摘 草    128句

摘草や朝鮮の子と日本の子    百日紅    續ホトトギス

作品
作者
掲載誌
掲載年月
摘草や何時しか母の声離る 菅原修子 春耕 199807
摘草のひとつ袋に入れにけり 野口光枝 高籬 199812

 悼田村萱山様

待春の鳥にかこまれ野草摘み

稲畑汀子 ホトトギス 199902
摘草の大きな空を仰ぎけり 村田近子 遠嶺 199905
摘草や遙かな川の中州まで 石山惠子 遠嶺 199907
摘草に子とろ子とろの雲が出て 丸山海道 海道全句集 199910
摘草の人また立ちて歩きけり 高野素十 初鴉 200001
草摘みの雲輝かす浅間山 諏訪一郎 遠嶺 200005
草摘むや飛行場より空溢れ 宮津昭彦 200104
絨毯を織れる少女の摘草めく 手嶋小夜子 200105
摘みしあと残さずに去る草摘女 鷹羽狩行 200105
対岸の人草取か摘草か 大串章 百鳥 200106
千草摘み二〇〇一年摘みにけり 後藤洋子 ホトトギス 200201
山膚をのぼりもしたり草摘むに 島谷征良 風土 200203
摘草にあきて読みゐる他所の墓 大山文子 火星 200205
草摘むや亡き子に似たる子に添ひて 植木緑愁 春耕 200205
草摘むや峰より出づる雪の富士 阿部悦子 酸漿 200207
弟切草摘まず山路を急ぎけり 宮平静子 雨月 200302
石段の下摘草の子の集ふ 大串章 百鳥 200304
摘草に盗みこころの少しあり 佐藤喜孝 「青寫眞」 200304
摘草やけふの団子の出来具合 長崎桂子 あを 200305
摘草の跡のまあるく荒れてをり 竹内悦子 200306
摘草の畦に二つのランドセル 植竹美代子 雨月 200306
草摘の母校が近くなつて来し 太田土男 百鳥 200306
摘草やちらばつてゐる子供靴 青山悠 200308
摘草やときどき拗ねてみたくなり 松本きみ枝 遠嶺 200308
子の呉れし摘草に泣く老いたるや 岡本眸 200403
摘草や紫野とふ名に惹かれ 久保田雪枝 雨月 200405
摘草の本気になつてしまひけり 丸山敏幸 200406
野にまどろみ地蔵と摘草してゐたり 山元志津香 八千草 200408
摘草の影のびちぢみ姉妹 山田閏子 ホトトギス 200408
摘草の帰りは糸にあやつられ 八田木枯 「さり 200409
草摘の国分寺跡よぎり行く 大串章 百鳥 200505
摘草やところどころの水溜り 近藤牧男 春燈 200506
摘草やけふ二上山のかはゆかり 大山文子 火星 200506
標野ゆく我ら族の子草摘む子 吉村たけを 海市蝶 200606
草摘むや宮趾に時を忘れゐて 大石喜美子 雨月 200606
草摘むやまづ腰据ゑしあたりより 菊地惠子 酸漿 200606
摘草もみちくさも俳句のこころ 長山あや ホトトギス 200608
マンションに連衆千草摘み来たる 品川鈴子 ぐろっけ 200609
摘草の大地やさしくなつてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200703

