魚氷にのぼる    81句

七十二候中、2月14日〜18日頃

作品
作者
掲載誌
掲載年月
魚は氷に上り約束稿の増え 藤井圀彦 200005
石穴の滴り魚は氷に上る 黒田咲子 200105
魚は氷にのぼりて星は座を組めり 高崎武義 200202
魚は氷に上る鵜の瀬の神事あと 安達実生子 200206
結納の魚氷に上る日となりぬ 伊藤月江 雲の峰 200304
魚は氷に上り嬰の手開きをり 柘植晴美 銀化 200304
オルゴール館とよもし魚は氷に上る 太田昌子 馬醉木 200304
魚氷に上り極上の暁の紺 水野恒彦 200305
魚は氷に上る銭湯落語会 齋藤宣子 帆船 200305
魚は氷に上り硯を研ぎにけり 山口富子 帆船 200404
閨年の魚氷に上りやすきかな 渡辺周子 雲の峰 200404
夕星や魚氷に上る沼の風 酒井多加子 雲の峰 200405
氷に上る魚枡目パズルを解き明かす 片山タケ子 200405
氷に上るのれそれといふ名の魚も 伊藤白潮 200405
魚は氷に仏弟子山に上りけり 市堀玉宗 六花 200504
魚は氷に上り貴船の橋に錠 深川知子 雲の峰 200504
魚は氷に上りて国栖の翁笛 中川晴美 雲の峰 200504
ちらほらと魚氷に上る竜田川 田中みのる 火星 200505
魚氷に上る人には母てふ止り木が 山元志津香 八千草 200506
氷に上る魚や買ひ足す小ろうそく 伊藤白潮 200604
魚は氷に上り見合の日の決まる 中橋文子 万象 200605
魚は氷に上りてヨハンシュトラウス 岩月優美子 200605
魚は氷に上り隠れの平家谷 安達実生子 馬醉木 200606
魚は氷に上りてヨハン・シュトラウス 岩月優美子 200608
猫の目の光れど魚の氷に上る 太田絵津子 200703
魚氷に上る閑吟集に狂への語 伊藤白潮 200704
魚は氷に上るも湖の氷らざり 松崎鉄之介 200704
氷に上る魚祝宴の招待状 峯桜子 遠嶺 200706
魚氷に上るどこまで下る大江戸線 西山美枝子 酸漿 200804
魚は氷に上りもつぱら膝かばふ 伊藤白潮 200804
魚氷に上り剥製の貂振り向ける 西山美枝子 酸漿 200808
魚の氷に上るや吾は腰痛め 折橋綾子 200905
魚心ありて魚氷に上るかな 柳川晋 200906
魚は氷に上り小江戸の吟行記 遠藤和彦 遠嶺 200906
矢印は雲指し魚は氷に上る 豊田都峰 京鹿子 201004
魚の氷に上り連山うすくれなゐ 松井倫子 火星 201005
丸き目をして魚は氷に上がりけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201005
魚氷に上るセシウム染みし大地 布川直幸 201202
魚氷に上る母音いよいよ響くなり 千田百里 201205
魚は氷に上りワルツとブルースと 岩月優美子 201205
魚の氷に上ると甕の目高たち 山尾玉藻 火星 201303
魚氷に上る若きが揚ぐる日章旗 山下健治 春燈 201405
魚は氷に上り眩しき風の色 岩月優美子 201405
半端なる時間が生れて魚は氷に 能村研三 201503
褒言葉真に受けてをり魚は氷に 能村研三 201504
汝は髪を結上げ魚は氷に上る 片山博介 春燈 201505
魚氷にのぼる日だまりの岸辺かな 後藤眞由美 春燈 201505
魚は氷に分厚き時刻表を買ひ 楠原幹子 201505
昼過ぎの魚はこぞりて氷の上へ 大崎紀夫 やぶれ傘 201505
魚は氷に上る改葬許可申請書 荒木甫 201506
魚は氷にブラスバンドの行進来 内山照久 201604
靴下を脱ぎたがる児や魚は氷に 細川洋子 201604
氷に上る魚寛解の友の文 大畑善昭 201604
魚は氷に上りて七大洋巡る 千田百里 201605
魚は氷に上り宇宙のただならず 寺田すず江 201605
魚は氷に人は脚立に上りけり 根橋宏次 やぶれ傘 201605
壁を越へ魚氷に上り果(おほ)せけり 柳川晋 201705
魚は氷に上り土竜は土もたぐ 田所節子 201705
魚は氷に前座の所作のきびきびと 溝呂木信子 201706
魚は氷に海豚は京の青空へ 火箱ひろ 船団 201802
魚氷を出づるきららきららのささら波 伊丹さち子 馬醉木 201804
魚は氷に上り山河の光り出す 近藤喜子 201805
魚は氷に上り浮上の潜水艦 持田信子 春燈 201805
魚は氷に上り刈株つち色に 南うみを 風土 201805
おとこ十五才の沽券魚は氷に 笹村恵美子 201806
少年は進化の途中魚は氷に つじあきこ 201806
魚は氷に翳せば発光する切手 岩佐梢 201905
魚は氷に風音に耳敏くなる 倉林はるこ 201905
魚氷に上り暁の鐘の音 神野未友紀 201905
魚は氷に起業三十年の朝 村手雅子 201905
氷に上る魚後悔のついて来し 吉田政江 202004
魚は氷に上る何かを始めねば 緑川啓子 馬醉木 202005
契約書に甲乙魚は氷に上る 三代川朋子 202005
魚は氷に佃の路地の地蔵尊 田邑利宏 202006
魚氷に上る金継ぎの井戸茶碗 平松うさぎ 202104
魚は氷に上りて乳歯抜けにけり 本池美佐子 202104
魚は氷に上り大使の馬車が往く 千田百里 202105
魚は氷に上りで子らは雲梯に 小林陽子 202204
生き生きて見ゆるものあり魚は氷に 阿部眞佐朗 202205
魚は氷に上りて独り芝居かな 園部蕗郷 春燈 202206
魚は氷に松前船を待ちゐたる 相川健 202210

2023年2月14日 作成

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