190句

 

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前書その他
漆色に似せてぬるでの紅葉かな 由己 俳句大観麻生磯次他編 0  
漆掻あたまのうへや鵙のこゑ 加舎白雄 白雄の秀句矢島渚男著 0  
冬枯や神馬の漆はげて立 小林一茶   0  
典雅にて漆紅葉は孤絶せり 島将五   0  
漆山染まりて鮎の落ちにけり 大須賀乙字 乙字俳句集 192000  
漆掻林の鳥の如くかな 松根東洋城 句集「泰山木の花」 192700  
郭公や漆は花を垂れにけり 高島茂 鯨座 197600  
罐一つ腰に下げをり漆掻き 高橋美和 ? 199208  
漆の實少し離れて見たりけり 久保義信 ? 199311  
ブローチの色のさやかに蔦漆 朱文彰 ? 199312  
漆喰画の長八の芸伊豆は春 堀野サト子 ? 199403  
おちこちと漆紅葉お吉の墓 関合正明 ? 199501  
乾漆箱いぶし黄金が蒔くは春 深尾修 ? 199506  
拭きふきて栃や飾れる漆箱 深尾修 ? 199506  
彫漆に白がねこがね花粉ちり 深尾修 ? 199506  
端紅くほぐれてをりし漆の芽 高島茂 ? 199606  
稲妻にその黒冴えし古漆器 長谷部公連 ? 199610  
赤漆のセイロ積まれし夏座敷 小松健一 ? 199612  
魚は氷に上る朱漆の盈耀りて 深尾修 ? 199704  
土蔵多し漆紅葉の浄法寺 吉川葭夫 ? 199711  
祝電を漆の盆に紅葉の賀 茨木和生 199800  
漆紅葉白昼まぶし塗の里 佐藤正人 ? 199801  
花柊金泥しづむ木曾漆器 清水保 ? 199802  
大木に咲き溢れたり蔦漆 齊藤るか ? 199809  
摺込みの漆古色に夏座敷 法橋正 ? 199810  
葛切りのほとほと揺るる漆鉢 水野あき子 遠嶺 199810  
触れるなと漆紅葉の注意札 北村香朗 京鹿子 199903  
遠烏賊火漆の如き沖つづる 内山芳子 雨月 199908  
乾漆のはげし観音梅雨じめり 伊藤公女 ぐろっけ 199910  
箱膳の漆まつたり雲間月 北川孝子 京鹿子 200002  
蒔絵師の漆まみれの胴着かな 高村信子 春耕 200002  
水餅の漆の桶の夜なりけり 今木偉郎 200003  
漆塗る刷毛が引き寄す若葉光 小川昭江 200007  
漆喰にとどまる秋の入日かな 笹家栄子 200101  
夜は湖の漆延べたり鉦叩 岡田貞峰 馬醉木 200101  
江戸漆十一代目水を打つ 林裕子 風土 200109  
豊年の塗り直しきく漆椀 大嶋康弘 銀化 200111  
ひとまづはかぶれてもみむ漆掻き 利根川博 銀化 200111  
神無月漆の椀を拭いてをり 竹内悦子 200201  
穴惑ひ漆喰土蔵はげちよろに 牧野睦子 200201  
雪時雨漆器の螺鈿くもりなく 西村しげ子 雨月 200203  
春夕べ若僧の持つ漆盆 近藤きくえ 200205  
蝶とぶや洗ひ上げたる漆椀 松原仲子 200207  
炎昼に箸匠洩らす漆の香 岩木茂 風土 200209  
花冷や漆器に残る刷毛のあと 高畑信子 遠嶺 200210  
月光や仏師が漆練つてをり 小澤克己 遠嶺 200211  
妹と行けば漆の紅葉径に斜め 山口誓子 築港 200211 凍港
漆喰の壁にもたるる石蕗の花 大森美恵 風土 200302  
漆柱守るビニール露じめり 山田をがたま 京鹿子 200302  
鷹匠の漆餌箱の葵紋 市原詔子 雲の峰 200303  
漆紅葉炎え尽きてゐる下り坂 荻野千枝 京鹿子 200303  
磁器陶器土器漆器道具店うらら 吉成美代子 あを 200305  
女人高野へここらとばくち漆紅葉 山元志津香 八千草 200305  
如月の白き館の彩漆 中島陽華 200305  
漆器市竹床几にも品物乗す 毛塚静枝 200308  
漆器祭の五平餅食ぶ竹床几 長洲元子 200309  
朝涼し漆塗りなる能登の宿 椙山正彦 200310  
朝靄の尾根に日が射し漆掻き 中島正夫 対岸 200310  
漆絵を抱へてゆくや夏至の雨 雨村敏子 200310  
漆櫃の初茸飯と濁り酒 竹内弘子 あを 200312  
岩室に濁酒を封じ漆掻 竹内弘子 あを 200312  
手焙を撫でて無口に漆塗 渡辺周子 雲の峰 200402  
