海 亀    38句

海龜の哭く夜か白い汀は泛く   高島茂   冬日

作品
作者
掲載誌
掲載年月
海亀に沖よりの波尽きもせず 品川鈴子 ぐろっけ 199907
海亀の波盛り上げて現はれし 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
闇あまた海亀が来て産卵す 岡井省二 200006
海亀産卵ともしびの明石浜 大野英美 風土 200011
海亀の塚いろかへぬ松近く 市場基巳 200202
海亀の卵をすする夜のほどろ 仲原山帰来 草の花 200409
無口にて海亀の子は旅立つか 天野きく江 200410
海亀待つ砂浜大挙して清掃 仙石君子 雨月 200509
海亀がゆつくり七夕竹の上 佐藤喜孝 あを 200510
海亀の来るといふ浜冬ぬくし 堀木基之 百鳥 200604
海亀に天与の涙ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200605
海亀を待つ艀化場の砂新し 水原春郎 馬醉木 200606
海亀の背に乗りたしや大南風 岡本まち子 馬醉木 200607
大海亀可愛らしい目夏ひざし 木津左耶子 ぐろっけ 200711
大海亀裏がへる眼の淋しさは 大島翠木 200810
海亀の泪のあとや殻拾ふ 河村泰子 ぐろっけ 200901
海亀のシテの如くに消えゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201105
海亀のおのれひきずる砂の跡 遠藤真砂明 201110
海亀の産卵待てり星流る 橋本修平 かさね 201210
海亀の足跡残る砂熱し 橋本修平 かさね 201210
産卵の海亀明けの不二仰ぐ 延広禎一 201311
ぬめぬめと大海亀の上陸す 瀬川公馨 201312
海亀の渚は暗し星流る 藤原冬人 火星 201412
海亀の未来残して波に消ゆ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
海亀の浜と名付けてただ広し 稲畑汀子 ホトトギス 201605
春宵の湾に海亀浮かびをり 橋本順子 201606
海亀の行き来の跡の波に消ゆ 橋本くに彦 ホトトギス 201609
海亀の産卵粛と星の影 橋場美篶 末黒野 201610
海亀の卵保護中秋の浜 都築繁子 201811
秋の海海亀の孵化見張る小屋 田中藤穂 201811
海亀の孵化まで見守る秋の浜 植木やす子 201811
海亀や浦島姓の多き里 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
海亀の泪竜宮見て来し目 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
海亀の殻越えてゆく土佐の海 江見巌 六花 201909
海亀の鰭にあるタグ水温む 辻美奈子 202005
月涼し今宵海亀の産卵 波戸辺のばら 202009
海亀の浜に未来を遺し逝く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
海亀の消ゆ松籟に見送られ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305

 

2023年6月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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