仲春〈春半ば〉       34句

かねてよりかすめる空の色をみる

春のなかばのいりがたの月   藤原雅経

作品
作者
掲載誌
掲載年月
仲春を以つて止まりし時計かな 田村はじめ 銀化 200205
眼の穴に石ころ積まれ春半ば 男波弘志 200305
鳥居より小石こぼるる春なかば 丸井巴水 京鹿子 200306
春なかば役目終りし弁当箱 林裕美子 六花 200405
普門品聞え鵜の瀬の春半ば 木村てる代 雲の峰 200405
仲春や舞台を歩く稽古など 林之子 草の花 200406
しっとりとけむる街並み春半ば 中川みよ子 200506
人はみな眠たく寂し春半ば 原田竜子 河鹿 200608
寒きときはひかざりし風邪を春なかば 島谷征良 風土 200806
春なかば父の忌いつも風に暮れ 安立公彦 春燈 200906
種コーナー自づと寄るや春半ば 篠崎荘市 酸漿 200906
仲春の投扇興に身を投ず 小澤克己 遠嶺 200907
桟橋に釣果の戻る春なかば 広瀬峰雄 200907
丘くだる南おもては春なかば 豊田都峰 土の唄 201002
単線の列車車窓の春なかば 川出浩之 201005
春なかばぶらり乙川薬師町 川出浩之 201005
倫敦の床屋談義に春なかば 川出浩之 201005
春なかば白衣集ひてデイスカツシヨン 伊吹之博 京鹿子 201006
春なかば句材となりし犬逝きぬ 島内美佳 ぐろっけ 201007
無駄づかひ買ひ占めもせず春なかば 山荘慶子 あを 201105
どこまでも影いとほしき春なかば 丸井巴水 京鹿子 201107
発つものはたち仲春の沼かろし 丸井巴水 京鹿子 201107
突つついて突つかれる仲春の鴨 高橋将夫 201107
春半ば園児薄着で声を出し 田島昭久 かさね 201306
春なかば声嗄らすほど友笑う 吉井潤 ぐろっけ 201307
空仰ぎ樹々をあふぎて春なかば 西岡啓子 春燈 201405
槙の肌ほろほろ乾き春半ば 米尾芳子 馬醉木 201505
忘れ癖つきたることも春半ば 佐藤淑子 雨月 201605
仲春のテープカットの赤と白 高田令子 201606
あやふやな気温重ねて仲春に 橋本くに彦 ホトトギス 201708
仲春の雲の動きはゆるりかな 長崎桂子 あを 201805
仲春の農具繰り出す恵比寿顔 長崎桂子 あを 201805
豪州は春半ばなり九月尽 谷口一献 六花 201912
パソコンの線の蠢く春半ば 柴崎和男 やぶれ傘 202306

 

2024年3月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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