葉桶の漆文樣朝涼し 佐藤喜孝 あを 200403  
吉野杉の箸に箸置漆独楽 安井和子 200403  
朱漆の椀に初日のさしにけり 内田稔 遠嶺 200404  
虚子の字の久女の墓や沢漆 川口崇子 万象 200408  
肝臓も漆紅葉もよく濡れて 八田木枯 夜さり 200409  
漆掻き関東平野一望す 須佐薫子 帆船 200409  
三伏や鯛の歯で彫る漆塗 竹腰千恵子 200409  
漆塗の廊下に立ちし秋思かな 谷野由紀子 春耕 200412  
玉章や母の文箱の黒漆 大橋麻沙子 雨月 200501  
紅葉散る漆を塗りし回廊に 前阪洋子 雲の峰 200502  
白髪の歌ひながらの漆掻く 滝沢伊代次 万象 200505  
漆喰のシーサーを置き春を病む 大西八洲雄 万象 200505  
赤レンガと白漆喰の蔵の秋 杉山涼風 200505  
漆彩の花のトンネル阿修羅仏 中田禎子 200506  
永き日や塗師屋は漆ぬりかさね 定梶じょう あを 200507  
ひりひりと霧過ぎて行く漆の木 今瀬剛一 対岸 200509  
漆掻き百本の幹生殺し 今瀬剛一 対岸 200509  
漆掻く結城廃寺の瓦紋 玉川悠 遠嶺 200509  
漆掻く帽子の鍔の漆艶 今瀬剛一 対岸 200509  
漆掻く主峰は影を濃く立てり 今瀬剛一 対岸 200509  
漆掻きつつ谷底へ沈むかな 今瀬剛一 対岸 200509  
文机に漆光りのてんと虫 鈴木とおる 風土 200509  
生漆は真珠の雫掻きにけり 今瀬剛一 対岸 200509  
剥き飛ばす漆の樹皮も霧の中 今瀬剛一 対岸 200509  
屋根重く住み漆壺梅酒壺 今瀬剛一 対岸 200509  
山霧や鋼のつやの漆壺 今瀬剛一 対岸 200509  
白酒や一の蔵には漆椀 宮澤さくら 「今生」 200510  
雲海の上にて今日の漆掻く 福井隆子 対岸 200510  
覚悟ある幹に一刀漆掻く 石川敬子 対岸 200511  
木目浮く欅の漆器秋気満つ 石川敬子 対岸 200511  
漆紅葉茂る湖畔に日を得たり 三戸和子 四葩 200512  
秋の昼漆の匂ふ城に入る 松山直美 火星 200512  
先駆けて漆紅葉のあかるかり 荻原麗子 酸漿 200601  
谺生むかの山漆紅葉せり 安田青葉 対岸 200601  
秋光や陶磁器漆芸金工も 林日圓 京鹿子 200601  
もみづれば伐るをためらふ漆かな 増田大 春燈 200601  
かく朱き木曾漆器にも秋の翳 西川織子 馬醉木 200602  
霧にじむ漆紅葉の濃かりけり 中原信惠 200603  
工房は漆の匂ひ春の雲 堀木基之 百鳥 200605  
鳴神や漆をながす噴煙に 瀧春一 常念 200606 はからずも淺間山の爆發に遇ふ
漆絵のゑのぐの乾く花の風 岩下芳子 200606  
能登東風の町に漆の香りけり 柴村郁子 遠嶺 200606  
漆絵の雀飛び立つ春の昼 長瀬恒子 遠嶺 200607  
蔦漆後脚出した山の蝌蚪 森理和 あを 200611  
暁の押し出す漆紅葉かな 中田みなみ 200612  
その中の漆光りの枯一樹 岡本眸 200612  
漆喰に鏝絵描きゐる小春かな 西口鶴子 遠嶺 200702  
御鏡に串柿載せて漆器店 赤座典子 あを 200703  
文箱の漆の剥れ福寿草 森理和 あをかき 200704  
はばたいて漆光りの寒鴉 稲田節子 200704  
七日粥先々代の漆椀 松本文一郎 六花 200705  
漆盆剥げかけ喜寿の櫻鯛 中島陽華 200707  
色鳥や南蛮漆器おしやれして 林日圓 京鹿子 200712  
負けん気の漆紅葉の赫さかな 西口万佐子 200801  
雛市や漆にほひて灯の明き 島谷征良 風土 200803  
相打てる漆の独楽の赤と黒 岡淑子 雨月 200804  
白梅や持ち重りして漆椀 伊藤希眸 京鹿子 200806  
漆絵にたましひのある櫻かな 石脇みはる 200807  
六月の漆器の赤の持ち重り 藤田素子 火星 200809  
白梅や持ち重なりて漆椀 伊藤希眸 京鹿子 200901  
倦みもせず見入る漆椀小春の日 前川ユキ子 200902  
漆の香残る納めの獅子頭 鈴木良子 酸漿 200904  
凍て返る宵の漆のごとき空 相沢有理子 風土 200905  
漆掻登校の子と峠路 滝沢伊代次 万象 200907  
