梅雨の雷      88句

悼井伏鱒二氏

いましがた出かけられしが梅雨の雷   川崎展宏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
裏返る犬の食器や梅雨の雷 那須淳男 馬醉木 199908
昨夜梅雨の雷を聞きたる深眠り 大畑善昭 199909
耳老いて梅雨雷を目で聴けり 沢坂芳山 京鹿子 199909
捨印の訳も聞かずに梅雨の雷 能村研三 200008
梅雨の雷はげしついでに初七日も 山田六甲 六花 200008
病室の母の眠りに梅雨の雷 大和田鏡子 俳句通信 200009
長峰の砦に立てば梅雨の雷 山口秀子 酸漿 200009
梅雨明の雷讃ふべし冷奴 永峰久此古 馬醉木 200010
わが気欝吹き飛ばすかに梅雨の雷 稲岡長 ホトトギス 200011
梅雨明を告げて雷鳴いさぎよく 稲岡長 ホトトギス 200011
空梅雨の明けの雷遠くあり 永岡セツ 酸漿 200110
動転の即入院や梅雨の雷 辰巳比呂史 200202
生半に足疵いへず梅雨の雷 篠田純子 あを 200207
陽を残す樹々の揺らぎや梅雨の雷 林翔 馬醉木 200208
不易にも鬣立てよ梅雨の雷 中原道夫 銀化 200208
梅雨の雷昨日も今日も人逝きぬ 高橋作之助 雲の峰 200209
無駄口の恥を重ねし梅雨の雷 武司琴子 ぐろっけ 200309
梅雨の雷響き雨音しげくなり 高木昌子 築港 200309
座禅石梅雨明の雷ひびきけり 兼子栄子 酸漿 200310
梅雨の雷そこのけ急げ救急車 南英子 ぐろっけ 200310
梅雨明けを宣言するや太き雷 萬条ハマヨ 帆船 200310
梅雨の雷修羅の天地となりにけり 中島知恵子 雨月 200311
茶杓拭く手元ゆるめて梅雨の雷 森山のりこ あを 200408
梅雨の雷蟄居のごとく座してをり 高橋あさの 200408
梅雨の雷妻の眉もて針使ふ 山本令夏 風土 200409
帰去来の詩を呟けば梅雨の雷 柴田孤岩 草の花 200409
づかづかと来てながながと梅雨の雷 大坪景章 万象 200409
気に掛る医師の黙考梅雨の雷 辰巳比呂史 200409
教室に転がる悲鳴梅雨の雷 沼口蓬風 河鹿 200409
梅雨上るらし雷のひところげ 西村しげ子 雨月 200410
梅雨明の気配まだなく雷はげし 松尾緑富 ホトトギス 200411
雷火一閃微動だにせず梅雨木立 和田祥子 馬醉木 200509
梅雨明の雷に柱の匂ひ立つ 鷹羽狩行 200607
梅雨の雷鼓無性に吾を打ちに打つ 大橋敦子 雨月 200608
海へ出て尚ごろごろと梅雨の雷 高橋美智子 200609
梅雨明けの雷と思ひて句座にゐる 大西八洲雄 万象 200610
雷の御堂をゆする走り梅雨 坂北濤 200708
脳トレの超人コース梅雨の雷 鈴木照子 200710
雷鳴の一喝ありて梅雨上る 小泉豊流 酸漿 200809
梅雨の雷床にこぼるる金平糖 八代冨二子 遠嶺 200809
隠し味の効かぬ文体梅雨の雷 甲州千草 200809
畦道の行く手を阻む梅雨の雷 森山のりこ あを 200909
疑ひなく近きに落ちぬ梅雨の雷 大橋晄 雨月 200909
ミシン目の思はぬゆがみ梅雨の雷 伊東和子 200909
もう少し降つておくれよ梅雨の雷 加藤みき 200909
去来する思案をさらふ梅雨の雷 小野寺節子 風土 200910
夜をこめて稿書く梅雨の雷近し 小川玉泉 末黒野 200910
庭箒持つ手急かさる梅雨の雷 水田壽子 雨月 200910
パソコンに窮せし夜更梅雨の雷 田中敬 200910
梅雨明けの雷や安土へ飛ぶ一矢 松下信子 万象 200911
大仏の堂内に聴く梅雨の雷 中村洋子 風土 201009
梅雨の雷突堤を噛む濤しぶき 小川玉泉 末黒野 201009
スーパーにとぢこめられし梅雨の雷 大野ツネ子 酸漿 201009
老漁夫に気骨なほあり梅雨の雷 葺石鈴代 馬醉木 201010
梅雨明の雷雨と豪雨地震までも 井田実代子 雨月 201010
梅雨の雷オルセー展の上走る 有賀昌子 やぶれ傘 201012
梅雨の雷転がし海のありにけり 山田六甲 六花 201106
モニターに躍る心臓梅雨の雷 笠井清佑 201108
失言の咎許されず梅雨の雷 大文字孝一 春燈 201109
髪染めて華やぐ街を梅雨の雷 宮崎紗伎 春燈 201109
梅雨の雷耳なし芳一語る午後 福島松子 ぐろっけ 201210
天馬もて駆くる夢覚む梅雨の雷 小川玉泉 末黒野 201210
起重機の坐高育つや梅雨の雷 田中貞雄 自註句集 201301
梅雨の雷出羽丘陵を冥めたり 見田英子 春燈 201310
北夜空ひらひら光る梅雨の雷 上原重一 201408
梅雨の雷若き阿修羅に近づき来 山田美恵子 火星 201408
正直な梅雨雷の一暴れ 岸本久栄 雨月 201411
小鳴門の闇をゆるがす梅雨の雷 綿谷ただ志 馬醉木 201608
倦みごころ雷の一喝梅雨寒し 藤浴博子 京鹿子 201608
小上りに過ぐるを念ず梅雨の雷 山口登 末黒野 201610
真夜中の雷雨激しき梅雨入かな 川村みよき 万象 201610
梅雨の雷勝負どころの待つたかな 松本文一郎 六花 201610
磧覆ふ川の土色梅雨の雷 森清信子 末黒野 201611
梅雨の雷父の寝嵩の薄きこと 井上正子 童女 201701
梅雨の雷うゐのおくやま妻こえて 禰寝瓶史 京鹿子 201710
梅雨明となるか雷鳴轟きぬ 外山生子 末黒野 201804
風神雷神の切手をなめて梅雨籠 山田六甲 六花 201807
家計簿の帳尻合はす梅雨の雷 落合幸子 京鹿子 201810
梅雨の雷頬杖がくんとはづれけり コ田千鶴子 馬醉木 201907
思はざる素顔を知りし梅雨の雷 コ田千鶴子 馬醉木 201908
屈託の赤ベコ揺らす梅雨の雷 白澤よし子 馬醉木 201909
梅雨の雷附箋の端のそり返る 青谷小枝 やぶれ傘 201910
グランドを均す球児や梅雨の雷 上月智子 末黒野 201910
グランドを均す球児や梅雨の雷 上月智子 末黒野 201910
過去一塊捨てたる夜半の梅雨の雷 阿部さちよ 202011
線状降水帯起き梅雨の雷 長崎桂子 あを 202109
梅雨の雷天明と記す供養塔 喜田君江 末黒野 202209
梅雨の雷もやしの根っこ取りながら 須賀敏子 あを 202209

 

2023年6月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。