 「遠矢」二〇〇号を祝して

摘草や摘むほどに草盛り上がり

鷹羽狩行 200703
草摘みてをり近道をしてをりし 稲畑汀子 ホトトギス 200703
雨止んで摘草の野に光置く 稲畑汀子 ホトトギス 200704
草摘や子の籠は花籠となり 鷹羽狩行 200704
国取りの美濃に草摘む人を見ず 松崎鉄之介 200704
摘草の子の追ひ駆ける三塁打 くらたけん 200705
摘草や川面の喜色まぶしみつ 岡本まち子 馬醉木 200706
摘草や百年前の橋渡り 丸山照子 火星 200706
摘草の母のだんだん遠くなる 天谷翔子 火星 200706
摘草の籠を彩る椿かな 笹倉さえみ 雨月 200706
神の手の草摘むやうに鳥立ちぬ 小澤克己 遠嶺 200706
うつむいて来るは摘草人なりし 嶋田摩耶子 ホトトギス 200708
摘草や川面のひかり額に受け 川口崇子 万象 200710
摘草のついつい遠出してしまう 花島みゆき 八千草 200710
野草摘むひとつひとつの名を問ひつ ことり 六花 200804
摘草や諦めきれぬ夢を持ち 小林奈穂 200805
草摘むやあの日あのめしあの疎開 千田敬 200805
摘草の土手の母子の羊顔 小山徳夫 遠嶺 200806
草摘みて右手冷たし左手も 荒井千佐代 200806
草摘むやかつては飢餓の兵として 井口光石 風土 200806
草摘みに行く約束のおおつぴら 高田令子 200806
持ち帰りたる摘草の夜を匂ふ 塙告冬 ホトトギス 200809
千草摘む四、五人島の幼稚園 木村美猫 ぐろっけ 200901
摘草の遊びの嵩を越えてをり 久染康子 200906
摘草やミントの場所を教へらる 卯木尭子 春燈 200906
人や知る草摘む丘は窯跡と 服部早苗 200906
摘草の親籠をまた遠ざかる 長田等 200908
草摘みつつ思ひは遠く別にあり 上田明子 雨月 201006
摘草をして道草を食うてをり 久染康子 201105
川縁に草摘み地震の地を想ふ 大橋晄 雨月 201105
母子草摘めば追懐母偲ぶ 渡辺安酔 201106
草摘んでペンより重きもの知らず 岩岡中正 ホトトギス 201108
山里の摘草料理春匂ふ 後藤克彦 かさね 201205
摘草の匂ひ袋となりにけり 代田青鳥 風土 201206
摘草や肘まで袖をたくしあげ 西村節子 火星 201207
摘草の子の先々の野のひかり すずき巴里 ろんど 201207
草摘むや米寿の靴の新しく 中田みなみ 201304
摘草や良寛さんの籠の中 杉本薬王子 風土 201305
母子草摘めば田平子ついて来し 後藤比奈夫 ホトトギス 201305
摘草や童に返る声あげて 石井美智子 風土 201401
摘草や気おくれしつつお懐紙へ 芝宮須磨子 あを 201405
摘草の水のきらめく御陵道 安部和子 雨月 201405
摘草に染まりし指二日ほど 村上留美子 火星 201407
母子草摘むうちの子もよその子も 今井千鶴子 ホトトギス 201408
摘草やひらひら渡る丸太橋 戸栗末廣 201505
リュックより摘草の香の厨かな 東小薗美千代 末黒野 201508
草摘んで大地の鼓動聞いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
草摘んで地軸ずらしてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
摘草のこころに敵ふ手足かな 能村研三 201604
摘草の影もひとりとなる日暮 石川倜子 馬醉木 201605
摘草の泥の手洗ふ聖午鐘 荒井千佐代 201605
草摘むや草食男子にあらねども 懸林喜代次 春燈 201605
朝の日の当たる餅草摘みにけり きくちきみえ やぶれ傘 201605
草摘むや妻の時間を飛出して 向井芳子 春燈 201606
摘草や野にやはらかき音の生れ 安藤久美子 やぶれ傘 201606
摘草の野の音も摘みまたひとつ 高橋澄乃 京鹿子 201607
桂郎の畦摘草の人を乗す 神蔵器 風土 201702
摘草や婆の蘊蓄限もなし 鍋島武彦 末黒野 201708
摘むほどに身ほとり翳る草の花 藤岡紫水 京鹿子 201711
草摘みを子まごに引かれ野へまゐる 山田六甲 六花 201801
長停車秋の名草を摘みに出で 渡たみ 馬醉木 201801
野の草を摘めば木の実の落つる音 大坪景章 万象 201801
摘草や野道を行きて子供らと 岡本まち子 馬醉木 201803
大利根の土手に草摘む日和かな 神田恵琳 春燈 201903
春の草摘みて笑窪の深くなる 佐藤恭子 あを 201904
幼らの残雪蹴りつ草を摘む 広瀬弘 201905
摘む草の雀の枕だつたかも ふけとしこ 船団 201906
草摘むやこごめ柔らか半日陰 須賀敏子 あを 201906
腕伸ばし腹這ひになり草を摘む 吉田悦子 201911
七草を摘む喜びを知らぬまま 藤田美耶子 202004
草を摘む日溜まりを摘む風を摘む 火箱ひろ 202006
鎌入れて根つこもろとも草を摘み 丑久保勲 やぶれ傘 202007
摘草や病める天地を宥めつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
摘草に微笑み返す野の起伏 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
摘み草や母の取り出す肥後守 間島あきら 風土 202105
草摘みの幼女の声は美しき 安齋正蔵 やぶれ傘 202105
子が摘んで母が束ねてをりし草 岡安紀元 ホトトギス 202109
赤人の摘みし野中のすみれ草 相川健 202110
名を問うて秋草摘まず忌を修す 鈴鹿呂仁 京鹿子 202112
摘草や大地のアリア聴きながら 稲畑廣太郎 ホトトギス 202203
摘草や海峡渡る定期船 六崎正善 末黒野 202204
れんげ草摘めば声する母二人 浜田久美子 六花 202207
摘草の籠置く去年と同じ畦 吉田葎 202208
夏草を掻き分け供花を摘みにけり 梅津まり子 末黒野 202211
摘草や摘むたびに子が名をたづね 今井康子空 202211
摘草や母の野性の胎動す 鈴木光影 202301
忘れ得ぬ人ありて摘む思ひ草 善野行 六花 202301

 

2023年2月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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