漆喰でかためし屋並島薄暑 伊藤紫都子 200908  
漆の実転ぶ処まで転びけり 小形さとる 200912  
吊忍枯るるにまかせ漆塗る 富田範保 201001  
夜なべの灯一つづつ消ゆ木曽漆 富田範保 201001  
一力の赤の漆喰十二月 西村雪園 風土 201003  
手に載する漆光りの内裏雛 小川玉泉 末黒野 201006  
大川の漆のごとき大暑かな 八田木枯 鏡騒 201009  
長老の横たはりたる漆彩(うるしいろ)絵 久津見風牛 201010  
真新しき漆の創や日雷 田中貞雄 ろんど 201011  
キヨキヨと鳴き夜鷹の渡る漆闇 丹生をだまき 京鹿子 201012  
ねねの道漆艶持つ小むらさき 塩路隆子 201101  
秋の日や漆絵皿の出来上がり 能勢栄子 201101  
冬座敷漆の貝の釘隠 清水美子 春燈 201102  
啓蟄やマイ箸に決む漆塗 赤座典子 201103  
節料理漆器に盛られ子等を待つ 内田和子 酸漿 201103  
懇に漆器納めて松過ぎぬ 名取袿子 201104  
紅絹磨く漆器の艶や風花す 下山田美江 風土 201104  
天領や漆重ねし雛調度 柴田佐知子 201105  
野漆や活断層のあるあたり 小澤菜美 201107  
鱧まつり漆の椀の軽さかな 中島陽華 201110  
まつさきに漆紅葉の峠かな 滝沢伊代次 万象 201110  
漆喰の壁落ちはじむ吊し柿 大地真理 201202  
アーナンダ瓢の色は赤漆 中島陽華 201202  
春の夜の黒の漆のよく延びる 高橋将夫 201205  
木地椀に漆摺り込む初仕事 繁田たけ子 万象選集 201205  
剃髪に漆の頭襟春の山 篠田純子 あを 201205  
初蝶の羽ほどかろし漆仏 栗栖恵通子 201206  
梅雨深し懇ろに拭く漆盆 堀田順子 馬醉木 201209  
蔵造りの漆喰窓に風涼し 小池清司 かさね 201210  
黒漆の床の涼しき好文亭 舩坂輝美子 万象 201211  
時雨るるや息掛け漆の乾き見る 我門行男 201301  
文箱の漆の匂ふ十三夜 宮川みね子 風土 201301  
八十歳漆も黄ばむ雑煮椀 品川鈴子 ぐろっけ 201303  
雪折のひびく夜更や漆塗 高島鶏子 馬醉木 201305  
孕み馬の漆光りに草千里 中島ひろし 末黒野 201305  
冴返る漆喰壁の虫籠窓 三輪慶子 ぐろっけ 201305  
掻き傷を残し漆を取りし後 小松敏郎 万象 201311  
青梅雨や触れてくぐもる漆器盆 不破幸夫 馬醉木 201311  
豊年や漆器は両手もて運ぶ 柴田佐知子 201311  
二百十日衝動買ひの漆椀 三輪慶子 ぐろっけ 201312  
漆掻き男も鎌も古りにけり 今瀬一博 201401  
小正月姫に漆のたばこ盆 山田六甲 六花 201402  
菓子皿は古き漆器や初大師 宮田豊子 春燈 201403  
山茱萸の奥に二層の漆蔵 密門令子 雨月 201405  
夏燕黒漆喰の軒先に 井口淳子 201408  
短夜や漆の扉開く音 江見悦子 万象 201410  
ままごとや黒き漆器に霞詰め 有松洋子 緑光 201411  
百年の漆の家に扇風機 岡田桃子 201411  
産小屋の漆喰はがれ雁渡し 倉谷紫龍 万象 201501  
トンネルを抜けて漆の郷や冬 橋本靖子 201502  
残り柿漆喰塀に山日照る 布川孝子 京鹿子 201503  
受け継ぎし漆器づくしの屠蘇の膳 桑名さつき ろんど 201504  
秋へ置く黒い漆の硯箱 坪内稔典 船団 201505  
春灯し松栄堂の漆文字 岡尚 風土 201505  
黒漆の花台に崩れ緋の牡丹 辻井ミナミ 末黒野 201508  
疵つけて又疵つけて漆掻く 岩下芳子 201508  
漆喰に間接照明秋深む 柿沼盟子 風土 201512  
黒といふ漆の艶や月今宵 小田嶋野笛 末黒野 201601  
秋うらら技の極みの「漆胡瓶」 近藤紀子 201701 正倉院展
小菊添へ海藤花汁漆椀 荒井和昭 201701  
漆掻く六尺程の竹梯子 中川句寿夫 ここのもん 201705  
父母しのぶ漆細工の雛道具 藤井明子 馬醉木 201705  
さえざえと乾漆にひび阿修羅像 服部早苗 201705  

 

2017年9月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。