露時雨    58句

門前や一本槙の露時雨    松瀬青々

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山住の音なき音に露しぐれ 山田弘子 「春節」 199503
カーナビにて着きし立待岬露時雨 渡辺美知子 199811
庭に下り立てば忽ち露しぐれ 稲畑汀子 ホトトギス 200008
旅の荷の又ふえしこと露しぐれ 稲畑汀子 ホトトギス 200009
日の暮の風死して露時雨かな 佐土井智津子 ホトトギス 200104
露しぐれ夫亡き朝の明けてゆく 山田弘子 円虹 200111
石仏の目より零るる露しぐれ 齋藤幸子 酸漿 200204
谿深く水地師の里や露しぐれ 立脇操 雲の峰 200211
夜明けゆく湿原の音露しぐれ 河野美奇 ホトトギス 200302
渡りたる風の篁露しぐれ 稲畑汀子 ホトトギス 200310
明け初むる牧や樺の露しぐれ 小宮山勇 遠嶺 200312
澄みきつて夜空の青し露時雨 長沼三津夫 200401
露しぐれ抜けて青空匂ふ街 辻口静夫 ホトトギス 200403
爪弾の浄瑠璃に和す露しぐれ 安西静 帆船 200404
快晴の朝のはじまる露時雨 稲畑汀子 ホトトギス 200410
草踏んですでに香のなき露しぐれ 岡本眸 200411
大人には大人の泣き癖露時雨 尾堂Y 河鹿 200412
一山を寺となしたる露しぐれ 久保東海司 200501
火の國の曠野へ残す露しぐれ 鈴鹿仁 京鹿子 200511
やや遅き帰りのつづく露しぐれ 藤井昌治 200512
朝の日のとどきはじめし露時雨 安原葉 ホトトギス 200602
露しぐれ狐ゐるかや狐穴 芝尚子 あを 200611
店蔵にねむる甲冑露時雨 西山浅彦 春燈 200612
大絵馬の船のうすれし露しぐれ 高橋千美 京鹿子 200701
露しぐれ百目蝋燭ぐらり揺れ 鈴鹿けい子 京鹿子 200701
露時雨孕みし牛の身を寄する 佐藤哲 万象 200702
露時雨笹に埋もれし馬子の径 那須亮子 万象 200702
高々と土塁古りたる露時雨 日置榮子 200702
露時雨昼を灯して式部の間 吉田政江 200801
魚霊碑の供華は野の花露しぐれ 内山花葉 200803
橅の木に耳あててみる露しぐれ 梅原幸子 遠嶺 200901
露しぐれ立看板をつたひけり 藤原春子 六花 200902
天界に血脈絶えぬ露時雨 平賀扶人 馬醉木 200911
経石の参道踏むや露しぐれ 鈴木靜静恵 春燈 200912
不意と謂ふ雲の流れや露しぐれ 鈴鹿仁 京鹿子 200912
露しぐれ鼻の先より深い海 鎌田悟朗 ろんど 201001
飛石はひとりの広さ露時雨 辻井ミナミ 末黒野 201001
露時雨もう一度呼ぶちよさんと 吉田政江 201101
露しぐれ波長の合はぬふたりかな 倉持梨恵 201102
犬吠えて竹林にはかに露しぐれ 布川直幸 201210
露しぐれ払うて疾駆の犬となり 布川直幸 201210
露時雨犬の身震ひしきりなり 白石正躬 やぶれ傘 201302
面影はあの日のままに露しぐれ 鷺山珀眉 京鹿子 201302
帰り来てほっと一息露しぐれ 宮越久子 201401
露時雨靴紐かたく旅に出づ 三輪慶子 ぐろっけ 201402
峠まで言葉少なに露時雨 成田美代 201512
野の彩の滲みやすくて露時雨 木暮陶句郎 ホトトギス 201603
露しぐれ裏径通り来たる靴 稲畑汀子 ホトトギス 201609
歳月や廃鉱坑道露時雨 岡田桃子 201701
祈(ね)ぎ事の沁み込む社露時雨 有松洋子 201702
宮様の御逝去悼み露しぐれ 稲畑汀子 ホトトギス 201710
露しぐれ鏡の中の小宇宙 本多俊子 201811
露時雨ほろほろ降りて誰もいず 松井季湖 201901
木喰の亀の井の跡露しぐれ 藤原文代 雨月 201912
露しぐれ軒低く住む浦十戸 亀井福恵 京鹿子 202001
浄土への旅路安かれ露しぐれ 松山牧子 ホトトギス 202102
小塚原刑場跡の露しぐれ 増成栗人 202212
露時雨牧牛の声哀しげに 山崎正子 202212

 

2023年11月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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