筒 鳥   93句

筒鳥の筒打ちかへす羅臼岳   上村占魚

作品
作者
掲載誌
掲載年月
筒鳥に励まされゆく峠かな 大橋淳一 雨月 199909
筒鳥の筒うつ音の嶺々わたる 大橋淳一 雨月 199909
筒鳥の遠音大山明けそむる 樺山翠 雨月 199909
雨に待つ英彦の筒鳥聞かまほし 下田水心子 円虹 199911
筒鳥に呼ばれ迷ひ子めく日暮れ 豊田都峰 京鹿子 199912
筒鳥に明けて磐梯霧深し 水原春郎 馬醉木 200007
筒鳥や仏でありし石の群 永田二三子 酸漿 200008
はろかなる筒鳥の声峠ゆく 大橋淳一 雨月 200009
筒鳥や砂洲きよらかに梓川 鷹羽狩行 200012
筒鳥や泣き込み寺の縁に座し 中川晴美 俳句通信 200107
筒鳥とけらの交響青比叡 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
まぎれなき筒鳥の声をちの声 林翔 馬醉木 200208
筒鳥や独立標高点現るる 渡辺立男 馬醉木 200209
靄の底より筒鳥の声低し 於久昭臣 雲の峰 200209
筒鳥の筒打ち鳴らす宮の森 菅谷弘子 雨月 200209
筒鳥の小さき木霊や磨崖仏 渡辺政子 雲の峰 200211
筒鳥のこゑに背中を叩かれし 柴田佐知子 200307
ふところの深き山にて筒鳥啼けり 北原東洋男 200308
筒鳥の鼓うつ音遥かにも 大橋淳一 雨月 200309
筒鳥や連なる嶺は霧の中 大橋淳一 雨月 200309
筒鳥や空なき杉の古参道 夏目満子 酸漿 200309
筒鳥の声幽谷に溶け込めり 渕江千代 酸漿 200310
筒鳥や方程式にのめり込み 筏愛子 200310
筒鳥や山中に座す石仏 城戸愛子 酸漿 200406
筒鳥や朝日透き入るログハウス 中村翠湖 馬醉木 200407
筒鳥や幽きに後醍醐天皇陵 関根洋子 風土 200407
筒鳥や版木積みある堂長し 山本耀子 火星 200408
筒鳥や木の香ごもりに仏彫る 清水節子 馬醉木 200409
筒鳥や索道に吊る大丸太 平賀扶人 馬醉木 200409
揺るる木に筒鳥声を残しけり 清水和子 酸漿 200409
霧ふかく筒鳥こもる音と知れ 市場基巳 200410
童話集膝に筒鳥はるかなる 湯浅夏以 遠嶺 200410
筒鳥鳴くこの地にもある駒ヶ岳 片桐まこと 200410
筒鳥や荘の薪棚弛びそめ 岡田貞峰 馬醉木 200508
筒鳥に起きよ起きよと囃さるる 指尾直子 雨月 200508
筒鳥の啼きつつ山の暮れにけり 関根義行 対岸 200509
筒鳥や炭焼窯のくづれゐて 清水和子 酸漿 200509
山刀伐峠筒鳥ひびく木々太き 三宅句生 馬醉木 200510
筒鳥や瀬の音遠くなりゆけば 金居欽一 万象 200608
筒鳥を聞きゐるのみの村さやか 市場基巳 200610
筒鳥のこだま返しに空の青 相沢有理子 風土 200707
筒鳥や靄立つ嶺々の深きより 大橋淳一 雨月 200707
山里の幽玄深め筒鳥鳴けり 坂北濤 200708
筒鳥に深山暮しを愉しめり 坂北濤 200708
筒鳥や別れの兄の指の冷え 加瀬美代子 200708
筒鳥を見上げて空の青きこと 河原倫子 200709
