角 切     84句

角ぎりや礎のこす鹿の京  鬼貫   ザ・俳句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
角切の太鼓の囃す奈良茶粥
稲畑汀子
ホトトギス
199810
角伐りしあとはすつくと神の鹿
長田等
199902
横差しの日に立つ鹿や角伐られ
長谷川翠
馬醉木
199902
角切りの勢子息荒く次を待つ
乾フジ子
俳句通信
199912
角伐りのやや演技めく勢子頭
清水勝年
俳句通信
199912
角切られ鹿の眼の何を乞ふ
岡田房子
酸漿
200006
角切りし鹿に夕星大きかり
晏梛みや子
200012
角伐られたる鹿覗く竹矢来
中川濱子
ぐろっけ
200012
角伐られ出口探して神の鹿
竹村良三
200102
角切りの法被の襟に「愛護会」
竹村良三
200102
角切の鹿伏せられて空を見る
木下節子
雲の峰
200201
固唾のむ角切り始終の竹矢来
水島夜雨
京鹿子
200212
若き勢子若き神官角切会
深野まり子
円虹
200301
角切会医師の控へて始まりぬ
深野まり子
円虹
200301
角切場出で鹿の瞳にもどりけり
立石萌木
雨月
200401
角切りの鹿の腑ぬけの顔なりし
吉田康子
火星
200401
角切を終へし牡鹿の目と逢ひぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200411
鹿の角切りしばらくは出来ぬ恋
竹内悦子
200501
角伐られ鹿のバランス狂ひけり
泉田秋硯
200501
角切の大観衆を鹿見つむ
辻恵美子
栴檀
200512
アオーウオーアオー角切の勢子の声
辻恵美子
栴檀
200512
角切の鹿逃ぐ時速四十キロ
辻恵美子
栴檀
200512
角切るや喘ぎうねれる鹿の腹
辻恵美子
栴檀
200512
鹿の角切り落したる日のおとろひ
辻恵美子
栴檀
200512
角切られ森の湿りに蹲る
辻恵美子
栴檀
200512
全身で反抗の鹿角伐らる
塩川雄三
築港
200512
角伐らる鹿は虚空を見据ゑをり
前田久子
築港
200512
角伐会鹿より多き勢子揃ふ
塚谷誠
築港
200512
角伐会追はるる鹿の険しき眼
塚谷誠
築港
200512
角伐らる鹿の枕の汚れたる
塚谷誠
築港
200512
角伐場いちばん先に昏れにけり
城孝子
火星
200601
角切りの枕に血痕残りをり
内山芳子
ぐろっけ
200601
角切場椰の下枝に鋸吊るし
桑添礼子
栴檀
200602
角切の勢子踏ん張りて祓はるる
後藤和朗
栴檀
200602
角切の勢子にも妻と子のありて
中谷まもる
ホトトギス
200603
身に入むや鹿の角切る鋸の音
小畠和男
栴檀
200603
鹿の眼の見開くままに角切らる
森樹夫
栴檀
200603
角伐られ長老威容失せにけり
島田山流
春燈
200611
角伐られ昂りし鹿水を飲む
大西八洲雄
万象
200711
角伐会肩のショールのずれやすく
山尾玉藻
火星
200711
深空より松葉降りくる角伐会
城孝子
火星
200801
角伐られ鹿へなへなと崩れたる
山口素基
万象
200802
角伐られ鹿に横顔ありにけり
城孝子
火星
200902
勢子並び受くる角切り神事かな
山口キミコ
201001
鹿苑に角伐り神事朗々と
山口キミコ
201001
囚はれの身となり角を伐られけり
山口キミコ
201001
角伐りし鹿を放つに手順あり
大山文子
火星
201001
角伐らる鹿に傾げり松の空
城孝子
火星
201001
角伐られ鹿驚愕の眼上ぐ
阪本哲弘
201002
角切りしこぐちに滲むものを見し
山本耀子
火星
201003
角切らる時のまなこはそらの色
豊田都峰
京鹿子
201011
角切られ大きな宙を失へり
豊田都峰
京鹿子
201011
角切の鹿アキレスのごと跳ねし
延広禎一
201012
角伐会縄と丁字に勢子攻むる
室伏みどり
雨月
201012
角切の縄抜け狂ふ荒鹿は
室伏みどり
雨月
201012
角切らる大鹿の腹波打ちて
室伏みどり
雨月
201012
角切られ鹿の虚ろの瞳のわびし
室伏みどり
雨月
201012
顔じゆうに日の差しゐたり角伐会
城孝子
火星
201101
酒呷り角切の勢子出てゆけり 山田春生 万象 201110
長雨に濡れたる牡鹿角切られ 木戸宏子 201201
角切られ軽しと鹿は思はずや 堀口香代子 ぐろっけ 201201
角切の眞白き鹿の枕かな 笹村政子 六花 201201
角切や鹿の枕のずれてゐて 笹村政子 六花 201201
角切られ煎餅を乞ふ眼かな 笹村政子 六花 201201
角切られたるさ牡鹿の日の空ろ 藤井久仁子 ぐろっけ 201202
角伐りの放たれし鹿ぴいーと啼く 北崎展江 くりから 201209
角伐られたる鹿月を浴びゐたり 北崎展江 くりから 201209
角伐や伐りたる角は掲げ見せ 深澤鱶 火星 201301
角伐りの格闘めきて固唾呑む 藤田かもめ ぐろっけ 201301
角伐られし鹿の韋駄天走りかな 久染康子 201501
その中に角切されし優しき目 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
角伐られきょとんと鹿の顔になり 江見巌 六花 201701
きこきこと角切られけり神の鹿 堀田清江 雨月 201702
伐りし角神官高く奉る 森幸 雨月 201801
鹿と勢子必死に走る角伐会 森幸 雨月 201801
角伐られ尚貫禄の牡鹿かな 森幸 雨月 201801
膝を突き角切り落とす黒烏帽子 横山昭子 雨月 201902
あおによし角切あとの頭突き合い 近藤かな 201903
角切の波打つ腹を押さへ込む 岸洋子 201907
さ牡鹿の角伐らさじと疾走す 長谷川閑乙 馬醉木 201912
身に入むや角切り終へし角の跡 笹村ルル 202001
熟れバナナの大角切や老い癒す 吉澤恵美子 春燈 202009
角切や勢子の衣装の乱れやう 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
角切を終へたる鹿の虚ろかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
勢子右往左往角切大童 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
角伐られ一途に水を呑みゐたる 戸栗末廣 202105
角切りの追ひつめられし息づかひ えとう樹里 202206
角切りの縄一本に息つめて えとう樹里 202206
角切られ貧しきお顔となりにけり 戸栗末廣 202206

 

2023年10月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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