海酸漿     45句

海女の子に海酸漿を貰ひけり   黄子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
縮緬の手ざはり口中海酸漿
岡井省二
199807
葬り後は海ほほづきを鳴らすのみ
山野みどり
銀化
199907
荒壁や海酸漿を噛んでをる
延広禎一
199910
海ほほづき鳴らすはらから喪失後
田中藤穂
水瓶座
200002
海ほほづき売る店小さし祭の夜
田中藤穂
水瓶座
200002
海酸漿を噛み髯をもてやつしたり
岡井省二
200007
海酸漿の水を飛ばせしロビーかな
小林成子
火星
200008
縁日や海ほほづきと灯のにほひ
清水節子
馬醉木
200009
里の子の見つめるばかり海酸漿
村上留美子
火星
200009
海酸漿夜店で売らるが懐かしき
高木伸宜
船団
200102
点されて海酸漿売る五大堂
松崎鉄之介
200108
汐騒のひびける町に海酸漿
石田嘉江
200208
海ほほづき鳴らせる婿の欲しかりき
黒田咲子
200210
海ほほづきならせば蛇がくると言ふ
中里栄
帆船
200307
盆休み海女の鳴らせる海酸漿
冨田みのる
200310
海酸漿鳴らせぬままに乾きけり
後藤志づ
あを
200310
塩水に海ほほづきを漬けしまま
苑実耶
200310
海原の孤愁を曳きて海ほほづき
中尾公彦
200408
海ほほづきの口許だけを思ひ出す
森下賢一
春燈
200409
月の物はじまりし子の海酸漿
宮地れい子
春燈
200409
海酸漿口の端に過去ありにけり
岡淑子
雨月
200410
百叩きしたき奴あり海酸漿
新井裕
六花
200410
海好きの海酸漿はまだ鳴らず
竹内美智代
酸漿
200411
辛抱の足りぬ女よ海鬼灯
あさなが捷
200411
海酸漿鳴らし潮湯にひたりをり
河崎尚子
火星
200509
海酸漿ならし仲見世通りゆく
沖祐里
200510
海ほほづき少女にもどる母のこゑ
服部早苗
200610
所在無く海鬼灯を鳴らしけり
芝尚子
あを
200611
縁日や海酸漿のねぼけ色
赤座典子
あを
200611
魚屋が持つていきなと海酸漿
小林朱夏
200708
蘇るものに海酸漿の音
田村園子
200911
汐の香の海酸漿を噛んでをり
柳生千枝子
火星
200911
まづ吹いて海ほほづきを売りにけり
徳田千鶴子
馬醉木
201009
海酸漿ふふみ龍馬のかくれ宿
和田照海
京鹿子
201012
海酸漿鳴らす夢みる嬰の口 来海雅子 201109
海ほほづき夫に素直になれぬ日の 富川明子 201110
海ほほづき嚙めば寄せ来る波の音 コ田千鶴子 花の翼 201111
泣き言の代りに鳴らす海酸漿 田中貞雄 ろんど 201111
母恋し海酸漿の塩の味 宮田香 故郷 201207
遠山に帰る雲あり海酸漿 戸栗末廣 201609
海酸漿鳴らしし頃は大家族 犬嶋テル子 春燈 201809
風凪いで海酸漿は纜に 天野美登里 やぶれ傘 201907
音が出て海酸漿と判るまで 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
君らしき海酸漿の音色かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
音が出て海酸漿と判るまで 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005

 

2023年6月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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