筒鳥や森の静寂深まれる 伊藤稔代 200710
筒鳥や空白多き牧日記 中村風信子 馬醉木 200808
筒鳥や子に聞かせたきときに鳴く 城戸愛子 酸漿 200808
雨こぼれ牧の筒鳥首かしぐ 品川鈴子 ぐろっけ 200808
筒鳥や祖国の吾子今帰り道 伊吹之博 京鹿子 200809
筒鳥や苔をまとひし五輪塔 乙訓淑子 炎環 200809
筒鳥や登山者の鈴遠ざかり 白石正躬 やぶれ傘 200809
筒鳥の声に遠離の思ひあり 橋本榮治 馬醉木 200810
筒鳥の遠し雲居の立石寺 山本雅子 馬醉木 200810
筒鳥や日暮は深き森の息 丹羽啓子 馬醉木 200901
筒鳥の幽かな声も暮れむとす 海上俊臣 酸漿 200908
筒鳥の問遠に湿布貼り替へぬ 相沢有理子 風土 200908
筒鳥や雨あがりたる裏高尾 石原光徳 酸漿 200909
筒鳥や気付け薬の猿梨酒 山田春生 万象 201006
筒鳥の声息切れの吾を追ふ 武田ともこ ぐろっけ 201009
筒鳥やかな文字美しきデウスの書 山田美恵子 火星 201010
筒鳥に韻きあふ岳屹立す 伊藤希眸 京鹿子 201101
近く鳴く筒鳥のあり人来る 山田孝枝 酸漿 201107
立ちどまり聞く筒鳥のはるかかな 大橋伊佐子 末黒野 201108
筒鳥や昼餉は山毛欅の根方にて 白石正躬 やぶれ傘 201109
筒鳥に押され岩場を攀ぢりけり 松原悦子 万象 201111
筒鳥の声山門に入りてより 塩路隆子 201207
筒鳥や山峡に雲立ち込めて 藤井美晴 やぶれ傘 201207
筒鳥の谺惜しみて鳴きにけり 原友子 201209
筒鳥の筋惜しみて鳴きにけり 原友子 201210
筒鳥や朝一番の杉に和す 田中貞雄 貞雄自註句集 201301
筒鳥の近くて遠し尾根縦走 林紀夫 春燈 201310
銀瓶や筒鳥遠く湯の沸ける 岡田桃子 201407
筒鳥のほほほ父母恋しけり 岡田桃子 201408
筒鳥の声に耳貸す山毛欅の森 中野久雄 末黒野 201408
筒鳥や堂の跡てふ分岐点 伊藤ふみ 馬醉木 201408
筒鳥の声渡りくる山湖かな 森清堯 末黒野 201410
筒鳥を通りぬけたる峠かな 箕輪カオル 201508
筒鳥の呼び音途切れず雨催 井上石動 あを 201509
筒鳥に目覚めてをりぬ昨日けふ 園部蕗郷 春燈 201708
筒鳥に目覚めて畑へ行く時刻 園部蕗郷 春燈 201708
筒鳥や森林浴の谿へだて 池元道雄 馬醉木 201709
筒鳥の餌や渓の水光り 吉田きみえ 末黒野 201711
筒鳥の筒打つ音のかすかなる 大橋淳一 雨月 201809
筒鳥や水のごとくに闇退り 布施政子 馬醉木 201812
筒鳥や機山大居士の名も古りつ 水原秋櫻子 馬醉木 201906
筒鳥や樹海のしじま深うせる 稲葉三惠子 馬醉木 201909
筒鳥や正岡子規の句碑に雨 北村操 201909
隠り沼の筒鳥のこゑ耳底に 増成栗人 202108
橅林の日の斑ふふふふ筒鳥鳴く 岡田桃子 202109
妹の忌なり筒鳥鳴く日なり 西條弘子 202110
筒鳥や樅の木高き男坂 沼崎千枝 末黒野 202204

 

2023年6月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。