鵜 飼   101句

声あらば鮎も鳴らん鵜飼舟   越人   曠野集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
炎天に母仕度せり鵜飼ひ舟 保坂加津夫 自在抄 199600  
鵜飼開き花束贈呈さる鵜匠 大橋淳一 雨月 199809  
川を自負城をも自負す鵜飼かな 大橋淳一 雨月 199809  
川風の舟や鵜飼へ反転す 小澤克己 遠嶺 199810  
篝火の爆ぜて荒ぶる鵜飼川 堀仁 199907  
松明を足して去り行く鵜飼船 桑垣信子 いろり 199908  
暮れてゆくことにはじまる鵜飼かな 嶋田一歩 円虹 199909  
鵜飼火の闇を毀しつ下り来る 嶋田一歩 円虹 199909  
鵜飼待つ舟に落日見届けし 嶋田摩耶子 円虹 199909  
鵜飼開式に列席して荒鵜 大橋淳一 雨月 199909  
白帝城誇りて鵜飼開かな 大橋淳一 雨月 199909  
暗闇に満ちてくるもの鵜飼果つ 菰田晶 199910  
残照に映ゆる山城鵜飼待つ 石垣幸子 雨月 199912  
鵜飼見る今宵のための宿なりし 稲畑汀子 ホトトギス 200007  
鵜飼舟天守の下の澱みより 川崎不坐 火星 200101  
徒鵜飼闇に白帯のみ動く 宮原利代 ぐろっけ 200102  
鵜飼の鵜千鳥生れの海鵜なる 永野秀峰 ぐろっけ 200108  
篝火の影を捌きて鵜飼水夫 木下仁司 200109  
夕燕などに目を遣り鵜飼待つ 宮津昭彦 200109  
宇治鵜飼十帖の名の船仕立て 安部州子 円虹 200109  
宇治橋の灯影を残し鵜飼果つ 安部州子 円虹 200109  
食足りて潜りの浅き鵜飼の鵜 山本吉人 200110  
一篝に火の道ひとつ鵜飼川 亀丸公俊 銀化 200110  
鵜飼果てなほ心中に燃ゆるもの 蔵持柚 銀化 200110  
湯槽より鵜飼終へたる川が見ゆ 宮津昭彦 200110  
生臭き闇が残りて鵜飼果つ 小野寺和子 200111  
戦陣阯今過ぎゆけり鵜飼舟 小林成子 200112  
初鵜飼雨の篝火かの世のもの 蔵持柚 銀化 200207  
泛みても潜りても修羅鵜飼の鵜 味村志津子 雨月 200209  
宇治川の先陣跡に鵜飼待つ 渡辺政子 雲の峰 200211  
酒臭き人と乗り合ふ鵜飼舟 渡辺政子 雲の峰 200211  
夕星の殖えて鵜飼の果てに浅川正 渡辺政子 雲の峰 200211  
舟底の石擦る音も鵜飼かな 浜口高子 火星 200212  
はまちにと十羽の鵜飼ふ媼 原三猿子 ホトトギス 200302  
嘴削ることに始まる鵜飼かな 浅田光代 風土 200309  
鵜飼待つ屋形次々灯の入り 浅田光代 風土 200309  
縄八本束ねて鵜飼始まれり 苑実耶 200310  
跡継ぎがうしろに控へ鵜飼船 高倉恵美子 200310  
鵜飼の鵜出を待つ狭き鳥屋の中 杉丸君子 築港 200407  
水も火と燃ゆる川面や鵜飼船 福山広秋 200408  
松明を咥へるときも徒歩鵜飼 立石萌木 雨月 200501  
胸板に激流支へ徒歩鵜飼 立石萌木 雨月 200501  
ロビーより芭蕉の句碑と鵜飼川 辻恵美子 栴檀 200508 観光ホテル・十八楼
夕映や鵜飼遊船舳を連ね 辻恵美子 栴檀 200508  
星空に川ひろびろと鵜飼果つ 辻恵美子 栴檀 200508  
山頂の天守ものぞく鵜飼かな 鷹羽狩行 200509 長良川五句
山城の外濠めきて鵜飼川 中村龍徳 200509  
飾られて昼は舫いの鵜飼舟 宮原利代 ぐろっけ 200509  
鵜飼果つ闇にぽっかり大洲城 松本恒子 ぐろっけ 200510  
鵜の健康検査や鵜飼開き来と 鵜飼紫生 雨月 200510  
鵜飼待つ長良川の早瀬渦巻ける 手島伸子 雨月 200601  
篝立ち荒鵜の逸る鵜飼かな 安達実生子 200610  
宇治に住み宇治に宿とる鵜飼かな 山本干里 200612  
篝火の崩れて鵜飼仕舞かな 阿部月山子 万象 200701  
