海 胆    70句  〈雲丹・海栗)



作品
作者
掲載誌
掲載年月
海胆割って利尻の初夏をすすりけり 柴田良二 雨月 199809
サハリンのかすかに見えて海胆啜る 藤村美津子 春耕 199811
海胆割りて蜑の酌みゐる茶碗酒 河合朋子 春耕 199906
左手は右手の雲丹を知らざりき 櫂未知子 銀化 199906
海胆採りのそのまま寝屋に向ひけり 今木偉郎 199906
海胆割るや波のきらめく宮古島 河合朋子 春耕 199906
海胆売りの会津塗なる棹秤 古里蝶次 199907
上半身裸で帰る雲丹漁師 橋本梢明 199910
春の海胆電波発信してゐたる 鶴目鯛遊子 六花 200006
宇宙人なり水槽の春の海胆 鶴目鯛遊子 六花 200006
海胆漁や廬を漕ぐ手足と箱眼鏡 渡辺美知子 200009
海胆の殻山なす磯に群れ鴉 渡辺美知子 200009
暗黒や海胆ゆつくりと熟れゆくも 林朋子 船団 200011
我に海胆食べさせ君は河童かな しらいししずみ 海程 200101
馬糞海胆穴の深くに無量光 各務耐子 200105
食べ終へて捨てしも動く雲丹の刺 渡辺美知子 200107
雲丹舟の鈷研ぐ音の荒磯かな 皆川盤水 春耕 200107
海胆漁の生簀替りに籠吊れり 渡辺美知子 200108
海胆採りの存分に四肢働かす 菅野啓子 百鳥 200110
雲丹工場軒先に見る燕の巣 田中章子 酸漿 200207
巧みなる媼の手元海胆を割る 豊田博子 築港 200209
民宿の膳にうごける海胆の針 豊田博子 築港 200209
海胆を採る小舟を海に傾けて 豊田博子 築港 200209
雲丹焼いて都の人をもてなせり 高木智 京鹿子 200209
春の海胆電波発信していたる 鶴目鯛遊子 六花句集 200302
棘そよぐ紫海胆や皐月潮 仙田孝子 風土 200307
朱にそまる朝の海より海胆あげる 田中青魚 200308
歓喜地やむらさき海胆の棘うごく 南一雄 200309
口開けや海胆採竿のよく撓ふ 藤田さち子 対岸 200310
海胆を採る舟の一人の傾ぎかな 藤田さち子 対岸 200310
お手玉に到底なれぬ海胆二つ 物江晴子 八千草 200310
戻さるる海胆むらさきの濃かりけり 藤田さち子 対岸 200310
大日や大気まさぐる海胆の棘 本多俊子 200409
地の果といふ旅宿の海胆の旬 稲畑汀子 ホトトギス 200504
朝市の触れれば動く海胆の棘 三輪洋子 200506
威勢よく雲丹船戻る朝の四時 沖野貞子 ぐろっけ 200509
岩陰といふ風音の海胆の針 山尾玉藻 火星 200604
海胆漁のよもぎで洗ふ箱眼鏡 二階堂妙子 河鹿 200607
海胆漁の二日のひと日時化にけり 二階堂妙子 河鹿 200607
灯台の岩場も海胆の解禁日 二階堂妙子 河鹿 200607
雲丹を割く積丹の沖静かなり 石山民谷 遠嶺 200607
利尻富士の影置く入江雲丹を採る 矢澤壽美 200611
雲丹を採る利尻の朝の雲厚し 矢澤壽美 200611
雲丹刺しの舟沈むほど傾けて秋 江草礼 春燈 200701
サロマ湖の凪に浮きゐる海胆の籠 浜口高子 火星 200706
雲丹割るや銀色の雨降りにける 雨村敏子 200708
割られても棘のうごくよ今朝の海胆 鈴木千恵子 万象 200709
海胆啜る角出てくると言はれても 小林輝子 風土 200709
積丹の海に雲丹突く小舟かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 200808
掌に抗すうるし光りの海胆の棘 梶川智恵子 200810
海胆割りて竜宮の門あらはれし 鈴木勢津子 樹間 200911
高きより海猫落したり海胆の殻 山内なつみ 万象 200911
岩礁の凪ぎたる礼文海胆の飯 高谷栄一 201005
夏の海胆を割る海女荒き志摩言葉 塩路隆子 201109
知床の海栗をつかみし腕捲り だいじみどり 201304
沖よりも眼前の雲丹見てゐたり 千田敬 201405
海胆の名に分福茶釜枇杷離離と 柳本渓光 ろんど 201409
やませ来る海胆舟一つ抱く岬 土屋草子 ろんど 201410
失敬な馬糞なんぞと海胆を裂く 山口ひろよ 201505
白南風や島の雲丹漁解禁日 林いづみ 風土 201508
海の宿雲丹の御飯に若布汁 松本秀子 201508
烏賊は透き海胆は動くよ島の膳 山内なつみ 万象 201508
海胆舟の傾ぎを深く艪のさばき 大内和憲 万象 201608
フレンチや雲丹を包める帆立貝 赤座典子 あを 201904
褒状に添へて六連島むつれの馬糞海胆 中島陽華 201906
空き殻となりても動く海胆の棘 岡部玄治 201907
海胆割つて勧められたり旅の果て 小田嶋野笛 末黒野 201908
満身の棘の動きて海胆動く 角野良生 201912
海胆剥きのいつしか暮るる明り窓 天野美登里 やぶれ傘 202007
海胆割りてしづしづ入れる銀の匙 北城美佐 202108

2022年4月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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