの数でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010  
逡巡の原稿一つうそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201010  
うそ寒き耳の違和感富士樹海 鈴木照子 201012  
ロレックスの店閑散とうそ寒き 竹内悦子 201012 大阪
辻褄を合せる言葉うそ寒し 本田保 春燈 201101  
うそ寒や函嶺見ゆる程の雨 山口まつを 雨月 201101  
うそ寒や三行半の古文書展 三代川玲子 春燈 201101  
ひと言が波紋ひろごるうそ寒し 北川詠子 ぐろっけ 201102  
うそ寒しせめても歌へ球団歌 立村霜衣 ホトトギス 201102  
うそ寒といふは心の隙間とも 竹下陶子 ホトトギス 201104  
うそ寒く松陰生家礎石のみ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
うそ寒き角度に水尾の消えゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
うそ寒を連れて山門潜る僧 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
うそ寒や連れなき駅のカップ酒 太田良一 末黒野 201201  
うそ寒や風の中なるおびんづる 廣瀬雅男 やぶれ傘 201201  
ごつたに飛ぶ淀の穂絮やうそ寒き 城孝子 火星 201201  
うそ寒し検問の灯にのぞかれて 近藤牧男 六月 201206  
この辺に住んでましたとうそ寒く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211  
捨て切って書架の空白うそ寒し 柴田良二 雨月 201301  
うそ寒き夜の飯たく妻の留守 久世孝雄 やぶれ傘 201304  
うそ寒し肩の力を抜く家居 稲畑汀子 ホトトギス 201310  
会場を間違へしとやうそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201310  
はかどらぬ仕事次々うそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201310  
うそ寒く古墳は昔語りをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311  
うそ寒や路地に止まりし救急車 荒木稔 ぐろっけ 201401  
うそ寒の夜の路地幾つ曲がりゆく 西岡啓子 春燈 201401  
うそ寒し螺鈿座敷の刀傷 八田マサ子 馬醉木 201401  
うそ寒や粗櫛沈む神の池 林範昭 火星 201401  
うそ寒や愚かに階を踏み外し 玉置かよ子 雨月 201402  
うそ寒や君の小さき嘘に酔ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410  
唐突といふ言の葉のうそ寒し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410  
うそ寒き闇に消えゆく女かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410  
うそ寒や今夜も徹夜することに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410  
廃屋の崩れたる屋根うそ寒し 辻知代子 201412  
ざぶとんと言ふ部位の肉うそ寒し 森下康子 201412  
吉備伝説の深山うそ寒鬼の城 片岡久美子 201412  
うそ寒や世界は硝子で出来ている 有松洋子 201501  
うそ寒や一合に足る米洗ひ 玉置かよ子 雨月 201501  
うそ寒や皆既月食とふ時間 片岡良子 雨月 201501  
水槽の底にやり烏賊うそ寒し 山本耀子 火星 201501  
うそ寒や厚くて軽き漫画本 塩田博久 風土 201501  
皆既月蝕人間ひとへにうそ寒し 北川孝子 京鹿子 201501  
うそ寒や身の程を知る同期会 伊藤孝介 京鹿子 201503  
ハイヒールの脚うそ寒し草堂古る 伊藤希眸 京鹿子 201503  
夜の帳下りし山里うそ寒し 安原葉 ホトトギス 201503  
朝よりも昼よりも夜のうそ寒し 今井千鶴子 ホトトギス 201503  
忘れものして来しこともうそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201509  
うそ寒き噴火の山と聞くばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201510  
うそ寒し閑散とした山路とは 稲畑汀子 ホトトギス 201510  
完全といふ不完全うそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201510  
探しものばかりしてゐるうそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201510  
稿債の果てざることもうそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201510  
うそ寒や使ひ勝手のよき小鍋 斉藤マキ子 末黒野 201512  
この国の背筋にひそむうそ寒さ 有松洋子 201601  
名誉主宰うそ寒く立つ隠居部屋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610  
うそ寒といふほかはなし転びたる 稲畑汀子 ホトトギス 201610  
うそ寒の蠱惑な瞳生き上手 江島照美 201701  
うそ寒や軒より低き蛾眉の月 藤岡紫水 京鹿子 201701  
診断は加齢の一語うそ寒し 阪上多恵子 雨月 201801  
乗り継げばスマホの世界うそ寒し 寺田すず江 201801  
うそ寒や一枚ガラスに虎の来る 片桐紀美子 風土 201801  
うそ寒や指輪食ひ込む薬指 上林富子 やぶれ傘 201712  
うそ寒や首のうしろを掴まるる 布施まさ子 風土 201802  
赤紙もて決まる運命うそ寒し 永井惠子 春燈 201803  
しがらみを解けばうそ寒ちぎれ雲 藤田美耶子 201811  
うそ寒の窓辺に何か光るもの 雨村敏子 201902  
微笑みの幼き遺影うそ寒し 是松三雄 末黒野 201902  
うそ寒や半袖目立つ下校の子 大霜朔朗 末黒野 201904  
うそ寒やケルンめく橋工事中 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910  
うそ寒や又もハンドル握る母 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910  
うそ寒く口が動いてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910  
灯点して一人の時間うそ寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201910  
山近き大都市に居てうそ寒し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911  

 

2019年11月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。