むらさきの早瀬となりし鵜飼川 長田等 200707  
しろがねの鵜飼大橋つばめ来る 長田等 200707  
風落ちて闇に絵巻の鵜飼川 中村房子 馬醉木 200708  
鵜飼舟出を待つてゐる暑さかな 丸山照子 火星 200709  
鵜飼ショウ終りて川に灯の点る 出来由子 200711  
城の灯をのこし鵜飼の果てにけり 櫨木優子 200810  
竹筏漕いで鵜飼の近づけり 梶井和呼 酸漿 200810  
ぬばたまの夜空拡がり鵜飼果つ 高久清美 200810  
鵜飼川昨夜の濁りの消えぬまま 山本右近 万象 200811  
鵜飼果て川には闇の残りけり 久永つう 六花 200811  
鵜飼果て水は緊張解きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200908  
幇間の寸劇はやし鵜飼待つ 秋田建三 200908  
城山に大粒の星鵜飼果つ 西村博子 馬醉木 200909  
船頭へ舟棹贈り初鵜飼 林かよ 200909  
漆黒の翼拡げて初鵜飼 古田かつみ 200909  
見せ場いま舟べり叩く鵜飼舸子 塩路隆子 200910  
余韻なほつづく旅寝や鵜飼の夜 塩路隆子 200910  
鵜飼の火友禅流しめきにけり 櫨木優子 200910  
徒鵜飼ながめつ帯を締めなほす 小澤克己 遠嶺 200910  
燃えながら篝火流れ果て鵜飼 水谷洋子 十進法 200911  
山城を仰ぎ待たるる鵜飼舟 島ひろし 末黒野 200911  
式部職鵜飼中止に安らへり 古田かつみ 200911  
嘴傷のあまたや海鵜飼ひ馴らし 向井由利子 200912  
哀愁を捌く棹にも果て鵜飼 林かよ 201002  
漆黒の闇を切りゆく鵜飼舟 小林武弘 201002  
まづあの句座敷鵜飼の名調子 秋田建三 201005  
鵜飼果て水の存問ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006  
川原に干しある鵜飼の船飾 井上淳子 火星 201010  
いま一度鵜飼見たしも留守居して 大橋敦子 雨月 201010  
巴里祭や鵜飼の余韻持ち寄りて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107  
下流より闇に迫り出す鵜飼舟 久染康子 201108  
前山の霽れきし鵜飼仕度かな 蘭定かず子 火星 201108  
鵜飼絵の懐かしきかな水うちは 山崎里美 201109  
たいまつの火の粉の舞ひて鵜飼舟 松田明子 201111  
鵜飼船来ると嵐峡闇動く 尾崎みつ子 雨月 201111  
腰蓑の魚のしづくや鵜飼果つ 雨宮桂子 風土 201111  
高嶺星鵜飼の宴の果てにけり 有賀鈴乃 末黒野 201204  
川端に昨夜の名残りや鵜飼舟 有賀鈴乃 末黒野 201204  
鵜飼果て水惑星の眠り初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206  
鵜飼火の点となりゆく静寂かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206  
鵜飼舟ゆつくり闇に収まりぬ 高倉和子 201209  
日暮れ待つ河原広くて鵜飼かな 青木朋子 201209  
芭蕉の句胸より去らず鵜飼舟 青木朋子 201209  
鵜飼待つ間も暮れきたる金華山 北崎展江 くりから 201209  
鵜飼果て城山の闇かぶさり来 高瀬博子 六花 201209  
川面より吹く風そよと鵜飼舟 松田洋子 201309  
鵜飼船傾くほどに覗き込む 国包澄子 201309  

2013年9月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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